硯(すずり) : 夢の国・亞洲文化宮

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硯(すずり)

20071215


 1996年/中国/1時間29分(レンタルVIDEO)
 監 督  劉冰鑒(リウ・ビンジエン)
 原 題  硯 床 / INKSTONE
 出 演  李 濱(リー・ビン)陳穎映(チェン・インイン)黒静環(ヘイ・ジンホアン)
       傅程鵬(フー・チェンポン)史 鑫(シー・シン)肖 林(シャオ・リン)


<あらすじ>
蘇州の旧家に足の不自由な老女(李濱)が住んでいた。彼女の世話をする甥嫁(黒静環)は、ここに昔から置いてある巨大な硯を売るよう迫る。しかし老女は頑として聞き入れない。彼女は親しい老骨董屋(肖林)にこの硯にまつわる昔話を始める。
彼女(陳穎映)は17歳で夫(傅程鵬)と結婚。2人は深く愛し合っていたが夫の方の原因で子供ができない。両親からはしきりに跡継ぎを求められた。切羽詰った夫は使用人のアーケン(史鑫)の協力を仰ぎ、いやがる妻と関係を結ばせる。すると彼女は女としての喜びを知り、互いに積極的に関係を続ける。嫉妬に狂う夫はついにアーケン抹殺を謀る。
 
<感想など>
白壁と青空とのコントラスト、水上をゆく舟、めがね橋の後ろに映える緑の木々。
こんな美しい風景の裏に、暗鬱とした空気をおしとどめた屋敷がある。
どうやら黒光りする巨大な硯には、大きな秘密があるらしい。
老女は老骨董屋にその秘密を話す約束をするのだが…。
老婆と若かりし頃の彼女が交互に映し出されるが、両者のギャップの大きさにはぞっとする。
この世の苦労すべてを背負い込んだように、老女の顔には深い皺が刻まれ、にこりともしない。
清楚でみずみずしかった女性がこれほど醜く変わった背景は想像しがたく、知るのも怖い。
屋敷を取り巻くミステリアスな空気が、最後まで好奇心を引っ張ってくれた。

主人公の夫、若旦那を演じるのは傅程鵬。先日観た「紅酒」での使用人同様、憂いを含んだ眼差しが印象に残る。
初めてアーケンと関係を持った翌朝、彼女は鏡に向かって微笑む。それだけで彼女が満たされたのがわかる。そっと後ろからうかがう夫。慌てて顔を引き締める妻。不幸の気配に思わず身震いしてしまう。

「硯床」という原題からは官能的なシーンを想像してしまうが、実際にはミステリーの要素を強く感じた。
老婆の一挙一動がおどろおどろしく、甥嫁の冷たさも気になる。この屋敷は呪われているのではないだろうか。非業の死を遂げた人々の霊が、いまだに老婆を苦しめているのではないか。もしかしてホラーだったりして…。コワイ…。
屋敷にドンと置かれた硯が「私は何でも知っている」とでも言うかのように、不気味な光りを放っている。旧社会の弊害を象徴する存在だ。
ほとんど外出しない老婆は時代の推移も分からないし、また知ろうともしなかった。
老骨董屋が贈った車椅子が彼女の世界を少し変えたかと思われたが、事故で重傷を負う。
まるであの屋敷に呼ばれたかのような出来事だった。

硯の秘密は「驚愕」の一言だ。
彼女の一生は何だったのだろうか。
彼女の魂は永遠にあの屋敷を浮遊するように思えてならない。

コメント

こんにちは。
うう〜む。
なんだか面白そうですねぇ。
私も探して観てみようかしら。
それにしても映画のタイトルって重要ですよね。
「硯」ってなんとも興味をそそられるタイトルです。

sabunori さん、こんにちは。
硯の形や用途を考えると、映画の中でどんな風に登場するのだろうと…。
この作品、私は「面白いから是非観て」と強くお勧めすることはできません。
後味が悪いし、老婆の顔が怖かったので。(笑)
それは単に私が怖がりだから?
期待をそぐようなコメントでごめんなさい。
でもsabunori さんの感想は是非おききしたいです。
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