ナイチンゲール&ジェネラル : 夢の国・亞洲文化宮

スポンサーサイト

------

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ナイチンゲール&ジェネラル

20080425

海堂尊の2作品を続けて読んだ。
まずは『ナイチンゲールの沈黙』から。

ナイチンゲール田口&白鳥コンビは、1作目『チーム・バチスタの栄光』に比べるとどちらも脇役的存在だ。しかしこの名コンビの活躍を踏まえた続編であることは、登場人物たちの対応から十分読み取れ、2人の存在感は秘かに絶大だ。
なお、田口のよき相談相手藤原看護師は相変わらずいい味を出しているし、新たに登場した猫田師長が独特の輝きを発して興味深い。

伝説の歌姫、東城大学病院一の美声を誇る看護師、眼球摘出手術を控えた中学生と幼児、そして白血病の少女…。相変わらず登場人物は多いがそれぞれのキャラが立って(立ちすぎて)混乱することはない。
さて、殺人事件の真相は一体何なのか。真犯人は誰か。
この疑問が最後まで引っ張ってくれた。だが残念ながら予想は大ハズレだった。
事件そのものも、犯人の画策も実に単純だからだ。どうやら私は考えすぎてしまったようだ。

危うさを抱えた15歳の少年瑞人に、大人はどう対処したか。これが作品のメッセージの一つだと思っている。
終盤で田口が彼に放った言葉が忘れられない。一瞬田口がすごくカッコよく見えた。瑞人は彼の考えを120パーセント読み取ったに違いない。
また愛車をやると宣言した城崎の、瑞人を一人の男としてとらえようとする誠実さが好きだ。
主治医の内山医師はあまりにも非常識だ。しかし看護師小夜と対比する意味で重要な役割を果たしていると思う。

少年少女の風貌は漫画的だが、そんな描写が彼らの心と共にかえって自然に映る。
また、5歳の男児の言葉遣いは年齢不相応だが、そんな不自然さも漫画の中なら自然に溶け込みそうだ。
だんだん漫画のコマを追っている気分になってくる。
彼らの心の交流は、センチメンタルな方向に、あるいはファンタジーの方向に流れるが、この展開、私は好きである。

ところで歌声が巻き起こす超常現象に、科学的根拠はあるのだろうか。
しかしここで「ある」「ない」を言っても始まらない。物語では起こってしまったことなのだから。
その現象自体は何やらあやしく、あでやかな感覚を呼び起こしてくれた。

次は『ジェネラル・ルージュの凱旋』。

ジェネラル『ナイチンゲールの沈黙』、『ジェネラル・ルージュの凱旋』の出来事が、東城大学付属病院を舞台に同時進行しているのがわかった。病院の各階を上から見たら、2つのドラマが入り乱れていることになる。

この物語の主人公は救命救急センター部長の速水である。後に続くのが看護師の如月翔子、彼女の上司花房、猫田、救命救急医の佐藤、さらに倫理問題審査会の沼田、そして謎の看護師姫宮だ。相変わらず登場人物は多いが、それぞれのインパクトは強烈で絶対に忘れられないキャラクターばかりだ。

速水を告発した怪文書が物語の発端となる。一体誰が書いたのか。書いてあることは事実なのか。

とにかく速水がかっこいい。彼こそヒーローだ!!彼の呼び名「ジェネラル・ルージュ」とは「血まみれ将軍」の意味。その背景には有名な伝説があるのだ。
救命救急センター職員が彼に付き従う理由は明白だ。

速水を救おうとする田口の前に立ちはだかる沼田。
速水を善とするなら彼は完全に悪役である。まさに勧善懲悪の展開だ。
舌戦の次は修羅場が待ち構え、緊迫した場面が続く。
ラストは今まで読んだ小説の中でいちばん美しかった。

『ナイチンゲールの沈黙』『ジェネラル・ルージュの凱旋』の両方を開き、日付順に追ったら新たな発見があるかもしれない。

trackback

「ナイチンゲールの沈黙」 海堂尊 :TK.blog

『ナイチンゲールの沈黙』  著者名:海堂尊  出版社:宝島社 <簡単なあらすじ> 小児科病棟(オレンジ新棟)に勤務する看護...

「ジェネラル・ルージュの凱旋」 海堂尊 :TK.blog

『ジェネラル・ルージュの凱旋』   著者名:海堂尊  出版社:宝島社 <簡単なあらすじ> 東城大学医学部付属病院に勤務する...

コメント

シリーズ第4弾はあるのかしら?

おはようございます♪
『ナイチンゲールの沈黙』と『ジェネラル・ルージュの凱旋』のは同時進行したたんですか!そういや『ナイチンゲールの沈黙』で白鳥が部下の姫宮を看護師として病院に忍び込ませてるようなことを言ってましたね。ってことは『ナイチンゲールの沈黙』の主要人物たちも脇で登場するのかしら。
孔雀の森さんの感想を拝見してると、こちらは現実味がありそうな内容ですね^^ラストも気になります。

先ほど『ジェネラル・ルージュの凱旋』を図書館で予約したら80人弱待ちでした・・・。『ナイチンゲールの沈黙』を読んだあとすぐ予約したらよかった~(><)。

P.S TBさせていただきました♪珍しく一発で出来たので嬉しくてしょーがない(笑)。

螺鈿迷宮は?

TKATさん、おはようございます♪
『ジェネラル・ルージュの凱旋』には前2作の登場人物も出てきます。
前作で脇役だった人物が主役級で登場したり…。
病院内では劇的な出来事が同時進行してるんだなあと、あらためて思いました。
なお、姫宮はほんとにすばらしいキャラクターです。
お読みになったとき存分に楽しんでもらいたくて、ここでは彼女については触れませんでした。TKATさんのご感想を心待ちにしてます!
ところで『螺鈿迷宮』という作品には『ジェネラル・ルージュの凱旋』で名前だけ登場した人物や、かの姫宮も出てくるようです。こちらも楽しみ!
『ジェネラル・ルージュの凱旋』の80人待ち…。やはり人気が高いのですね。

やっと姫宮に出会えました!

こんにちは~
やっとこさ『ジェネラル・ルージュの凱旋』を読みました♪非現実的な『ナイチンゲールの沈黙』を読んだあとのせいか、今回は現実的な内容で一気に読んじゃいました。そしてとても面白く読めました^^
ラストはほんのり恋愛ムードで作中の緊迫感はいずこへ?って感じ(笑)。
姫宮はイメージしてた人物像とはかなり違いましたが(笑)、インパクトあるキャラですよね。彼女を主人公にした外伝が出たら是非読みたいなぁ。

またもやTB失敗(><)。いつのもように後日させていただきまーす♪

姫宮の外伝、読みたいワ

TKATさん、こんにちは~
『ジェネラル・ルージュの凱旋』、読まれたんですね~
私は記憶の彼方になりつつあり、TKATさんのレビューで概要をおさらいさせていただきました。
私もこれを読んだとき姫宮のイメージに「あれ?」と思いました。
もっとてきぱきした人を想像していたのですが…。
ラストの恋愛模様は全く予期していませんでした。二人の世界、っていう感じがなんともロマンチック。おっしゃるように緊迫感から遠のいてしまいましたよね。
姫宮という人間には興味津々。外伝を期待したいですね。
非公開コメント
プロフィール

孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最近のコメント
カテゴリー
最近のトラックバック
最新の記事
リンク
ブログ内検索

Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。