花蓮の夏 : 夢の国・亞洲文化宮

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花蓮の夏

20071202



2006年/台湾/1時間37分
監 督  陳正道(レスト・チャン)
原 題  盛夏光年
出 演  張睿家(ブライアン・チャン) 張孝全(ジョセフ・チャン) 楊 淇(ケイト・ヤン)

<あらすじ>
小学校時代。ショウヘンはクラスでも手に負えない腕白坊主だ。優等生のジェンシンは先生から「いつも彼のそばにいてほしい」と頼まれてその通りにする。
二人が常に一緒の関係は高校生になっても続いていた。しかし転校生ホイジャ(楊淇)の出現によってジェンシン(張睿家)は自分の内面に気づき、ショウヘン(張孝全)と距離を置こうとする。
ショウヘンとホイジャは大学進学後付き合い始めたが、ジェンシンには後ろめたさがあって言えないままだった。
<感想など>
ノーマル、アブノーマル、同性愛、ゲイ、ホモ、レズ…。
人の姿、あるいは人間関係を、ある一つのカテゴリーにあてはめて何になる…。
そんなことを考えさせられる作品だった。
しかし枠組みで判断しようとしたのは私だけではない。
ジェンシンもまた、自分の「タイプ」を捜し、枠にはめようとしていたのではないか。図書館で彼が手にした1冊の本、「跨性別」。(こういうタイトルだと記憶しているが)
人間の性質を分析して納得させようとするジェンシン。本能のおもむくままに走ることができないジェンシン。彼が頭で考えてとった行動は、ショウヘンの元から去ることだった。
そんな彼の心が突き刺さってくる。痛い。彼の心模様は「愛」、「好き」といった安易な言葉では表現できない。
物語の最後に彼が使った「喜歓」(好き)は、シンプルであるが想いのすべてを含んだ言葉。
振り返れば、気持ちやカテゴリーを示す言葉がほとんど使われていない作品だった。

ジェンシンとは好対照のショウヘン。それは勉強ができる、できないの「対照」ではない。
小学生の頃腕白でいたずらが過ぎた彼は、先生から差別的に扱われ、クラスメートからも避けられていた。子供にとってこんなに傷つくことはない。そして「他動症」とレッテルを貼られる。先生の命令とはいえ、常に一緒にいたジェンシンは彼にとって不可欠で、分身のような存在ではなったか。まさに「2人合わせて100点」なのだ。
彼の中には元々枠組みなど存在しない。ホイジャは愛の対象、そしてジェンシンは親友を超えた絶対不可欠の存在。ジェンシンにとった行為もごく自然な感情がそうさせたものではないか。

ジェンシンの気持ちに気づかないショウヘンと、ショウヘンの行動が理解できないジェンシン。
近すぎて互いが見えない2人の男と、どちらの心もよくわかるホイジャ。
2人の男にとってホイジャは絶対不可欠である。彼女の存在が彼らをつなぎとめているようにも見える。
トライアングルはその一角が崩れたら音が響かない。
3人が作ったトライアングルには、固い絆とすぐ壊れそうな脆さの両面を感じる。永遠であることには変わりはないけれど…。
青、緑、そして時には赤みを帯びる映像は、これからどんな色に変化していくのだろう。
続編などいらないと思いつつ、3人のその後を見てみたい、とも思う。

追記: ジェンシンを演じる張睿家(ブライアン・チャン)の眼差しに、完全にやられてしまった私なのでした。

trackback

花蓮の夏 :龍眼日記 Longan Diary

畑の中の一本道を2人乗りで走り抜ける自転車 海辺の小学校の緑の芝生の校庭にポツリと置かれた机が1つ 図書室の机の上、風でページがめくられる本 学校をサボって乗り込む台北行きの列車 「加油!(がんばれ)」とマジックで書かれた牛乳瓶・・・ どのシーンを切...

コメント

いやもう本当にすばらしい作品でした。

孔雀の森さん、あまりにもよかったので即TBお返ししますー!
今年のベスト1になりそうですか?
私ももしかしたらそうなるかも・・・。
年末にきてすごい作品を観てしまいましたねー。
ジェンシンとショウヘン・・・まさに2人合わせて100点の2人なんですよね。
相手を思うあまり彼の前から姿を消そうとするジェンシンと先生の言いつけで
イヤイヤ友達になってくれたことを知っていながらジェンシンを手放したくなかったショウヘン。
そしてそんな2人の気持ちを全て知っているホイジャ。
本当に固い絆のようにも崩れやすい絆のようにも見える3人でした。
瑞々しくてピュアでまっすぐな瞳の3人の演技は素晴らしかったです!

再びお邪魔します。
どういうワケかうまくTBできないみたいです。
また時間をおいてトライさせていただきますね。

今年のベスト1かも、です

sabunori さん、こんばんは。
TBの方、こちらの状態も調べてみますね。

飛行機の絵と2人の少年。すてきな構図ですよね。色もきれい!
sabunori さんもベスト1になりそうでしょうか。
すばらしい作品を観た直後はいつも「1番!」と思ってしまいます。
いつまでこの気持ちが続くだろうと、次の作品まで楽しみです。
自転車の立ち乗り。学校をサボって列車に乗りこむ姿。
そして牛乳瓶に「加油!」。その気持ちが好き!
本当に懐かしい光景でした。
人を好きになる気持ちに説明なんて要らないんですよね。
好きなものは好きなんだもの…。
3人の演技、すばらしかったですね。
これを書きながらまだ余韻にひたっております。

TBできましたー!

孔雀の森さん、おはようございます。
どうにかTBできました。ご迷惑をおかけしましたー。
この作品はどうしてもTBさせていただきたかったのでヨカッタ~。
日を追うにつれこの作品が自分の中でドンドン大きくなっていくような気がします。
これはもう1度観てしまいそうな予感。(笑)
ショウヘンが部屋で飼うわんこがショウヘンに全然なついてなくて、
それを無理やりはがいじめにするショウヘンがかわいかったです。
五月天(ですよね?)の曲も作品にピッタリでした。

TBありがとうございます♪

sabunoriさん、こんにちは。
TB、感謝!です。お互い、忘れられない作品となりましたね。
ショウヘンとわんこのからみ。「あれ、あれ、どうしたんだろ?」なんて思っているうちに過ぎていってしまいました。
ショウヘンの気持ちを考えながら今度じっくり観たいです。(もう観る気でいる:笑)
私もこの作品、自分の中でどんどん大きくなっていくのを感じます。
3人がますますいとおしくなり、まとめて抱きしめてあげたいくらい。(爆)
気が向いたときいつでも観たい→購入、という運びになるかも…。
でも大画面だからこその感動もあると思うので、やはりまずは劇場行かな。
五月天の曲、ぴったりでしたね。挿入歌、どこかできいたことがある…と思い、エンドロールを注意してみてました。

こんばんは

みずみずしくて,切なくて,
ほんとうに「珠玉」という言葉がぴったりの作品でしたね。
私はとくにジェンシンの心情が切なくてたまりませんでした。
ブライアン・チャンのルックスが好み・・・というのもありますけど。
>3人が作ったトライアングルには、固い絆とすぐ壊れそうな脆さの両面を感じる。
>永遠であることには変わりはないけれど…。
あやういけれど,なんて美しい三角関係なんだろうなーと思いました。
三人三様の「好き」を相手に抱いているのですけど
それぞれが互いを必要としてるのは間違いないですよね。
監督さんが若いのでびっくりしました。

また観たくなりました

ななさん、こんばんは♪
ななさんのお部屋で色々な写真を拝見しているうちに
また観たくなりました。
>ブライアン・チャンのルックスが好み・・・というのもありますけど。
私もです。この後彼目的でドラマや映画を観ましたが、やっぱりこれが一番!
ジェンシン役のジョセフ・チャンもよかったですね。
おっしゃるように彼の心情切なくて、こちらの心まで痛くなりました。
3人それぞれがほかの2人を大事にしている三角関係なんだなあと思いました。
だから去ろうとする行為は他の人を傷つける行為でもあったりして。
若い監督さんだからこその感性なのでしょうか。
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大切に♪

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