有川 浩『ラブコメ今昔』 : 夢の国・亞洲文化宮

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有川 浩『ラブコメ今昔』

20090124


出版社: 角川書店

刊行年: 2008年6月



<内 容>
作者のあとがきによると、自衛隊ラブコメシリーズの第2弾とのこと。
第1弾の『クジラの彼』同様6編の短編小説集です。
各話のタイトル及び内容は次の通り。
①ラブコメ今昔
  空挺団大隊長の今村は、広報自衛官に妻との馴れ初めを話すハメに。
  苦々しげな彼とは対照的に、カメラマンとその広報担当を相手に妻は楽しげだ。
②軍事とオタクと彼
  新幹線で席を譲ってくれた自衛官に一目惚れした歌穂。交際は順調に見えたが…。
  光隆を尾行し、彼の趣味を知った歌穂は愕然とする。
③広報官、走る!
  TVドラマの撮影チームを迎えた基地はトラブル続きだ。広報官の政屋は、
  いつもディレクターに嫌味を言われるAD、鹿野汐里が気になって仕方がない。
④青い衝撃
  公恵の夫、紘司はブルーインパルスのパイロットで、女性ファンが多い。
  ある日夫の洗濯物の襟にメモを見つける。群がったファンの1人が書いたものらしい。
⑤秘め事
  手島岳彦は上官の娘水田有希とつきあって2年、上官には秘密のままだ。
  やがて友人の死をきっかけに別れも考えるが、一大決心をして上官の前に進み出る。
⑥ダンディ・ライオン~またはラブコメ今昔イマドキ編
  『ダンディ・ライオン』と題する写真に千尋の眼は釘付けに。撮影者の吉敷一馬を
  探し出し一目惚れする。ところが作品の感想を述べたとたん一馬は不機嫌に…。
<感想など>
どの作品も主人公の男女が可愛らしい。特に女性キャラが立っていると思いました。
モデルが魅力的な方々なのでしょうね。
以下は各話についての感想です。

①ラブコメ今昔
若い2人は今村の取材を通して親密になったと思っていたのでした。
ラストで「いつの間に…」と2人の進展の度合いに少々驚いたのですが…。
いや~、そんな事情があったなんて知らなかった、と思ったのは⑥を読んでから。
草履を揃える時框に落ちそうになり、襟首をつかんでくれた見合い相手に一目惚れ。
キャー!!
この光景が頭から離れません。なんて素晴らしい構図なんでしょう:笑

②軍事とオタクと彼
6つの話で一番気に入ってるのがコレ。好きになったらオタクも何も関係ないのよね。
オタクであることを隠そうとする心情も、どんなに強烈なオタクだって驚かないぞ!
という歌穂の意気込みも、よ~くわかります。
光隆は、「オタク」の面、有事になった時の心構えを述べる面が対照的で、ホントに
魅力あふれるキャラクター。極めつけはラストの写真群!
その瞬間彼の趣味なんて忘れてしまいました。

③広報官、走る!
業界の裏話をこっそり聞いちゃった、という気分です。
この話はベタ甘にはならないだろうと思っていたら、ラストで強烈なパンチ炸裂!
「私の携帯番号、一番特別な場所に名前だけで登録してください」(以上引用)
普通言えるか、そんな台詞。口がひん曲がったって言えやしない。
でもそこを言わせるところが「有川浩」なのでしょうね。
なるほど、誰だってこう言われりゃ「溶ける」だろう。

④青い衝撃
6つの話の中では異色。夫のストーカーとも思える女性ファンが薄気味悪く、
どんな結末を迎えるのかドキドキハラハラでした。
いったいどこにベタ甘を持ってくるのかと思ったら、夫婦の馴れ初めだったとは。
ものすごくかっこいい男が、他の女どもを振り切って、自分目がけてまっしぐら!!
まさに王子様の到来だ!!でも現実はそう甘くないのよ、と言いたいのよね。

⑤秘め事
娘を想う親心と、恋人との仲を認めさせたい男の気持とが、拳骨となってぶつかり合う。
女性にとってけっこう嬉しい構図だったりして…。
しかしココに到るまでには悲しい出来事もあり、男を決心させたものが何だったのかを
考えると笑っていられないのですが…。
そう、この物語は深刻です。でも「義父に襟首をつかまれた新郎」には、つい顔が綻ぶのでした。

⑥ダンディ・ライオン~またはラブコメ今昔イマドキ編
あれれ、①で今村に取材した吉敷一馬と矢野千尋は、3年越しの恋人同士だったのね~
このお話はそこに到るまでの過程だったとは。
千尋のフットワークの軽さと思い切りには脱帽です。でも落ち込みようも激しくて、
そのギャップがとても可愛らしく、印象的でした。
なお、男性陣の中ではこの一馬がダントツに好きです。
低いかすれ声、無口、アート感覚、カメラを持つ手などがキーワードかな。
真のラストは①ラブコメ今昔のラストと言えるでしょう。甘いけどシリアス。

読み終わると、満たされた思いに包まれました。
まるで、男性たちの甘いささやきをすべて受け止めたお姫様の気分♪
主役の男性陣はそれぞれ、女性にとっての理想の姿を演じてくれているようです。
こんなことを言ってほしい。
こんなことをしてほしい。
そんな希望をすべてかなえてくれる、頼もしい存在です。
つまり物語が読者の都合のいいように回ってくれているのです。
あっ、でもそれは女性側の感覚。
男性読者はどう感じているのでしょう。気になるところです。

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「ラブコメ今昔」 有川浩 :TK.blog

『ラブコメ今昔』    著者:有川浩  出版社:角川グループパブリッシング 以下の6編で構成されています。 『ラブコメ今昔』 ...

コメント

もうそろそろベタ甘に慣れてきました^^

こんばんは^^
オタクの彼は魅力的ですよね。歌穂にはもったいないぐらい(笑)。
みな可愛らしいカップルで微笑ましすぎる!そんなベタ甘でも自衛官という仕事も
ちゃんと描かれてるのがこれまた凄い。

>主役の男性陣はそれぞれ、女性にとっての理想の姿を演じてくれているようです。

その通~り。読んでて恥ずかしくなるベタ甘でも、これが自分だったら…なんて
少しうっとり考えちゃう。あ~、著者の思うツボになってるよ私^^;
ベタ甘本を読みながら主人公を自分と置き換えて読むなんて私もまだまだ若い証拠ね(笑)。

ベタ甘大好きな自分がコワイ(笑)

TKATさん、こんにちは♪
自衛官という仕事と真摯に向き合っているからこそ「ベタ甘」が生きてくるんですよね。
おっしゃるとおり彼らの仕事がちゃんと描かれているところはすばらしいですね。

>歌穂にはもったいないぐらい(笑)。
たしかに~。彼女にはちょっとナンパ傾向があるようで…。
私が男なら惚れないタイプです。(わー、えらそーに:笑)

>ベタ甘本を読みながら主人公を自分と置き換えて読むなんて私もまだまだ若い証拠ね(笑)。
私もその「若い」仲間に入れてくださいませ~(笑)

PS.金田一やホームズのベタ甘って想像できませ~ん(笑)
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