有川 浩『クジラの彼』 : 夢の国・亞洲文化宮

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有川 浩『クジラの彼』

20080429

クジラの彼

  出版社: 角川書店
  
  刊行年: 2007年


<内 容>
以下6編の短編小説集です。
①クジラの彼
②ロールアウト
③国防レンアイ
④有能な彼女
⑤脱柵エレジー
⑥ファイターパイロットの君
<感想など>
巻末で著者が「ベタ甘ラブロマ」と評するように、それぞれのドラマで熱く燃える恋心が全開!!ねっとりべっとりした甘さも有りです。でも食後(読後)はラムネやソーダ水の爽やかな甘味、あるいは酸味のある果物のすっきり感。
登場人物はいずれも自分の仕事に誇りを持ち、相手が大事にしているものを尊重しようとする人々。(若干外れたケースもあるけれど)
男性陣に優しく尽くすタイプが多く、読んでいるうちに気持ちよくなってきます。
「働く女性のための応援歌」的色彩が鮮やか。
以下は特に心に残った作品です。(以下、上記の①~⑥で表記)

①『クジラの彼』は『海の底』の番外編。主人公聡子が上司との軋轢に悩んでいたとき、恋人冬原は『海の底』で壮絶な体験をしていたわけです。
潜水艦乗組員とつきあうと、数ヶ月も会えない上、メールのやり取りもできないことはザラ。そんな状況で2人が絆を保てたのは「クジラ」の魅力でしょうか。
「クジラ」(潜水艦)とそれに乗る彼が大好きだという聡子。
自分の価値観を尊重してくれる彼女にベタ惚れの冬原。
ものすごく苛酷な遠距離恋愛を成就させたのは、「彼(彼女)意外にありえない」という強い想いなのでしょう。
やっぱり甘っ!!

③『国防レンアイ』は同じ自衛官である伸下と三池の物語。伸下のように都合よく使われる者なんて、男でも女でもいるわけない、と断言できるほど、伸下は天然記念物的なキャラクターです。
でもあれだけ自分の言いなりになってくれたらさぞ気分がいいでしょう。
彼を「使う」三池は自分の気持ちには敏感だけど相手の気持ちには鈍感。身近な「王子様」に気づかず相手をコロコロ変える。一見軽薄女でもすべてに一直線。そんな超純粋なところに「王子様」は参ってしまったのかしら。
わめき散らす彼女の背後で「コイツのお守りは世界中探したって俺にしかできない」という彼の自信に満ちたつぶやきが聞こえてくるようです。

④『有能な彼女』は『海の底』の後日談。気になっていた夏木隊員と望の「その後」で、①の冬原と聡子の間には2人の幼稚園児がいるという設定です。
『海の底』の夏木には図書館シリーズの堂上が重なります。乱暴な言動とは裏腹の優しさをもつ夏木。そんな彼に高校生の望は惚れこみ、防衛庁に入局してすぐに再会、告白、交際開始と、すべてが望ペースです。(こういうところは郁と正反対)
2人のやりとりをゆっくり噛みしめるように読むとホントに面白い!こんな漫才みたいなやり取りを一生続けてください、と心の中で言ってしまいました。

⑥『ファイターパイロットの君』が一番好きです。『空の中』の高巳と光稀(ミキ)の後日談。ファイターパイロットである光稀は言動が荒々しく、最初『空の中』に登場した彼女を男性と勘違いしたほど。
この2人の「その後」を書いてほしいというファンの要望に答えて生まれた作品とのことです。
6つの作品の中でどれが一番甘いか、と言われたら迷わずこの作品と答えるでしょう。一見冷静沈着、強情で勝気な光稀の中に、高巳への溢れる愛を読み取ってしまうともう胸キュンです。高巳はF-15(イーグル)ごと光稀が好き。茜色に染め上げられた作品でした。

あらためて、人を好きになるってどういうことだろうと、考えてみました。
登場人物たちからは、貴方(貴女)がまるごと好き!だからどんな時も守ってあげるっていう覚悟が伝わってきます。(甘っ!!)
で、アンタはどうなの?と突っ込まれそうな予感…。

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「クジラの彼」 有川浩 :TK.blog

『クジラの彼』    著者:有川浩  出版社:角川書店 角川グループパブリッシング ・『クジラの彼』 ・『ロールアウト』 ・『国防レンアイ』 ・『有能な彼女』 ・『脱柵エレジー』 ...

コメント

で、アナタ(アンタ)はどうなの?

↑とりあえず突っ込んでみました^^ SUBJECTだけ見るとものすごい挑戦的なタイトルになっちゃってスミマセン^^;

改めてこんばんは♪
この本も気になってたのですが、『海の底』や『空の中』のアナザーストーリー的なものなのかしら?先にこの2冊を読んだ方がより理解できるのかしらん?

・働く女性のための応援歌」、なんてステキな言葉なんでしょう。
・「ベタ甘ラブロマ」、今の私に不足してるコトです。ああ、胸キュンしてみたい(笑)!
・「王子様」、私がずっと求めて続けているものじゃないですか!
孔雀の森さんの感想から目に付いた言葉だけをピックアップしたので、おそらく物語の内容とはかけ離れたことを書いてしまい失礼しました^^;

余談ですが、『別冊図書館戦争』 を図書館で予約したのもの、『図書館革命』もまだ予約中で読んでないんですよね。このシリーズの人気は未だ衰え知らずです。

もちろん私も!(甘っ)

TKATさん、こんにちは♪
ほんとに突っ込まれるとは思いませんでした。(笑)
ここで曖昧な態度をとったら連れ合いに失礼なので、かなり強気に反応してみました。(笑)

>先にこの2冊を読んだ方がより理解できるのかしらん?
この2冊を先に読んだ方が、『クジラの彼』に収められている各短編をより楽しめるのではないかと思います。
私の順序は単にリクエストが早くまわってきた順なのですが。

本の帯に「男前でかわいい彼女たちの最強恋愛小説」とあります。皆、仕事に対する姿勢が凛としていて、そんな彼女たちの恋愛を応援したくなってきました。
TKATさんのピックアップは、大半の読者が追い求めていることだと思います。既婚未婚を問わずネ。

『別冊図書館戦争』はⅠが出てますよね。ならばⅡもアリかな?
まだウチの市の図書館では購入してないみたいです。お願いしに行こうかな。

やっとこさ手元に(TT)。自衛隊三部作と番外編読了です!

こんばんは、孔雀の森さん♪
私、4年前にこちらの感想にコメントしてたんですね。
古い感想にコメントしてしましスミマセン^^;
しかし4年前って驚き!もうそんなに経ったんだ。時代の流れって早いですね~しみじみ。

本作品で一番びっくりしたのは望ちゃんの性格。こんな子でしたっけな?
そんな望に対し夏木は「やっぱお前、俺じゃないと無理だわ」と。
はいはい、よござんしたね、勝手にどーぞという感じでした(笑)。
(羨望とやっかみも入ってますw)

私も孔雀の森さんと同じく、『ファイターパイロットの君』が一番好きです♪
家庭を持ちながら働く女性、義理の両親からのプレッシャーという
現実に近いこともあるかもしれませんが、なにより包容力がある旦那さんが
素晴らしい(羨ましい)。

なんだかんだと言いながら、たまに読むラブコメはいいですね。
忘れかけてたトキメキや胸キュンを思い出し刺激になりました(笑)。

4年たったのですね。早っ!

TKATさん、こんばんは♪
ほんとに時がたつのは早いものですね~
4年といっても昨日のことのようだわ。(それは私が年とったせい。)
だいじょうぶですよ!4年前の作品でも。どんときてくださいませ~(笑)
でもおかしなこと言ってても大目に見てね!!

短編集だからか、記憶にあるもの、ないものがはっきりしているんです。
たとえば、『クジラの彼』と『ファイターパイロットの君』はよく
覚えていて、『有能な彼女』はおぼろげで、あとはほとんど
記憶がありません。

望ちゃんは、夏木に再会するために一生懸命に勉強してあんなに
優秀になったのかしら。
>「やっぱお前、俺じゃないと無理だわ」
これ、忘れてます。(泣)再読したい部分№1だわ。
こういうのって、男の自負心ですね~

>なにより包容力がある旦那さんが 素晴らしい
ほんとに。できすぎです。(笑)
夫婦の中に恋人の部分も見えて、いいカップルだなと思いました。

これを読むと、胸キュンに年齢は関係ないと思うんです。(笑)
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