雲南物語 : 夢の国・亞洲文化宮

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雲南物語

20080511

 1993年/中国・香港/1時間40分(現代中国映画上映会で鑑賞)

 監 督  張暖忻(チャン・ヌァンシン)
 
 原 題  雲南故事

 出 演  呂秀齢(シャーリー・ルゥ) 
       濮存(プー・ツンシン)
       林建華(りン・チェンホワ)
       廬秀瓊(ルー・シゥチォン)


<あらすじ>
戦後中国に残された加藤樹子(呂秀齢)は自殺しようとしたところを軍人のカサ(濮存)に助けられる。2年後、樹子は看護師をしていた病院で肺病を患うカサと再会し、結婚。しかし彼は故郷雲南に戻る途中病気が悪化し、自宅を前にして死亡する。樹子はそのまま雲南に留まり、亡きカサとの子を出産後、彼女のために尽力する義弟のカルオ(林建華)と結婚する。樹子は看護師としての経験を生かし村人の生活を助けるうちに、徐々に彼らの信頼を得ていく。文化大革命を経て、娘の結婚も見届け、生活も落ち着いてきたある日のこと、樹子は両親が健在であることを知らされる。
<感想など>
初めのうち、主人公の華奢な体つきや透き通った肌からは、苛酷な境遇にいる実態がうかがえなかった。しかしそんな姿がかえって異国の人間であることを強調しているようにも受け取れる。

夫の故郷に着いて最初の祭祀が葬式というのが不憫だ。
まわりから言われるままにハニ族のしきたりに従う樹子には、感情を露わにする自由さえ与えられない。
独特の風習が実に細かく描かれている。
死者の顔に白い布をかけ、その上に黒い線で図柄を描き、遺体を縄で引き上げる。
その一方で、部屋の角で白い布をかけられて弔問客に頭を下げる樹子。
妻とは無関係に事が進むところから、樹子の疎外感が強く伝わってくる。
葬送のとき、義弟カルオが「死者である兄を振り返るな」と必死で樹子を止める場面では、伝統に呪縛された状況が鬼気的に映る。

なお、妊婦の周りで踊る呪術師の描写は滑稽だ。前近代的な風習が出産の妨げになることを暗に非難している。

樹子とカサの出会いから別れまでがあっけなかったのに対し、彼女が村の生活になじむ過程はゆっくりと進む。
兄が死んだら弟が兄嫁を娶る慣習を、樹子は到底受け入れられない。
しかし彼女は約3年の歳月をかけてカルオを受け入れるまでになる。そんな様子に見入ってしまった。
樹子の代わりに背中をムチで打たれるカルオと、彼を介抱する樹子。
祭りでほかの女の子と戯れるカルオに嫉妬の眼差しを向ける樹子。
強制送還されそうになった樹子を守ろうと必死になるカルオ。
そして彼女のために浴槽を作るカルオと、彼の好意に感謝する樹子。
「慣習」ではなく「恋愛」によって結ばれる展開がいい。
カルオと樹子の姿を見守る義母(廬秀瓊)の優しい眼差しも印象に残る。
その後は実にスピーディな展開だ。いつの間にか子供が何人も増え、画面を観ながら思わず時間の推移を計算してしまった。

後半では樹子が日本に赴き両親と劇的な再会を果たした時の様子が語られる。
日本人の台詞や、樹子の老齢のメイクに対する違和感はぬぐえない。
また、再会の喜びを描写する時間は長いが、彼女が日本に居住しない決心をして帰国するまでの時間は「一瞬」だ。この時間差にも違和感が残った。
しかし日本での場面については諸事情で仕方がないのかもしれない。

なお、濮存が好きな私にとっては、彼の出演時間が余りにも短くて残念。(笑)
また、林建華演じるカルマがそのまま『花の影』の端午と重なった。
両作品とも、しなやかな背中が彼の実直さと切ない想いを語っている。

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