VHSカフルーシャ~アラブのターザンを探して : 夢の国・亞洲文化宮

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VHSカフルーシャ~アラブのターザンを探して

20080326



2006年/チュニジア/1時間19分(アラブ映画祭にて上映)
監 督  ナジーブ・ベルダーディー
原 題  V.H.S.・Kahloucha

塗装工のカルフーシャ氏は大の映画好き。いつか業界に入って映画製作に関わりたいと思っている。しかしこの願いをかなえるのは難しい。ならば自分で好きなように撮ろう。
こうして彼の『アラブのターザン』はクランク・インする。
彼の映画製作の過程を撮ったドキュメンタリーだ。
カフルーシャ氏自身は大真面目なのだが、真面目であればあるほど滑稽さも増して、こちらはどんどん笑いの渦に巻き込まれていく。
出演者はご近所さんが中心だ。しかし女性の起用は難しい。夫が許さない場合が多いのだという。しかしここで登場する母親役の女性は、夫に内緒で参加し、ばれて険悪なムードが漂っても堂々と演じている。
若いマドンナ風の女性は「女優になるのが夢」と語る。美容院で髪をセットしてもらうときの輝いた顔が美しい。
出演者たちの撮影を楽しんでいる様子はほほえましく映る。

映画制作にかけるカルフーシャ氏の情熱はすさまじい。その熱い心は自身が扮するターザンの雄叫びに込められている。
俺の頭の中にはすでに1コマ1コマが入っているのだ、だから俺の命令には従え、文句言うな、という頑固さ。
衝突ももちろんあるだろうが、険悪なムードは全く感じられない。周りの人々がカルフーシャ氏の頑固さにむしろ便乗して頼りきっているようにも見える。
この人についていけば面白い夢を見られるかもしれない、と思う人が、物語の進行に伴って徐々に増えていく。
失業、貧困問題、犯罪の多発など、常に不安と隣り合わせの状況で、彼の映画製作は人々にとって心の開放につながっているのではないだろうか。

上映に際しカフェを借りることになる。男性は有料、女性は無料だ。しかしカフェに女性の姿はない。彼女たちは不満をカメラにぶつける。
「女はカフェに行けない。だから映画を観ることができない」
こういう状況がすぐには理解できなかった。
この国で男女が一緒に映画を観たりカフェで語り合ったりする日は遠いのだろうか。

男たちは母親や姉妹のためにビデオを借りに来る。カルフーシャ氏は又貸し禁止、コピー禁止を強調する。これは商売道具ではないのだ、と主張する。
彼にとって映画製作はあくまで自分の楽しみのなのだ。その楽しみに最大の知恵と情熱とお金をかける生き方に、しばらく傾倒してしまった。

彼が製作した『アラブのターザン』。全編通して観たいものだ。

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