胡同(フートン)の理髪師 : 夢の国・亞洲文化宮

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胡同(フートン)の理髪師

20080219



2006年/中国/1時間45分(劇場にて鑑賞)
監 督  哈斯朝魯(ハスチョロー)
原 題  剃頭匠/The Old Barber
出 演  靖 奎(チン・クイ) 張耀興(チャン・ヤオシン)
     王洪濤(ワン・ホンタオ) 馬景龍(マ・ジンロン)

平日の午前中で補助席も出てほぼ満員。周りを見ると私が一番年下のようでした。
主人公は93歳で現役理髪師のチンさん(靖奎)です。靖奎さん自身を描いたドキュメンタリーに見えますが、やはりそれぞれが自分自身の役割を演じた「物語」となっています。
チンさんの住まいは、北京の狭い路地胡同(フートン)にあります。人がやっとすれちがえるほどの細い道。向こうから歩いてきた人は、三輪自転車のチンさんに道を譲ります。
会えば挨拶を交わし、お互い様の気持ちで毎日を過ごす人々。ごく自然に築かれた人間関係が、建物の解体、街の整備でどう変わっていくのだろう。達観するチンさんの前で、観ている方が不安になってきます。

チンさんの中には譲れるものと譲れないものがあり、それが調和して生きる源になっているように思えます。
6時に起床し、時計の針を5分進め、入れ歯を入れ、髪をとかし、カレンダーを見て、仕事に出かけ、夜寝る前に入れ歯をとり、床につく。
一連の動作は毎日規則正しく繰り返されてきたのでしょう。
でも、リズムが多少崩れても、チンさんはきっと鷹揚にかまえているのでしょうね。

人を大事にする気持ち、仕事に対するプロ意識は輝いて見えました。
「理髪師」には崇高な職業人意識が感じられます。
息子宅に引き取られたなじみ客趙さん(王洪濤)の散髪をした帰り、その息子が大金を渡そうとしても、チンさんはガンとして受け取りません。
何でも金で解決しようとする男に対するチンさんの憤りが伝わってきます。
そのキッパリした態度がかっこいい!!(他の言葉に置き換えられないくらいです。)

チンさんには一人息子(馬景龍)がいますが、背中を丸めてボソボソしゃべる姿はチンさんよりも老いて見えます。チンさんに会うと生活上の愚痴ばかり。そんな息子に、チンさんは札束を差し出します。いつまでたっても親は親、子は子なんだなあ。そんな息子もおじいちゃんになるのです。

チンさんがめまいを起こして道端で休む場面、遺影を作った翌日寝坊をしてしまう場面ではヒヤリ…。
でも現役理髪師の本人なのだからと、心の中のモヤモヤをキッパリ否定しました。

泣き笑いしながらの1時間45分。
チンさんの散髪、髭剃りで気持ちよさそうにしているお年寄りを見ているうちに、私までうつらうつらしてきました。
チンさんからすれば私の年齢は人生の折り返し地点。そうか、まだ半分なんだ!
劇場を出ると、マッサージしてもらった後のように身も心も軽くなっていました。

trackback

胡同(フートン)の理髪師 :龍眼日記 Longan Diary

北京の路地にある伝統的な家屋、胡同(フートン)で暮らすチン爺さんは93歳。 この道80年の現役理髪師だ。 常連客が寝たきり老人であれば家まで三輪自転車で訪れて散髪したりと毎日忙しい。 そんなある日彼は常連客のミー老人が家で孤独死しているのを発見する。 1人

胡同(フートン)の理髪師 :虎猫の気まぐれシネマ日記

これは・・・・いい作品だ。ほんとに,しみじみといい作品。淡々と地味に流れる映像の中に,人生の全てがある・・・そんな作品だ。物語は,現代の北京。舞台となる胡同(フートン)とは,北京特有の古い路地のこと。そこには,中庭の周りに平屋の建物を配した「四合院」と...

コメント

長生きの秘訣ってなんだろう。

こんばんは、孔雀の森さん♪

この映画気になってたんですよ!映画紹介のサイトで番宣を観て、どんな作品になってるんだろうと思ってたのですが、もう劇場公開されてるのですね♪早速新聞に載ってる映画館情報を見ると・・・やっぱり神戸はまだみたい(悲)。薄々気付いてはいましたが、なぜ関西は関東より遅いのかしら。ミニシアター系は関東の客入りを見てから関西での上映期間を判断するのかしら??平日の午前中で満席ってことは、関西上映期間も期待大?!

主人公のチンさん、昨年来日したそうですね。93歳というと祖母と同じ歳。チンさんを拝見してるとまだまだ海外旅行をあきらめる歳じゃない!となんだか勇気付けられますね^^

お元気な90代から見れば30代半ばの私はまだまだひよっこちゃん。そう思うと人生これから、結婚もまだまだこれから(←結局はこれが言いたい(笑)?)と自分自身に言い聞かせています^^

TKATさんのおばあさまがお手本

TKATさん、こんにちは♪
すみません、先に観ました。(今後もこういうことがあるかと思いますがご容赦を…)
きっとどちらでも皆さん、足を運ばれるのではないでしょうか。そう言いきれるほど、いい映画でした。
関東優先、というのは不公平ですよね。

TKATさんのおばあさまと靖奎さんは同い年!
身近に「長生きの秘訣」をご存知の方がいるとはうらやましいです。
西太后死去の翌々年の生まれなのだそうです。歴史上の人物が近い所にいるとは驚きです。

よく年をとるごとに人間が丸くなる、なんていう話を聞きますが、私はまるで反対です。年々心がキリキリしていくような気がします。このまま寿命を全うしたとして、この心はどうなってしまうの?と不安に駆られていましたが、この作品を観て「何を私はあせっているのだ?」と思えてきました。
鑑賞してから靖奎さんが来日していたことを知りました。お会いしたかったワ。

TBさせていただきました。

孔雀の森さん、こんばんは。
チン爺さんの潔い人生には惚れ惚れしますね。
「人間死ぬときもこざっぱりきれいに逝かないと」という彼のコトバに激しく同感です。
準備万端なあの遺影の写真、ものすごく男前でしたよねー。

TBありがとうございます♪

sabunori さん、こんにちは。
遺影の写真。ステキで見入ってしまいました。
息子同様ビックリした瞬間もありましたが。

>「人間死ぬときもこざっぱりきれいに逝かないと」
こんなふうに思えたらどんなにいいでしょう。ちょっと今の生活を見つめ直したりして…。

仲間同士のコミュニケーションも大切ですね。

こんばんは TBありがとうございました。
93歳で,まだ現役で生きておられる方って珍しいですね。
チンさんの長生きの秘訣は「穏やかな心」だとおっしゃっていましたが
毎日毎日を誠実に生きる姿勢もまた長生きの秘訣だなぁと。
それにしてもチンさんのあの,人生の軌跡のにじみ出た顔を見れただけでも
この作品は価値がありますよね。

心に残る作品でした

ななさん、こんにちは♪
やっとTBができるようになったのを、ななさんのコメントで知りました。

>毎日毎日を誠実に生きる姿勢もまた長生きの秘訣だなぁと。
ホントに、そのように心がけたいものです。
いろいろなことに流されてしまっている今日この頃、
チンさんの生きざまは衝撃的でもありました。
ある意味、自分に厳しく、という意味もこめられているような気がします。
凛としたチンさんの姿に、思わずシャンとしてしまいます。
いつまでもお元気で、と祈らずにはいられません。
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いろいろな出会いを
大切に♪

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