寛恕 最終話(32話)まで : 夢の国・亞洲文化宮

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寛恕 最終話(32話)まで

20081129


2008年/中国/全32話(CCTV大富を視聴)
監 督  陳燕民(チェン・イェンミン)
出 演  王志文  許 晴  李依暁  劉小虎  李 諾  侯伝果
      郭 虹  方子哥  楊子驊  揚誠誠  成 武  陳 励
      柴 浩  程 希  

<はじめに>
1回分だけ逃したが、他の31回は全てTVを視聴。
毎回最後で次を期待させるから継続できたのだと思う。
32話は長いが、今まで観た中国ドラマに比べ散漫にならず各回とも密な内容だった。
特に31、32話は結末への勢いが加速し、終始釘付け状態。あと1回分あってもよかったのでは?
物語のテーマは、ズバリ「寛恕」。
中国語の意味は「寛大に許す。大目に見る」とある。(小学館版「中日辞典」より)
日本語「かんじょ」については「①度量広く、おもいやりの深いこと②ひろい心でゆるすこと」(広辞苑より)と出ている。
最終話で王志文演じる主人公が説く「寛恕」は非常に説得力がある。
その場面は何回でも観たい。
以下は、完全なネタバレです。
<登場人物>

 肖一航(王志文:ワン・チーウェン)
 両親を事故で亡くしてから、年の離れた弟、一帆を養育するため大学進学を諦めて
 トラック運転手となる。その後裸一貫で起こした会社は今や一流企業である。
 社員の瀋卉に疑惑を持ち、手下を使い彼女の身辺を秘密裏に調査させる。
 瀋卉の立案で購入した船舶が沈没し、取引先に多額の賠償金を払うこととなる。



 庄 敏(許 晴:シュー・チン)
 東平テレビ局のメインキャスターで、担当する番組の視聴率は高い。
 夫、一航との間に娘蓬蓬がいる。娘が誘拐され行方不明となった後
 「小蝌蚪基金会(おたまじゃくし基金)」を設立。
 養護施設に収容されている子供の親を探す活動に奔走する。



 瀋 卉(李依暁:リー・イーシャオ)
 肖一航の秘書で肖一帆のガールフレンド。
 父馬平原の敵討ちを目論み肖一航に接近。
 石大海を使い肖一航、庄敏夫婦の娘蓬蓬を誘拐させるが、
 夫妻と一帆の苦悩を目の当りにして後悔する。
 心に病を抱える母が度々口にする「放開她」が、どうしても理解できない。



 肖一帆(劉小虎:リウ・シャオフー)
 厳格な兄肖一航との間に衝突が絶えない。
 兄のアドバイスをすべておせっかいと感じてしまうのだ。
 叔父として蓬蓬の失踪に心を痛め、ネットを駆使して手がかりをつかもうとする。
 そんな中トラック運転手の後始めたネット宅配業は瀋卉の支援もあって軌道に乗る。
 瀋卉との結婚を兄に切り出すが猛反対され、兄弟関係はますます険悪に。
 一番の理解者は義姉の庄敏である。

 石大海(侯伝果:ホウ・チュアングオ)
 一攫千金を夢見て妻向錦芳と都会の東平市に出てきた。
 瀋卉との契約で蓬蓬を誘拐し多額の金を手に入れるが酒びたりとなり、
 妻と蓬蓬を監禁した上暴力を振るう。
 蓬蓬に100万元の懸賞金がかけられているのを知ると、瀋卉との契約を反故にして、
 肖一航と連絡を取る。
 妻と蓬蓬の失踪後は100万元を逃した恨みから瀋卉をゆすりにかかる。


向錦芳(郭虹:グオ・ホン)
肖一航一家のハウスキーパー。有能で夫婦の信頼も厚かった。蓬蓬の誕生日に、幼稚園に蓬蓬を迎えに行ったまま失踪。後で激しく後悔する。蓬蓬に睡眠薬を無理やり飲ませようとする石大海を諌めるが、逆効果となり度々暴力を受けることに。隙を見て蓬蓬を連れ逃げ出すが、橋の上で大海に追い詰められる。蓬蓬が川に投げ落とされるのを見て自分も飛び込む。

 馬平原(方子哥:ファン・ズーグー)
 瀋卉の父。庄敏に過去の写真をばら撒くと言って現金を脅し取ろうとする。
 生前には瀋卉にはマンションを買い与えるなど、優しい父親の面も見せていた。 
 後に高層ビルの下で遺体が発見され、警察ではこれを自殺と断定。
 



<感想など>
テーマ「寛恕」を語るために随分手の込んだ作品になっているな、というのが率直な感想である。
以下、いくつかの項目に沿って考えてみたい。

「寛恕」を得るまでの道のりは永遠
瀋卉は果たして「寛恕」を得られるのだろうか。現時点(最終回の時点)では「否」である。
ドラマは犯罪者に厳正な態度で臨んでおり、この方向性はよく理解できた。
瀋卉の罪は許されない。償いへの道は険しい。しかしその過程を見守ろうとする者はいる。
その点は救いであり、観終わってホッとするところだ。
では、瀋卉はなぜ過ちを犯してしまったのか。
きっかけは彼女の思い込みである。証拠もないのに父親を殺したのは肖一航であるとして、
敵討ちのためさまざまな画策をする。
憎いなら一思いに…と観る側は考える。だが彼女は肖一航の苦しむ姿を見たくて、わざわざ手の込んだ芝居をする。ここまでは冷徹な悪女である。
ところがこともあろうに敵の弟に惚れてしまうのだ。恋する女となってからの彼女には苦悩の日々しかない。しかも敵だと思っていた一航がイイ人だと気づき、後悔の念が溢れる。
この予期せぬ出来事が、単純な計算間違いに見えてしかたがない。結局瀋卉は普通の人だった。もう少し悪女を貫かせる方が、後の懺悔が生きてくると思うのだが…。
激しい憎しみ、恋の芽生え、自分への戸惑い、後悔、そして懺悔。
瀋卉の感情の振幅はあまりにも激しい。
瀋卉は、「寛恕」というテーマの為に無理に作られた人物像に思える。

子どもを取り巻く社会背景
夫妻が娘を探す過程では、誘拐した子どもたちに窃盗を教え込む夫婦、誘拐犯から解放され親の迎えを待つ子どもたちなどが登場。庄敏が訪問する養護施設でも、両親が行方不明の子どもたちが多く収容されている。一人っ子を失い自暴自棄となる父親を庄敏が説得する場面もある。子どもを取り巻く状況の厳しさに驚くことが多い。行方不明の娘を死亡したことにして出産計画を妻に持ちかける夫と、それに抵抗を示す妻。中国独特の諸事情が垣間見えた。

拝金主義の実態
肖一航、庄敏夫妻のような富裕層がいる一方、石大海、向錦芳夫妻のような貧しい夫婦もいる。この2組は好対照だ。
石大海は瀋卉の誘拐計画に乗った時点で完全に自己を見失う。肖一帆が娘の発見者に懸賞金100万元を提供すると知ると、蓬蓬が札束に見えてくる。
また、良心的な人々が大勢いる一方で、情報料目的で苦境に立たされる一家に近づく人々も確かに存在する。
情報料や懸賞金を示さないと犯人は捕まらないのか。まったくやりきれない世の中だ。
それより、あちこちに出没する石大海を迅速に捕まえられない警察に、視聴者としては不信感がつのるばかりだ。

真相は最終回に
肖一航は本当に馬平原を殺したのだろうか。
この疑問は終始つきまとう。妻の庄敏でさえ夫に疑惑を抱き、何度もたずねる。そのたびに彼は「そんな愚かなことをするはずはない」の一点張りだ。
肖一航は蓬蓬の誘拐に瀋卉が絡んでいることに早くから気づき、極秘調査を進める。
彼の悪に対する容赦のなさは、時には冷酷にも映る。毛毛(成武)という忠実で優秀な手下を使って瀋卉の実像を暴いていく姿は、悪人と紙一重にも見えて恐ろしくなった。
演じる王志文の、一つ一つの表情、動作には深い意味があり、「さすが名優」と思わせる場面満載だ。
さて、最終回でようやく肖一航が真相を語ってくれるが、「なぜ最初から話してくれなかったの?」と言いたくなった。
もっとも、最初に話してしまったら物語は成立しない(笑)
こんな風に突っ込みどころも目立つが、いろいろ考えさせられる物語であることは確かだ。

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