呉清源 極みの棋譜 : 夢の国・亞洲文化宮

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呉清源 極みの棋譜

20071120

wuqingyuan.jpg

 2006年/中国/1時間47分(劇場にて鑑賞)
 監 督  田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)
 英 題  The Go Master
 出 演  張 震(チャン・チェン)  柄本 明  張艾嘉(シルビア・チャン)
       松坂慶子  伊藤 歩  野村宏伸  仁科 貴

<感想など>
この1年に観た中では最高!!と、終った瞬間心の中で拍手しました。
エンドロールが流れる中、次の回も観ようかと真剣に考えたほど。
都合がつけばチケットを買ったかも知れません。
天才棋士、呉清源氏の物語。勝負師としての姿のほか、中国人の立場で戦時中の苦難を乗り切る姿、宗教団体で活動する姿も映し出されます。まさに山あり谷ありの半生ですが、ストーリーはむしろ淡々と、川が流れるように進んでいきます。
呉氏の心象風景だからでしょうか。
激動の渦中にあって静けさを保つ姿からは、かえって氏の過酷な現実が感じられ苦しくなってきます。

張震、柄本明、松坂慶子。この3人が素晴らしい。
前売り券を買っていながらチラシをほとんど読まず、張震以外の出演者を全くチェックしないまま鑑賞に突入。
瀬越先生(柄本明)が呉氏の来日に尽力したことは劇中の説明で理解できましたが、松坂慶子の役柄は最後までわかりませんでした。女流棋士と知ったのは帰宅して調べた後です。やはり知っておくのだったと少し後悔。

瀬越先生と呉清源(張震)が対峙すると、勝負に匹敵する緊迫感が流れます。
瀬越先生の、鋭く且つ慈愛に満ちた眼差し。
呉氏の、ロイドめがねを通して光る涼しげな眼差し。
師弟関係以上の深い絆で結ばれていながら、時にはこれが絶たれそうになります。
瀬越先生が亡くなるまで、二人の綱引きが物語を大きく揺らしていたと思うのです。

松坂慶子演じる喜多文子。美しい日本語に引き込まれます。どこかぎこちない清源青年も、彼女の温かな心に触れてその緊張がほぐれていくようです。女流棋士ならば彼女が打つ姿も観たかったなと、ちょっと残念。前半だけの出演でしたが、彼女が出てくると、青みがかった画面にちょっと暖色が混じった色合いになります。

張震は期待以上でした。囲碁のことは全くわかりませんが、その世界の厳しさは画面から十分に伝わってきます。特に対局の緊迫感には圧倒されました。
物語が展開するにつれ、画面の人物が張震なのか呉清源氏なのかわからなくなってきました。
精神世界の極限にいる二人を、いつも見上げている自分に気づきます。

呉清源氏の時折見せる喜怒哀楽はインパクト大。
妻(伊藤歩)が宗教団体から脱退した知らせを読んだときの、驚愕の表情。
生まれたばかりのわが子に向ける、喜びに満ちた眼差し。
そこには碁の世界から降りてきた呉清源氏がいました。

なお、最初意外に思ったのは野村宏伸演じる川端康成。他のドラマでは「軽さ」が印象的でしたが、途中から昔NHKの朝ドラで演じた好青年を思い出し納得しました。

人差し指と中指の間にはさんだ碁石が、ゆっくりゆっくり碁盤の目に向かい…。
碁盤に触れた瞬間、キーンという音色が静謐な空間に放たれます。
この風景と音がいつまでも頭を離れません。

平日午前中にもかかわらず劇場後方はかなり埋まっていました。年配の男性が多く、ご意見をうかがってみたくなりました。

trackback

呉清源 極みの棋譜 :龍眼日記 Longan Diary

囲碁というものをまったく知らない。それでも使い込まれて美しさを放つ碁盤パチンと置かれ、わずかに揺れて留まる碁石これらを見て、音を聞いただけでなぜか心が落ち着くから不思議だ。物語の冒頭。呉清源本人が彼を演じたチャン・チェン(張震)らと楽しそうに語らうシーン

「呉清源 極みの棋譜」 :TK.blog

『呉清源 極みの棋譜』  THE GO MASTER  製作年:2006年  製作国:中国  監督:ティエン・チュアンチュアン(田壮壮)  出演:チャン...

コメント

TBありがとうございました!

孔雀の森さん、こんばんは★
おぉ!もしや孔雀の森さんの今年のベスト1作品でしょうか?
いい作品でしたよね。
おっしゃる通り波乱万丈な人生ながら物語は静かに淡々と語られていました。
対局の際の恐ろしいほどの集中力も印象的でしたが帯をほどいて柱に結びそれを見つめるシーンも胸につき刺さりました。
松坂慶子については私も同様の感想を抱きました。
彼女が打つ碁のシーンもぜひ観たかったですね。

こちらこそTBありがとうございました♪

sabunoriさん、おはようございます♪
今年中にこれ以上の作品に出会えるかどうか。ちょっと期待してみましょう。
>帯をほどいて柱に結びそれを見つめるシーン
ご本人が今元気でいらっしゃるのだから、と安心する反面、心の痛みが伝わってきて本当に苦しくなってきました。
独特の歩き方もインパクト強いですね。丹念な役作りだと思いました。
あの碁盤碁石はとても高価らしいですね。sabunoriさんがおっしゃる扇子なども含め、小道具をもう一度よく見たいです。
心はもうスクリーンに飛んでます。(笑)

こんばんは~。

早速観られたんですね♪
『中国語ジャーナル』のインタビューでは日本語についても語ってましたが、張震の日本語はどうでした?ちゃんと聞き取れました?もう心配で心配で・・。なんだか彼の姉になった気分(笑)。

>この1年に観た中では最高!!

そそそうなんですか?!こりゃ私も観なくっちゃだわ♪神戸は12月1日からの公開なんですよ。久々映画館に行こうかしら。
野村宏伸=川端康成もなんだか意外だな~。私の中では童顔で可愛らしいイメージしか残ってないのですが、着々と俳優道を進んでたんですね。
囲碁は全くわからず呉清源さんのことも知らないのですが、観るのが今から楽しみです♪

TKATさん、こんにちは♪

私も『中国語ジャーナル』買いましたよ~
張震、スタッフとも日本語で会話していたそうですね。
さて彼の日本語ですが、人それぞれ違う印象を持つと思います。
ゆっくり話すときはよくわかるのですが、早いと想像を働かせなければならない場面もありました。
でも初めて勉強したなら、とってもいい出来ではないでしょうか。

張震を好きな人にはたまらない作品でしょう。だからTKATさん、期待してくださいね♪
私はこの作品に出会って張震を前よりも好きになりました。

野村宏伸も40過ぎたのですね。童顔は相変わらずで実年齢には見えませんでした。

ともかく、自信を持っておすすめできる作品です。

行ってきま~す!

こんにちは♪

ふふふ、孔雀の森さんに教えていただいた『チャン・チェンとの夕べ』に本日行ってまいります♪実はコメントいただいたあと、一緒に行ってくれる友人が見つかったので早速チケットGETしました(日曜の夜なのにありがたや~)♪

映画も行きそびれており、DVD鑑賞だと思っていたのですがこうやって劇場で観れるのは嬉しい限り♪
孔雀の森さんが2度の鑑賞で詳しく書かれているので、見所はちゃんとインプット済み^^ 教えていただいて本当に感謝です!今から楽しみで楽しみで♪
こういうトークショー付き映画鑑賞って行ったことがないのですが、デジカメ持って行っていのかしら?生チャン・チェンの写真を撮りたいとこですが、もしダメなら脳裏にしっかりと焼き付けてきま~す^^

行ってらっしゃい!

TKATさん、こんばんは♪
今頃は会場に入っているんだろうな、と思いながら書いてます。
ドキドキしませんか?
一緒に行くお友達が見つかってよかったですね。
デジカメ、どうなんでしょう。花道で撮るのはいいんですよね。
生チャン・チェンのご感想をぜひおききしたいです。
楽しんできてね♪

チャン・チェンは想像以上でした♪

こんばんは♪

>山あり谷ありの半生ですが、ストーリーはむしろ淡々と、川が流れるように進んでいきます。

ホントその通りですね。呉清源氏のことは全く知らないのですが、14歳でこの時代の日本にやってきて、囲碁に打ち込みながらも孤独な人生、そして結婚・・・と実際はもっと壮絶だったと思います。
それをチャン・チェンが多くを語らず静かに演じてて、表情で魅せてくれてましたね。そして私も独特の歩き方が気になってました^^ご本人とお会いしてかなり研究したんでしょうね。

今回はチャン・チェンにしか目がいかなく、ストーリー的にはあまり把握できませんでした^^;だって映画始まる前に生チャン・チェンを見てしまい、頭の中はそれだけで一杯だったんですも~ん(苦笑)。今度観る時はもっと余裕を持って観たいと思います^^

いつのもごとく後日TBさせていただきま~す♪

主役に会ってからの鑑賞…いいですね~

TKATさん、こんにちは。
レビュー、読ませていただきました。
感動がジンジン伝わってきました。生チャン・チェンに会ってからの鑑賞はホントに「極上」ですね。
私は観ているときはチャン・チェンの今までの役柄が頭からすっかり消えました。
スクリーンの彼は呉清源氏そのものでしたね。おっしゃるように熱心に研究したのでしょうね。
チャン・チェンばかり観てしまう状況、わかります。
ストーリーそのものが把握しにくかったですよね。私はパンフを読んでようやく納得しました。画や雰囲気が魅力的な作品だと思いました。
お互いチャン・チェンの今後に注目していきましょう。
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Author:孔雀の森
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大切に♪

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