海堂 尊『ブラックペアン1988』 : 夢の国・亞洲文化宮

スポンサーサイト

------

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

海堂 尊『ブラックペアン1988』

20080806

ブラックペアン

発 行:講談社

刊行年:2007年9月


<あらすじ>
舞台は1988年の東城大学病院。研修医1年目の世良雅志は、「神の手」を誇る佐伯教授、「スナイプAZ1988」の使い手高階講師、謎の腕利き渡海征司郎らの下で、外科医として研鑽を積む。そんな中、彼は看護婦の花房美和に淡い恋心を抱く。美和も同様である。
手技を極めることをモットーとする佐伯と、機器導入により術者を増やすことを主張する高階とは対立関係にあったが、佐伯の病院長立候補をめぐり双方は歩み寄る。なお渡海は誰の目から見てもちゃらんぽらんだが、手術の腕は一流である。彼と佐伯との間には長年の確執があった。
<登場人物>
【世良雅志】 正義感が強く口が達者である。大学ではサッカー部所属。
【佐伯清剛】 東城大学医学部の総合外科学教室主宰者。手技は超一流。
【高階権太】 帝華大学から転勤してきたばかりの講師。「スナイプAZ1988」を広めようとする。
【渡海征司郎】 製薬会社との癒着を公言してはばからない。出世を全く考えていない。
【黒崎】 助教授
【垣谷】 世良の8年先輩。
【関川】 世良の5年先輩。スナイプ手術でミスを犯す。
【藤原】 看護婦長。
【猫田】 主任看護婦。器械出しを担当することもある。居眠りする場所をいつも探している。
【花房美和】 看護婦1年目。器械出しを担当。
【速水】 学部2年生(4年生)。世良の指導を受ける。
【島津】 同上
【田口公平】 同上
<感想など>
約20年前の物語で、「看護師」は「看護婦」と表記されている。
これまで読んだ海堂作品の登場人物の若かりし頃を見られるのがうれしい。
田口公平の登場はほんの一瞬で、後の大活躍が全く予想できないほどウブだ。しかし彼が自分の道を決めた過程は十分に推測することができる。
速水はこの時点ですでに外科医としての適性が見て取れる。
藤原、猫田、花房ら看護婦の姿も懐かしい。
実際会ったこともない、架空の人物に、こんなノスタルジックな思いを抱くのはなぜだろう。

今回は、登場人物を善玉、悪玉と分けることはできない。
熟練した医療者たちはいずれもポリシーを持っており、誰もが患者を第一に考えていることがわかる。
しかしそれが判明するまで、私は彼らにさまざまな疑念を抱いた。
患者の命より学内での出世を重んじているのではないか、
器械導入で儲けようとしているのではないか、etc…
医師1年生の世良の感覚、医療チームの人間関係、各人の葛藤を通して、医療のあり方が問われている。

ところでタイトルの「ブラックペアン」。
表紙にそれと思われる図が描いてあるので形は理解できる。
「ペアン」の役割としては、手術中の出血を抑えるために体内の「管」をはさむものと解釈していいのだろうか。
なお、「スナイプAZ1988」の形は全く想像できない。せめてその「銃身」をイラストで描いてくれたら…と思う。
手術場面では相変わらず難しい専門用語が飛び交う。意味はわからないが緊迫した状況は伝わってくる。

この後約20年の間に、彼らはどんな経験をするのだろう。
アナザ・ストーリーが頭の中で無限に広がっていく。
20年後の物語にもう一度目を通したくなった。

trackback

私書箱 :私書箱

私書箱

「ブラックペアン1988」 海堂尊 :TK.blog

『ブラックペアン1988』    著者:海堂尊  出版社:講談社 <簡単なあらすじ> 1985年、1人の研修医が東城大学医学部附属病院...

コメント

このタイトルは奥深い!

こんばんは^^
20年前の東城大学病院はお馴染みの方々の若かりし頃が大勢登場し、
なかなか楽しめました♪花房さんと世良、その後少しはお付き合いしたかもしれないけど
結局は破局したってことは私も孔雀の森さんも周知の事実^^;

>なお、「スナイプAZ1988」の形は全く想像できない。
ね~。そうですよね。なんとな~く小さい拳銃のような形を想像してましたが
どんな形をしてるんでしょ?というよりこれって現実にも実在するのかしら。
海堂さんの想像の産物だったりして。。

>この後約20年の間に、彼らはどんな経験をするのだろう。
私も孔雀の森さんと同じように架空の人物なのにノスタルジックな思いを抱いてしまいます。
ある程度登場人物が定着したり、気になる去り方をする人物がいると
アナザ・ストーリーをいろいろと考えてしまいますよね。
さぁ、次は『死因不明社会』を読んでA.Iにどっぷり浸かる予定です^^

もう忘れてる…(泣)

TKAT さん、こんにちは♪
約1年前に読んだというのに、かなり忘れています。
そういうときのことを考えて各人物のプロフィールをちょこっと
書いたのだと思いますが、覚えていない事柄が沢山…。
でも、よい作品だったことは覚えているんです。
これからTKATさんのお部屋で復習しますね。

先日読んだ『ひかりの剣』はこの『ブラックペアン1988』と同時進行なので、
高階先生サイドからみるとまた面白いなと思いました。
また、速水さんが世良君の指導を受けるというのもおもしろい。
まだまだひよっこだったんですね。

私はまだ『死因不明社会』リクエストしていませんでした。
早速わが町の図書館のホームページに飛ばなければ。
非公開コメント
プロフィール

孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最近のコメント
カテゴリー
最近のトラックバック
最新の記事
リンク
ブログ内検索

Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。