雫井脩介「ビター・ブラッド」 : 夢の国・亞洲文化宮

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雫井脩介「ビター・ブラッド」

20081024


出版社: 幻冬舎

刊 行: 2007年8月



<あらすじ>
佐原夏輝は新米刑事。幼い頃父母が離婚、母方の実家に妹と共に預けられるが、ほどなく母が失踪、祖父母に育てられる。祖父の葬式にフラリと現れた父、島尾明村を、夏輝はどうしても許すことができない。ところがある殺人事件の捜査でベテラン刑事の明村と組むよう命じられ、心中は複雑だ。明村は夏輝に高級なジャケットを買い与え捜査のイロハを教える。
<感想など>
コメディタッチ、シリアスな場面、サスペンス的ハラハラドキドキ感などがミックスして、全体的なまとまりを欠いた印象を受けました。
でもそれは事件重視の刑事モノととらえるからであり、親子の情を主題とととらえればまた違う印象になるでしょう。

「花の捜一」のメンバーは個性派ぞろい。それぞれにあだ名があり「太陽にほえろ」を連想してしまいます。まさか次々と殉職するのでは?と心配になったのは、「アイスマン鍵山」と呼ばれる係長が殺害されてから。
さてそのメンバー及び関連人物は次の通り。

ジェントル島尾
コブリン小出
オクトパス南
チェイサー稲木
スカンク富樫
バチェラー古雅
荒木アラエモン
シャドウマン(謎の人物)

高級ジャケットを翻し、「警・察・です」と言いながら内ポケットの警察手帳を見せる島尾明村。彼はこの動作を息子に伝授しようとします。相手に威厳を与える「ジャケットプレイ」。最初のうち嫌がっていた夏輝も、徐々にその効用がわかってきます。飄々としながら息子に深い愛情を注ぐ父と、そんな父親を「お前」と呼びつつ尊敬の念を持ち始める夏輝。息子が危機一髪のときに限って「足がつった!」と叫ぶ父親が滑稽です。でもそれが彼を成長させる鍵にもなっていて、ほほえましくなります。
2人の距離感の変化を楽しみながら、「ゼッタイ父親を殺さないでくれよ~」と祈るように読んでいました。

警察と情報屋のつながりが詳細につづられ、両者の複雑な人間関係が事件の真相を煙に巻いているように感じます。
解決に到る過程はサスペンス色が濃厚でしたが、結果的には「な~んだ」と拍子抜け。それまでの緊迫感が一挙に弛緩してしまいました。でも警察がゼッタイではないという認識が、ある意味リアルで恐ろしいです。

ラストはさわやかで、続きがあるなら読んでみたくなりました。

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