幾米『照相本子』 : 夢の国・亞洲文化宮

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幾米『照相本子』

20080716

 著 者:幾米(ジミー)〔台湾〕
 刊行年:2001年
 言 語:繁体字中国語
 英 題:The Moments
 出 版:大塊文化出版股份有限公司(台湾)
 日本語版:『メモリーズ』(出版:小学館/訳:岸田登美子)

ジミーさんが描いた思い出のアルバムです。
まず巻頭には6年丙組の卒業写真。(32人中7人がメガネって、多すぎない?)
次からは、左ページにフォトフレームの中に描かれた「写真」、右ページにその関連事項、という具合に、全60枚が収められています。
フレームの中の人物は丙組のクラスメイトも含め、多種多様。ジミーさんの後記によれば、それぞれ自分の経験から生み出されたとのことです。
自分が幼い頃に見た風景と重なるページもあり、懐かしさでいっぱいになりました。

例えば、遊園地のゲート前でたたずむ女の子の「写真」。
道に迷ったり、バスを乗り間違えたりした挙句、ようやく着いたときはすでに営業終了。
がっくり!!
でも大きな鳥の着ぐるみを着た従業員が、遊園地の楽しさをいろいろ語りながら途中まで送ってくれた、というお話。
きっと2人の少女は楽しい気持ちで帰途についた事でしょう。
この風景が表紙となっています。
子どもの頃は、落ち込んでも何かのきっかですぐに立ち直れ、嫌なことはきれいさっぱり忘れられた、そんな時期があったっけ。
気持ちの切り替えがパッとできた頃がとても懐かしい!

なお、何度も読み直してしまったのが『結婚式のタブー』。
新郎新婦の後ろで新婦のドレスを持つ女の子が主人公。
こういうときはみんな楽しそうにしてなければならない、みんな一緒に楽しい気持ちでいられる時間は少ないんだ、なんて子供らしくないことを言っています。
右ページではピンクの世界に吐き気がする、とまで言うのです。
フレームの中の3人は決して笑顔ではありません。
いったいこれは何を意味するのでしょう。
いろいろな想像が頭の中を駆け巡ります。

一枚の「写真」と短い文章の中には、たくさんの感情や人生観がこめられています。
喜び、悲しみ、恥ずかしさ、無念、不思議、寂しさ…
フォトフレームも、それぞれの情景にあわせて描いたとのこと。
作者自らの経験を基にしたと言っていますが、ここに登場するのはほとんど他人ではないでしょうか。
作者の観察眼には敬服します。

作中には『向左走・向右走』を思わせる場面もあり、巨大猫、巨大鳥、あのワンちゃんも登場。
作者の遊び心に思わずニヤッとしてしまいます。
読み返したらまた新しい発見がありそうです。

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「メモリーズ」 ジミー :TK.blog

『メモリーズ』  照相本子  MEMORIES OF YOU   作・絵:ジミー(幾米)  出版社:小学館 <感想> あとがきによるとこの本は...

コメント

思い出のアルバムだったんだ!

おはようございます^^

『メモリーズ』は気になってた1冊なんですが、そのような内容だったんですね。ますます気になってきました♪
1枚の写真にはたくさんの感情や人生観が込められているんですね。さすがジミーさんです^^
作中には他の著書を思い出させるシーンがちりばめられているのは嬉しい♪ジミー本を読む楽しみの一つです。反対に一つもそんなシーンがなかったらガッカリしちゃうかも(笑)。

早速図書館で予約しました。私も自分が幼い頃に見た風景と重なるページがあるかしら。

懐かしさでいっぱい♪

TKATさん、こんにちは。
ジミーさんって、どうしてこんなに人の気持ちが分かるんだろう、といつも感心しています。

>私も自分が幼い頃に見た風景と重なるページがあるかしら。
私は「あ、こういうこと考えてたな」とか「こういう場面に遭遇したなあ」というページに出会って懐かしくなりました。
TKATさんもあるんじゃないかしら。(勝手な想像でごめんなさい)

予約されたのですね。ご感想、楽しみにしてます。
前の作品と関連ある場面など、見つけて教えてくださったら嬉しいワ♪

やはり日本語版とは表紙が違いますね

こんにちは^^

>まず巻頭には6年丙組の卒業写真。(32人中7人がメガネって、多すぎない?)
ホントだ!多いですね~。ジミーさんの観察眼もすごいけど、孔雀の森さんの観察力もすごい!
これって小学6年生ですよね?中には小学生らしくない髪型の子もいたりして、高校の卒業写真といっても十分いけそうです^^;

>なお、何度も読み直してしまったのが『結婚式のタブー』。
「誰にもこの素晴らしい時間を壊す権利はない」だなんてホントに大人顔負けのことを言ってますね。一体この少女はどんな大人になっていくんだろう。

この本を本で、「写真」って色んな感情やドラマがあるんだなとしみじみ思ってしまいました。自分の昔の写真を見たくなっちゃいます^^若い時の写真は時代に合わせた服装や髪形、化粧をしてるのでそれを見てるだけで楽しかったりするんですよね。前髪がトサカみたいだったり眉毛が太かったり(笑)。ホント写真にはいろんな思い出が詰まってます♪

日本語版の表紙―「美好的一天」

TKATさん、こんばんは♪
巻頭の写真、おっしゃるように大人っぽい子が多いですね。
女の子の髪型もそれぞれおしゃれで。
みんな制服を着ているからよけいに子供に見えないです。

>「誰にもこの素晴らしい時間を壊す権利はない」
こういうふうに訳されているのですね。勉強になります。
この女の子、子供らしくない、というのが第一印象です。
なんだかとてもさめた感じがして。
単に「疲れた」だけではない、特別な感情があるのかな、なんて考えてしまいました。

>前髪がトサカみたいだったり眉毛が太かったり(笑)
TKATさん、時代の先端をいってましたね!懐かしいワ、あのバブルの頃が。
写真を見ていると時間を忘れてしまうことがありますが、それは思い出にひたっていたからかな。
自分の「照相本子」を引っ張り出して見てみるとしましょう。
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