ジミー『幸せの翼』 : 夢の国・亞洲文化宮

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ジミー『幸せの翼』

20070919

xingyun.jpg 著 者:幾米(ジミー)〔台湾〕
 訳 者:岸田 登美子
 原 題:幸運兒 / Mr.Wing
 刊 行:2004年(原書の発行は2003年)
 出版社:小学館



<あらすじ>
その男は才能に溢れ、仕事も家庭も順調。地位も名誉もあり、人々の憧れの的だった。
しかし彼の背中に羽が生え始めてから状況は一変する。
羽はどんどん成長し、彼の意思とは無関係に動き出した。
家庭では家族の迷惑にならないよう屋根裏で寝起きするようになり、
会社では大きなかごの中で仕事をする日々が続く。
やがて大きく成長した翼は、切り取られそうになったその瞬間、
彼を伴い、大空に高く羽ばたいていった。
やがて彼のことがほとんど忘れられた頃、彼に関する目撃情報が
いろいろな所から寄せられるようになった。
<感想など>
「翼」には「憧れ」「希望」といったイメージがあります。
だからその男に羽が生えてきたとき、人々がこれを「喜ばしい」ととらえたことは当然です。
ところがそんな期待とは裏腹に、羽は男からすべてを奪ってしまいます。
途中までは、そんな理不尽な翼に不快感を覚えました。

でも、主人公が「高所恐怖症で心臓病」と告白したあたりから、「翼」に対する考えが
変わってきました。
彼が本心と事実を口に出したのは、これが初めてではないでしょうか。
それまでは、羽の生えた状態を不快に感じても、人々の期待に応えるために
「頑張る」しかなかったのです。
羽が生えたことで、彼が自分らしく生きることができ、その状態に満足できるなら、
幸運だったと言えるでしょう。

さて、
① 羽がなかった頃
② 羽が生えて翼にまで成長し、飛び立つまでの間
③ 翼によって遠くに飛んでいった後。
と、このように区分すると、一番彼らしい状態にあったのはいつなのでしょう。
①は、富も名誉も地位もあった時代。
②は、思い通りに動けなくなった時代。
③は、彼はすっかり忘れ去られ、時折目撃情報があるという時代。

彼にとっての幸福とは何か、という問題でもあると思います。
もし自分なら、何と答えるだろうか…。
『ワンダフルライフ』の余韻がまだ残っていて、「彼ならどんな思い出を選ぶだろう」
と考えてしまいました。

いつものことながら、今まで読んだジミー作品の登場人物があちこちに出てきて、
前に読んだ本をひっくり返して確認してみました。(おお、ここにも、あそこにも!!)

これを語る「僕」は、前半はタクシーの運転手。
でも最後には「僕」が『微笑む魚』のお魚になっている!!
『微笑む魚』の主人公と『幸せの翼』のタクシー運転手の顔を見比べると、ちょっと似てるかも・・・。
同一人物なら面白いんだけどな~
なおラストを見ると、『微笑む魚』と『幸せの翼』はリンクしているようにも思えます。

さて、この作品はミュージカルにもなったようです。
詳しくはこちら→http://www.ntch.edu.tw/pro/wing/

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「幸せの翼」 ジミー :TK.blog

『幸せの翼』 MY WING/OVER THE RAINBOW 作・絵:ジミー(幾米) 訳者:岸田登美子 出版社:小学館<簡単なあらすじ>「約束された幸せ」―この言葉どおり、社長という座、素晴らしい家族、才能、何をし

コメント

こんばんは♪

孔雀の森さんが時代を3つに区分してくださってるので内容を理解しやすくなりました^^
久しぶりにこの絵本を開いたのですが、ホントだ!最後には「僕」が『微笑む魚』のお魚になってます!!横断歩道を渡っている男性を見比べてみると緑の帽子に青と白のチェックの服、膝丈の短パンに白ソックスと服装も全く一緒!しかも金魚鉢の縁も赤で一緒だ~。これはまさしく同一人物です!!
ひゃ~全然気付きませんでした。感動です♪

やはり他の方の感想を拝見するのは楽しいですね^^ 自分が気付かなかった箇所や意見、情報を知ることができ、その作品の面白さが倍増です。ありがとうございま~す♪

TKATさん、こんにちは♪

ラストのお魚と男性の存在はさりげないですよね。
ここではあまり印象に残らないキャラのように感じます。
私は先に『微笑む魚』を読んだので気づいたのだと思います。
さて、私も、翼があったら?と問われたら「空を飛びたい」と答えるでしょう。自分で空を飛ぶのって夢ですもの。
といっても現実的に考えれば「じゃまもの」ですよね。
ジミーさんはまず「翼が自由の象徴である」という観念を打ち破っておいて、その後読者にとことん考えさせたいと思ったのかしら。
翼があってかえって辛いと思うこともあるし、自由に動かそうともがくこともある…。
当分、この「宿題」について考える日々が続くでしょう。(笑)
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