伊坂幸太郎 『ゴールデンスランバー』 : 夢の国・亞洲文化宮

スポンサーサイト

------

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

伊坂幸太郎 『ゴールデンスランバー』

20080817


  出版社: 新潮社
  
  刊 行: 2007年11月



<あらすじ>
仙台で凱旋パレード中の金田新首相が暗殺される。その直前、青柳雅春は旧友の森田に「おまえは首相暗殺の嫌疑をかけられる。逃げろ」と言われ、一緒に乗っていた車から飛び出していた。
森田の言葉通り、青柳は警察から執拗な追跡を受け、いくら冤罪を主張しても受け入れられない。彼はかつての同僚や友人を頼りながら、逃げ切ろうと決心する。


<感想など>
首相暗殺事件が起きた時点で、私は犯人探しを始めていた。
警察やマスコミが青柳雅春を犯人と断定するや、真実をあれこれ想像した。
青柳を陥れた巨大組織が存在するらしいという情報が入ると、これまでに登場した政治家、あるいはもっと世界的な組織について考えをめぐらせた。
もしかすると大どんでん返しで青柳が真犯人?なんていう推理も浮かぶ。
こんな具合に、前半は、ページを繰りながら青柳を陥れた「犯人」をひたすら追いかけていた。
張りめぐらされた伏線に終始翻弄されるが、翻弄されることにかえって快感をおぼえる。

とにかく面白い。早く真相を知りたくて、1日で読んでしまった。
今になってもったいないことをしたと後悔している。伏線をもっとしっかり把握していればよかった。
しかし物語自体にスピード感があり、その勢いに乗じて進むのも悪くないと思う。

後半は犯人探しよりも、青柳が逃げおおせるか否かに注目していた。
恐ろしいのは、誰もが一方的な情報を信じきって、一人の人間を決めつけてしまうことだ。
そしてその情報に逆らえない状況に陥っていく。
冤罪を信じているのは自分とごく少数の人間だけ、という状況では、法も守ってくれない。
しかし彼は逃走する。
父親を始め、彼の冤罪を信じている人々の存在が、彼のエネルギー源になったと思う。
元カノや後輩、元同僚、連続殺人犯などとの接触は偶然過ぎる感じもあるが、彼に生きる望みを与えた点で、その存在は重要だ。
父親のきりっとした態度が胸を打つ。ああいう親になりたいものだ。
青柳の生きようという強い気持ちと、彼を助ける人々の決心と判断が、あのラストにつながったのだと思う。

もし自分が青柳の立場に立たされたら、果たして、最後まで無実を訴え逃げきろうとするだろうか。
(圧力の前に屈してしまうかもしれない)
もし身近にいる大切な人が青柳のような立場になったら、世論を敵に回してもその人を守ろうとするだろうか。
(やはり最後には自分の方が可愛くなるのではないか。)
著者はこの物語を通して、読者を試しているような気がする。
真の勇気があるか。自分をどれだけ信じられるか。エゴイストではないか。
いざとなったら付和雷同するのではないか。
自分の内面に目を向けるのが怖くなる。
同時に、見えない所でこの物語と似たような状況が起こり得ると考えると、恐ろしくなった。

もしこれが映像化されたら、主人公はイケメンで足の速い俳優が演じることになるだろう。
そうなったら是非観たい!!

trackback

「ゴールデンスランバー」 伊坂幸太郎 :TK.blog

『ゴールデンスランバー』    著者:伊坂幸太郎  出版社:新潮社 <簡単なあらすじ> 仙台での凱旋パレード中、ラジコンによ...

コメント

すっかりオリンピックモード

おはようございます^^
マラソンももうじき終わりですね。…とオリンピックの話はここまでにして(笑)、私も大どんでん返しで青柳が真犯人?なんて思ってしまいました。最後まで息子を信じてた両親、亡くなってると思われてた息子が生きてるということを知ることができ私までホッとしちゃった。

>著者はこの物語を通して、読者を試しているような気がする。
なるほど!自分が青柳の立場だったら、また周囲の人間の立場だったら・・・と確かに読みながら考えてしまいました。いざ自分がそのような立場にたたされた時にしか真相はわかりませんが、そんな立場には絶対なりたくないよ(笑)。

>もしこれが映像化されたら、主人公はイケメンで足の速い俳優が演じることになるだろう。
うわ~、私も是非是非観たい(笑)!どんなイケメンが演じるんだろう?この作品は監督の腕によっては映像にしても面白くなりそう。でも小説を映画化した邦画って今までの経験上、ちょっと微妙だな~^^;

あっ、孔雀の森さん、マラソンが終わりました!次はレスリングですよ!高校野球準決勝もしてますよ!チャンネルチャンネル~~

チャンネル変えられた~(泣)

またまたこんにちは♪
家族の中にはオリンピックに興味のない者もいて、チャンネル争いは激化する模様…。

物語のラストはホッとしましたね。ハラハラ、ドキドキした甲斐がありました。
そして私もこの中の登場人物のような体験はゴメンです。
こんなことが起きないような平和な世の中を望みます。(何だか優等生発言:笑)

>小説を映画化した邦画って今までの経験上、ちょっと微妙だな~^^;
だから最近、原作を読んだ後その映画をあまり観ていないのかな。
映画には小説での感動以上のものを求めるんだけど、満足できることが少なくて。

さあ、ソフトボール、卓球を見るとしよう!!
非公開コメント
プロフィール

孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近のコメント
カテゴリー
最近のトラックバック
最新の記事
リンク
ブログ内検索

Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。