中国の植物学者の娘たち : 夢の国・亞洲文化宮

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中国の植物学者の娘たち

20071225

 2005年/カナダ・フランス/1時間38分(劇場にて鑑賞)
 監 督  戴思杰(ダイ・シージエ)
 原 題  LES FILLES DU BOTANISTE CHINOIS
 中文題  植物園
 出 演  ミレーヌ・シャンパノワ 李小冉(リー・シャオラン)
       林棟甫(リン・トンフー) ワン・ウェイトン グエン・ニュー・クイン

<あらすじ>
湖に浮かぶ孤島にチェン教授(林棟甫)が管理する植物園がある。ある日ここにリー・ミン(ミレーヌ・シャンパノワ)という若い女性が助手としてやって来る。時間のことや手違いをチェン氏から厳しく責められるが、教授の娘アン(李小冉)の優しさに触れ、心が安らぐのだった。地震で両親を亡くし孤児院で育ったミンと、幼い頃母を亡くしたアンは寂しさを埋めるかのように互いを求めあう。
そんなときアンの兄(ワン・ウェイトン)が軍から帰省する。彼はミンに一目惚れし、父である教授も2人の縁談を進めようとするが、ミンとアンの心は複雑だ。
やがてアンは、ミンが兄と結婚すれば自分たちは一生家族として共に過ごせるからと、2人の結婚に前向きの姿勢をとる。しかし…。
<感想など>
2人の女性が美しい。一連の動作はまるで踊りのようだ。その動きに無駄はない。
植物園の香りと二人の放つ芳香。たちこめる靄がその香りを包み込み、観客席まで運んできてくれるような錯覚を覚える。

ふと思い出したのが、トラン・アン・ユン監督の『青いパパイヤの香り』。女性のしなやかな動きと幻想的な映像が重なって見えた。両作品とも女性美を追及している点が好きだ。

登場人物たちは皆隔絶された世界で生きている。アンはその狭い殻を突き破ろうとするが、結局次の一歩を踏み出すことができなかったのだ。
彼女は親か恋人かの選択を迫られた時、親と共に生きる道を模索する。それが間違いだとも気づかずに。
狭い世界でしか生きたことのない彼女としては精一杯の判断か。結婚の意味がよくわかっていなかったのかも知れない。
ミンの方がアンよりも柔軟に見えるのは、両親がすでにないからとも言える。しかし一方で孤児院で受けた教育が大きく影響しているとも思える。院長(グエン・ニュー・クイン)の慈悲深い顔が印象に残る。2人を育てた者が正反対であることに気づく。
しかしミンが愛のない結婚を受け入れるところには、やはり狭い世界しか知らないハンディを感じる。植物園ではアンしか見えないのだ。

チェン氏も狭い世界の住人だ。自分の価値観がすべての教授は、細かい数字にまでこだわり、周りの人をもそれに従わせようとする。娘を枠の中に閉じ込めることに何の疑問も抱かない。だからミンに出会って変化した娘が信じられず、許せないのだ。でもこういう親父、意外に多いんじゃないかと思った。(笑)
兄のタンはまさに闖入者。あのマッチョな体型とがさつな心は、美しい植物園の中では異物でしかない。父親そっくりなのもおかしい。彼もまた狭い世界しか知らない人間だ。
しかし客観的に見ればチェン氏やタンの感情はごく自然なものではないか。私が2人の女性に肩入れしすぎているのかも知れない。
チェン氏と兄のタンに対する皮肉とも取れる作品。しかしメッセージ性は弱く、ミン、アンの妖艶さとみずみずしさ、植物園の美しさがいつまでも心に残る。

ところで、チェン氏を演じた林棟甫がドラマ「君のいる場所」で好々爺を演じていたのを知り、びっくりした。居丈高なチェン氏に比べ、好々爺の方は10センチ以上背が低く、10歳くらい老いて見えた。さすが役者だ。

trackback

中国の植物学者の娘たち :龍眼日記 Longan Diary

1976年の唐山大地震で両親を失い、孤児院で育ったミン(ミレーヌ・ジャンパノイ)は 植物学者のチェン教授(リン・トンフー)のもとへ実習生として赴く。 湖に浮かぶ小島の植物園でチェン教授は娘のアン(リー・シャオラン:李小冉)とともに 暮らしていた。 瞬く間に...

コメント

孔雀さま
この人の作品って、なんかこういうしっとりした雰囲気がありますよね。
孔雀さんがおっしゃっていたように、「青いパパイヤの香り」的な。
「小さな中国のお針子」も、ほう、となる場面(絵)が多かった。
もはや中国映画ではなくフランス映画でしょ、みたいな。
李シャオランは私、「別了、温哥華」(ドラマだけど)の役がすごく好きでした。可愛いなー、と思って(オヤジ目線)毎回観てました。(笑)

donami さん、こんばんは。
「小さな中国のお針子」も、ほわーとした雰囲気で、この作品同様中国のにおいは感じられませんでしたね。
フランス在住の監督ですものね。
「別了、温哥華」は主人公の女の子が苦手で、3、4話くらいでリタイアしました。
リー・シャオラン演じる女の子はキュートなイメージがあって、好感が持てました。
そうか、彼女目当てに観ればよかったのね。(笑)
私は、「七剣下天山」で彼女が演じた、清楚できっぱりしたお姫様が好きです。

TBありがとう

孔雀の森さん、こんばんは。
この監督の作品、私はお初だったのですが多分どの作品にも同様の「異国人の目を通して見た中国」的な香りがするんでしょうね。
私からすると「ムード先行型」に感じてしまってちょっと苦手。(笑)
それでもあの素晴らしい植物園や新婚旅行で乗り込む列車など心ひかれる部分もたくさんありました。
(考えてみると惹かれたものはどれも物語とは関係ないものばかり 笑)

こちらこそTB多謝です

sabunori さん、こんにちは♪
確かに中国映画独特の力強さは見られませんね。
「ムード先行型」。わかるような気がします。
私はいいな、と思える部分もあり、それなりに満足して家路についたわけですが、時がたつと記憶から遠ざかっていくのを感じます。そういえば同監督作「小さな中国のお針子」もほとんど忘れてます。これもそういう運命にならなければいいけれど…。
植物園、すてきでしたね。あと、列車のプレートに書かれた架空の駅名を見ると、物語の非現実性を強く感じてしまうのでした。
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