有川 浩『別冊図書館戦争Ⅱ』 : 夢の国・亞洲文化宮

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有川 浩『別冊図書館戦争Ⅱ』

20090222


出版社: アスキー・メディアワークス

刊行年: 2008年8月



<内 容>
・ 緒形副隊長には、大学時代、竹内加代子というゼミ仲間の恋人がいた。卒業後、緒形は良化隊員に、竹内は銀行員になる。竹内は緒形に内緒で小説を書き続け、ついにデビューすることに。しかしその掲載誌は狩られる対象となる。彼女は、緒形が良化隊員であることを隠していたことに怒り、別れを切り出す。その後緒形は図書隊員に方向転換、竹内は二足のわらじをはき実績を重ねる。2人はいまだに独身だ。
・ 郁は篤に昔の話を聞かせてほしいと頼む。今でこそ冷静沈着な堂上篤にも、無鉄砲な時代があったらしい。郁にはそれが信じられなかった。堂上は、小牧と主席を争っていた学生時代、図書隊に入隊後のエピソードを郁に話して聞かせる。
・ 柴崎はストーカーに悩まされていた。その奥村という男は、レファレンスを依頼して誘い出そうとするのだ。ある時彼は、遅延本の督促で電話をした職員に「柴崎に取りに来させろ」と言う。柴崎が手塚の車で奥村の家に行くと、奥村の両親に丁重に迎えられる。
・ ストーカーの件が落着した頃、柴崎の合成写真が隊員にばら撒かれる事件が発生。やがて携帯や寮への悪質な電話が相次ぐ。柴崎は警察に被害届を提出。捜査の結果、内部の犯行であることがわかる。
<感想など>
『図書館戦争』を読んでいた頃は「柴崎&手塚」など想像もつかなかった。
2人の気持が明らかになってからは、彼らを応援してきたが、著者はなかなかハッピーエンドを見せてくれない。それがじれったくて仕方がなかった。
今回の結末は「篤&郁」の時よりも感動的である。「柴崎&手塚」には試練が多かったからだ。
あとがきで作者は「柴崎は最初から優秀だったから伸びは少ない」と言っているが「変化」の点では一番だろう。
ストーカーの被害に悩まされていた彼女は自分自身の「歪み」に向き合い、自分の気持ちに素直になっていく。その過程の変化は誰よりも大きく、それこそが彼女の成長だと思う。
なお、最初無機的だった手塚が、巻を重ねるごとにイイ男になっていき、最後にはついに「王子様」になってしまった。(笑)
頭脳明晰運動神経抜群なのに「でくのぼう」だった手塚が、である。
彼の目覚しい変化は、意外かつ嬉しい展開だった。
いつか手塚中心の番外編を描いていただきたい。

2件のストーカー事件はいずれも悪質で許しがたい。しかしそれがゴールインのきっかけになったのは事実だ。こんな酷い事件に巻き込まれないとくっつけないのか、君たち2人は、と言いたくなった。(笑)
唖然としたのは、加害者が自らの行為を悪いと思っていないことだ。
1件目の場合、加害者の親が掌を返したように柴崎を激しくなじる光景がすごく奇妙だった。そんな親の姿を見た子が反省するわけがない。「子」といっても彼は一人前の大人である。
2件目の加害者たちの供述には愕然とした。特に、気弱そうな外面の裏で悪魔と化すこの女性には背筋が凍った。全部芝居だったのか、と。相手の気持ちを都合のいいように解釈して信じて疑わないとは、思い込みにもほどがある。
彼らはいつになったら罪の意識を持てるようになるのだろう。

さて、不満もある。
「緒形&竹内」が再会しないで終わるなんてありえない。絶対にありえない!!
竹内が折口に伝えた言葉「そのうち会いに行く」を信じて最終ページまで待っていたのに…。
このシリーズは終了ときいたが、本当にこれで終わりだろうか。番外編は?ともかく「緒形&竹内」はこのままでは中途半端である。彼らの「その後」はどうしても見たい。


<ココから先はまったく別のお話>
今年の神奈川県の高校入試問題(国語)に、有川浩さんの『阪急電車』の一節が載っていた。
高校時代のミサが電車の空席に鞄を置いたのを老人に怒られた、あのエピソードだ。
あらためて「問題文」として読んでみると、ミサの気持ちが心にジワジワ広がり痛くなった。
同時にあの老人のように悪いものは悪いとはっきりいえる人間になりたいとも思った。
問題はいずれも、正しい解釈を選択肢から選ぶもので、私はパーフェクトの出来だった。(嬉)
(いまさら自慢して何になる?:笑)
選択肢を読んでいると面白い。誤った選択肢の中には、迷いそうな事柄が必ず書いてある。明らかに誤っている箇所を発見して「×」と確信。こうして消去法で消して残った1つが正答だ。この作業が実に楽しい。ああ、受験生時代にこんなふうに楽しめていたら…。問題を作成する方はこうした「迷答」を作るのに苦労されていることだろう。
来年はどんな小説から出題されるのだろう。我が家の受験生の為に予想を立ててみようか。(笑)

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コメント

やはり孔雀の森さんと私は糸で結ばれている(何色?)

おはようございます^^
孔雀の森さんがこの本の感想をアップされた時、ちょうど私も読んでる最中だったんです!で、昨日の夕方にやっと読みきりましたよ。
前も確かそんなことありましたよね?いや~同じ本を読むタイミングが重なるなんてそうそうないっすよ~。

柴崎&手塚はやっとこさですね^^実に長い時間がかかったこと(笑)。加害者の女性には私も驚きました。堂上班の面々は皆イイ女、男ばかりなのでイヤな人物像が際立ってますね。

高校入試問題に『阪急電車』ですか!神奈川県はなんてセンスがいいんでしょう。私が受験の時なんてそんなシャレた問題一つもなかった記憶が。

>我が家の受験生の為に予想を立ててみようか。(笑)
ぜひぜひ♪そしてその予想問題を私にも解かせてください。優秀な成績を残してみせますので。頑張ります!
P.S TBにまた失敗(><)。後日させていただきまーす。

ゴージャスに金色の糸ということで♪

TKATさん、こんにちは♪
いや~、ホントにテレパシーの存在を信じてしまいますよ!!
お互いに「有川浩読みたくなるビーム」を知らず知らず発して知らず知らずキャッチしているのかもしれません。(笑)

>堂上班の面々は皆イイ女、男ばかりなのでイヤな人物像が際立ってますね。
そうなんですよね。堂上班の面々は個性豊か且つ優秀。(笑)何だか勧善懲悪の世界を見ているようです。

>私が受験の時なんてそんなシャレた問題一つもなかった記憶が。
私の頃はなおさらです。(笑)そうそう、有川さんがよく使われる言葉「しれっと」には注がついてました。
問題を解きながら反省する受験生がいたりして。(笑)

>予想問題を私にも解かせてください。優秀な成績を残してみせますので。
よおし、頑張って問題作っちゃおうか。(笑)いくら難しい問題を作っても、TKATさんには全部クリアされてしまいそうな気がするわ。

有川浩さんの新しい小説が楽しみですね。

お詫びを。。

スミマセン!自分の書いた日記を整理してたら
謝って『別冊図書館戦争Ⅱ』 の日記まで消してしましました(><)。
よって孔雀の森さんからのコメント&TBまで消滅でございます…。
ホント申し訳ないです(泣)。日記自体は別口で保存してたので
またアップしますが、とりあえずお詫びを・・・。
たびたび失敗ばかりの私ですが懲りずに今後もよろしくお願いいたします。
ホントすみませーん!!

気にしないでくださ~い

TKATさん、こんにちは。
アップしたらまたお邪魔しますね~。
新たな切り口でコメントいたしま~す♪
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大切に♪

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