芙蓉鎮<ふようちん> : 夢の国・亞洲文化宮

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芙蓉鎮<ふようちん>

20081112

1987年/中国/2時間44分(中国映画の全貌2008で鑑賞)
監 督  謝 晋(シエ・チン)
原 題  芙蓉鎮
出 演  劉暁慶(リウ・シャオチン) 姜 文(チアン・ウェン)
      鄭在石(チェン・ザイシー) 徐松子(シュウ・ソンズ)
      祝土彬(ジュー・トゥビン) 劉利年(リウ・リーニエン)

<あらすじ>
1963年、中国南方の町芙蓉鎮。胡玉音(劉暁慶)、黎桂桂(劉利年)夫婦が切り盛りする米豆腐店は大繁盛だ。その一方で李国香(徐松子)の国営食堂は客足が伸びない。彼女は、美しくて人気のある胡玉音を妬み、政治工作班長に昇格すると玉音を《新富農》として糾弾する。夫妻は新築した家を没収され、抗議した桂桂は帰らぬ人となる。玉音は石畳を箒で掃く日々を送るうちに、同じ仕事をする秦書田(姜文)と言葉をかわすようになる。彼は右派ブルジョアジーの烙印を押され《ウスノロ》と呼ばれていた。
<感想など>
登場人物それぞれが文革経験者の代表として描かれ、キャラクターの濃さを感じた。
例えば国営食堂の店主から政治工作班長となった李国香。
《悪劣分子》を糾弾する立場が、ある日突然紅衛兵から突き上げられる立場へと逆転。
男運の無さに劣等感を持っていた彼女の罪状が<情事>とは皮肉なものだ。
やがて名誉を回復され文革後もキャリアの道を予感させる彼女は、浮き沈みの激しい人物の象徴と言えよう。

そんな彼女の元で党支部の書記にのし上がった王秋赦。
ラストシーンでの彼の変わり様からは痛烈な文革批判が伝わってきて、監督の反骨精神を思わせる。

谷燕山(鄭在石)は革命烈士としての誇りを持ち続け、胡玉音、秦書田を温かく見守る存在である。玉音の出産に立ち会った彼の、帽子に光る星印が母子を助けたのだと思う。文革の嵐に翻弄されながらも正義を貫いた貴重な人物だ。

胡玉音は苦しい時代を生き抜く女性の象徴的存在である。
美人で健気で働き者。好きな男性とは一緒になれず親の決めた相手と結婚。夫は気弱だが彼女を一途に愛している。そんな夫をぐいぐい引っ張り、店を切り盛りする彼女に見とれてしまう。強くて可愛いのだ。元カレがいまだに彼女に未練タラタラな様子は滑稽だがわかる気もする。
秦書田との交流が始まってからの彼女は急速に「守られる立場」になっていく。亡き夫には見せなかった姿だ。

秦書田のように文革を生き抜いた人々は、実際どれだけいたのだろうか。
教養があるため糾弾され最悪の扱いを受けながらも、ヘラヘラした態度でその場その場をしのぐのだ。
暴風雨を避け、荒波をくぐり抜ける術からは、並の人間とは違う気質を感じた。
労働改造所に送られる直前に胡玉音にかけた言葉「ブタになっても生きろ」からは、生に対する激しい執着が伝わってくる。

さて文革後1979年では、主人公2人は急速にふけてしまう。その姿は妙にしっくりしているが、姜文の電信柱のような細さはかなり印象に残った。
また、途中で秦書田が胡玉音に見せた19歳時の写真が『太陽の少年』の夏雨にそっくり!
時を経て観るとこういう楽しみもあるのだ。
でもやはり1987年当時に観たかった。

trackback

芙蓉鎮(ふようちん) :香港熱

1963年中国湖南省の南にある芙蓉鎮。 働き者の胡玉音(劉暁慶)は夫とともに米豆腐の店を切り盛りしていた。 米穀管理所の主任・谷燕山(鄭在石)から屑米を安く手に入れ、 夜通し臼で引き美味しい米豆腐作りに精を出す努力をすることで店は大繁盛。 しかしそんな様子に谷...

コメント

こんばんは,はじめまして
「虎猫の気まぐれシネマ日記」のななと申します。
sabunoriさんのお宅でお名前はしょっちゅう目にしていて
お邪魔したいな~と思っていました。
最近,というかたぶんこれからもずっと中国映画に熱中しそうな気配がするので・・・
好きな俳優さんはリウ・イエさん,フー・ジュンさん,トニーレオンさんです。
この「芙蓉鎮」は大昔に,まだ中国映画にハマってなかった頃にビデオで見て
それ以来,大好きな作品です。
文革の実態を知ることは衝撃でもありましたが。
TBしたのですが,相性が悪いのか,届かないようですので
コメントだけで失礼します。
これからもお邪魔させてくださいね。

ななさん、ようこそ♪

はじめまして。
私もsabunoriさんのお宅でななさんのお名前を存じております。
今ななさんのレビュー読ませていただきました。
とても詳しくて写真もたくさん!!ほんとにその通り!と
見入ってしまいました。
ななさんは中国映画をよくご覧になっているのですね。
私も大好きなので今後ともおしゃべりできたら嬉しいです。
ななさんのお好きな俳優さん、私も好きです。(その中でも特にトニーが…)
この「芙蓉鎮」、やはり公開当時、文革の記憶が今より
新しかった時代に観たかったです。
TB、,こちらの不具合だったらごめんなさい。
私も今またうかがいますね。
こちらこそよろしくお願いいたします♪

中国映画の底力

孔雀の森さん、こんにちは★
やっと観ることができましたー。
やはり大スクリーンで観る価値のある作品ですね。
孔雀の森さんと同じことを書いていてビックリ。
そうなんですよね、相手が変わると女性って変わるのね・・・としみじみ考えてしまいました。
監督はそんなところに感心してほしかったわけじゃないでしょうけど。(笑)
秦書田の人間の大きさ、生への執着心はすごかったですね。
あの「豚になっても生きろ!」という言葉には頭をガツンとやられました。
あ、そうそう。19歳当時の彼の写真・・・本当!夏雨にソックリでしたね♪

時を経てより輝く作品

sabunoriさん、こんばんは♪
私にとっても、ようやく観ることができた作品でした。
前から気になっていましたが、なかなか日程に恵まれなくて。
おっしゃるように、映画館で観る作品ですね。
家だと鑑賞途中で一時停止しなければならない事情が
発生しそうで、気持ちがそがれてしまうでしょう。
(長いですものね)
sabunoriさんと同じことを考えていたんだなあと思うと嬉しいワ。
胡玉音が秦書田に惹かれていく過程を、ドキドキしながら観ていました。
隠れながら、悟られないように、というのが何ともスリリング。
あ~、これが恋愛なんだなあと思いました。(笑)
「豚になっても生きろ!」は名セリフですね。
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