立春 : 夢の国・亞洲文化宮

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立春

20090204

 2006年/中国/1時間30分(中国版DVD)
 監 督  顧長衛(グー・チャンウェイ)
 英 題  And the Spring Comes
 出 演  蔣雯麗(ジアン・ウェンリー)  呉国華(ウー・グオホワ)
      李光潔(リー・グァンジエ)  董 璇(ドン・シュェン)
      張 瑤(チョウ・ヤオ)  焦 剛(ジャオ・ガン)

<あらすじ>
1990年代。王彩玲(蔣雯麗)は地方の小さな町で音楽教師をしながら、オペラ歌手を夢みていた。町内放送で彼女の歌声に聴き惚れた青年、周瑜(呉国華)は彼女に猛烈にアタックする。しかし彩玲は彼の友人で画家志望の黄四宝(李光潔)を好きになり、何かと面倒を見るようになる。ところが四宝にはその気がなく、挫折を繰り返し、町を出てしまう。
やがて彩玲はバレエ教師の胡金泉(焦剛)と出会う。バレリーナのようにトウシューズで踊る彼に人々の目は冷ややかだったが、彩玲は彼と友人として交流していた。しかしある日彼は罪を犯し刑務所に収監される
高貝貝(張瑤)という少女が彩玲に歌を教えてほしいと頼みに来る。不治の病で余命わずか、死ぬ前にコンクールでよい賞を取りたいと言う。そして2位という素晴らしい結果を出したのだが…。

<感想など>
顧長衛監督の「三部作」の二作目とのこと。一作目は『孔雀(邦題:孔雀 ―我が家の風景)』。
登場人物たちの言葉が方言で、字幕とにらめっこしながらの鑑賞だった。
北京に出た王彩玲がダフ屋からチケットを買ったり、音楽学校に乗り込んだりする場面では、
首都と地方の壁が鮮明で、方言を使う意義が伝わってくる。

「容貌は悪いが神はすばらしい喉を授けてくれた」
王彩玲が不屈の精神で夢を実現しようとする背景には、この思いがある。

ほかにも夢に向かって進む人々が登場する。

黄四宝は20代後半になっても北京の中央美術学院入学に挑戦し続ける。

胡金泉はバレリーナに憧れている。


高貝貝はオペラコンテストの全国大会でグランプリを取りたいと思っている。

それぞれの夢と、その後の人生はどうなったのだろうか。
王彩玲と黄四宝は「幸福感」の点で対照的な人生を送っている。
いずれも夢の実現はかなわなかったが、彩玲がささやかな幸せをかみしめているのに対し、四宝は悪事に手を染め人々から追われる生活を送っている。
90年代、<下海>潮流の一端を見る思いだ。
胡金泉は外見と心のアンバランスに悩んでいたが、皮肉なことに刑務所で心の安定を得る。
彼の願いはかなったととらえてよいのだろうか。
高貝貝の場合、夢は実現した。しかしそれは人の心を踏みにじった結果である。
彼女は罪悪感と悔恨を背負って今後の人生を歩んでいかなければならない。
夢とは?幸せとは?そんな疑問がわきあがってくる。

人間関係のとらえかたについても考えさせられた。
周瑜と黄四宝の友人関係はいびつである。
周瑜が黄四宝の面倒を見てやるのは、彼に対する優越感からだ。
外見ではかなわないが、挫折を繰り返す四宝よりは自分の方が勝っていると自負している。
醜い発想。でもこの感覚は理解できた。

王彩玲と胡金泉の関係もこれに似ている。
容貌に劣等感のある彩玲だが、女性の心を持った胡金泉よりは「まし」という気持ちが多少あったのではないだろうか。
彩玲は胡金泉の女性としての心を尊重したからこそ、彼からの偽装結婚の申し込みに怒りを顕わにしたのだ。
しかし一方で、心の奥に、優越感から生じた同情が潜んでいるのを感じた。
刑務所で胡金泉の吹っ切れたような顔を見たとき、彼女は何を思ったのだろうか。
自分のありのままを受け入れた彼が、私には崇高に見える。
そんな彼の姿に涙した彩玲の気持ちを、もう一度よく考えてみたい。

若くて美しい小張老師(董璇)は、男性と同居している。ある日その男が彼女の全財産を持って失踪。彼女は「友人」である王彩玲に相談を持ちかける。しかし彩玲は、見劣りする自分が小張老師に心の安らぎを与えていると考え、友情論を否定。こうした一連の人間関係を見て、友情や愛情とは何だろうと改めて考えさせられた。

主人公を演じる蔣雯麗は10キロ以上体重を増やしたそうで、ブスメイクでの熱演には頭が下がる思いだ。

李光潔の役どころはいいとは言えないが、演技力は光る。

今観ているドラマ『特殊使命』の主人公とは正反対の、だらしのない、弱い男。
しかしそんな人間でも多少の良心は持ち合わせているのだと気づき、少し安心した。
(李光潔贔屓である:笑)

ラストシーンは「果報は寝て待て」と解釈したが、次に出た一文にあっけなく否定された。
制作者の、主人公に対する愛情が感じられた表現だった。

三部作の最後はどんな作品になるのだろう。

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