田舎町の春 : 夢の国・亞洲文化宮

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田舎町の春

20080623


 1948年/中国/1時間40分(現代中国映画上映会で鑑賞)
 監 督  費 穆(フェイ・ムー)
 原 題  小城之春
 出 演  韋 偉  石 羽  李 緯  張鴻眉


<感想など>
田壮壮監督のリメイク作品『春の惑い』(邦題)が記憶に新しく、一つ屋根の下に渦巻く四者の心模様と美しい風景が、今も胸の中に残っています。
今回はそのオリジナル作品とは知らずに見始めましたが、冒頭ですぐに気づき、やがてこの『小城之春』の世界に徐々に引き込まれていきました。
さすがオリジナル作品。再現ではない、リアリティに溢れた風俗や風景には圧倒されます。
モノクロの世界に広がる光と影。
ベッドの蚊帳から透けて見える窓枠が揺らめいて、幻想的な色を感じました。
そして、表情と仕草だけで進行する画面。
沈黙の続く場面には台詞で表現しきれない想いがつまっており、それが手にとるように伝わってきます。

私は、リメイク版の玉紋は好きになれませんでした。
おそらく、単に、生理的、感覚的に受け付けなかっただけなのだと思います。
しかしオリジナル版の玉紋には、好き嫌いの感覚を通り越し、ただ見惚れてしまいました。
<苗条(miao2tiao)>って、こういう女性を表現するんだなあと。
今まで、映画やドラマでプロポーション抜群の美しい女性をたくさん観てきましたが、今回の、韋偉演じる玉紋に及ぶ者はいないと、瞬間的に感じたのです。
でも、彼女が他の女優に比べ特に美人でスタイルがいいわけではありません。
玉紋の心の疼きがしなやかな動きにのって、ねっとりした艶やかさを醸し出すのです。
彼女の眼差し、指先、腰など、体中で表現される情念に、眼が眩みそうになりました。
昔の恋人に寄せる想い、心の底で渦巻く本音を無理に抑えようとする気持ちが、身体表現に集約されているのだなあと思うと、切なくなってきます。
彼女のコップの水は溢れる寸前です。
いや、彼女だけではありません。
玉紋の夫、礼言(石羽)、彼女の元恋人章志忱(韋偉)も感情をギリギリのところまで抑え、爆発寸前です。
礼言のとった行動は、彼なりの爆発だったのではないでしょうか。

この時代の中国語を聞く、貴重な機会でもありました。
私が言うのもおこがましいのですが、台詞にはそれぞれ気品があって、耳にやさしく響いてきました。

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