あの子を探して : 夢の国・亞洲文化宮

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あの子を探して

20070912

anoko.jpg 1999年/中国/1時間46分(レンタルDVD)
 監 督  張芸謀(チャン・イーモウ)
 原 題  一個都不能少/ NOT ONE LESS
 出 演  魏敏芝(ウェイ・ミンジ) 張慧科(チャン・ホエクー)




<あらすじ>
舞台は山村の水泉(シュイチュアン)小学校。1ヶ月間教室を離れるカオ先生の代わりに来たのは、ミンジという13歳の少女。カオ先生は「1人もやめさせてはならない」と言い残して去る。しかし俊足の女の子がスカウトされて町の小学校に行き、その上腕白少年ホエクーが来なくなって、28人いた児童は26人になってしまう。ホエクーが街へ出稼ぎに行ったことを知ったミンジは、彼を探しに行くため、児童と一緒にバス代の捻出方法を考える。
バス代不足で途中で降ろされたミンジは、ヒッチハイクで街にたどり着く。しかしホエクーの母から渡された住所にホエクーはいない。彼と一緒に来たという少女に案内させたり、尋ね人の張り紙を作ったり、テレビ局の前で局長を待ち続けたりと、ミンジはホエクーを探すために手を尽くす。
<感想など>
2回目の鑑賞。
今回は生活の中の「数字」について考えさせられた。

ホエクーを探しに行くのに必要なバス代を算出するため、ミンジは子供たちに知恵を借りる。
1人5角の集金が無理だとわかったとき、ある児童がレンガ運びのアルバイトを提案。
1個あたりの運搬費からバス代相当額を稼ぐために必要な個数を算出し、即実行。
ところが…。「勝手なことを」と怒る工場長に無理を押し通し、15元をゲット。
さらにバス代を稼ぐための労働日数まで算出するのだ。
立派な算数の授業になっていることに、教師である本人は気づいていない。

ミンジが未払い給料の50元に固執するのと、街で出会った少女が同行費(=1日の工賃)として2.5元を求めるのは同じ心情だろう。「払う」と約束されたお金は必ず払ってもらわなければならない。あきらめるという選択肢はない。ミンジが村長にかけあった時も、少女がミンジをごつく時も、すさまじい勢いに観ている方がたじろぐ。

文房具店の女性が筆と墨汁と紙をミンジに勧める場面。
相手の困窮をわかっていてもきっちり商売するところはやはり商人だ。多少融通利かせても、というのは観る側の勝手な願いかも。
払えば食事代もままならないのに、「尋ね人」の張り紙を書かなければという一念で、言われたままに支払うミンジ。躊躇しないところが危なっかしい。少女への2.5元は出し渋るというのに。
ホエクー一家が抱えている借金1500元など、彼女にしてみれば天文学的な数字だろう。
こうした具体的な数字が、物語の成り行きを左右しているように思える。

ミンジがアナウンサーに質問された時の、「泳いでいる目」は印象的。
「私、どうしてここまで来たんだろう」という戸惑いが見えるようだ。
最初は「1人もやめさせるなと言われたこと」や「50元をもらう」といった理由に支配されていたかも知れない。
しかしホエクーを探す間に気持ちが変化していく。
「彼が心配だから」という人間としての自然な感情が、涙となったのだろう。

最後に、児童が好きな漢字を1文字ずつ黒板に書く場面。ホエクーだけは「3文字でもいい?」とミンジに尋ねる。以前のミンジだったら「1文字だけよ!」と突き放すところだろうが、「いいよ!」と言ったところに彼女の「先生らしさ」が感じられジンときてしまう。
ホエクーが書いたのは「魏(ウェイ)老師」。「先生じゃない」と言い張っていた彼の中で、ミンジの存在が変化したのは確かだ。
一画一画を丁寧に、慈しむように書く子供たち。カラフルな文字が黒板にあふれる。
これほどうれしそうに文字を書く子供たちの姿は、見たことがない。
そうなのよ!文字を書けるって、幸せなことなのよ!

メディアまで動かした少女の「一念」に脱帽。
彼女の、岩をも突き通すような一直線の行動が、よみがえってくる。

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「あの子を探して」 :TK.blog

『あの子を探して』  一個都不能少 NOT ONE LESS  製作年:1999年  製作国:中国  監督:チャン・イーモウ(張藝謀)  出演者:ウェ...

コメント

文字が書けるって素敵!

こんばんは~♪

途中まではお金のためにしてることという印象が強かったんですが(といっても生活するためお金のことを第一に考えるのは当然だけど)、街に出てからホエクーを探す場面、そしてラストにかけてミンジは成長しましたよね~^^
テレビで泣くミンジにはホロっとしましたが、そのテレビを見て泣いたホエクーの姿にもホロっとしちゃいました(泣)。
周囲の人も皆優しいばかりでなく冷たい人もおり、ミンジに対する対応がドキュメンタリーっぽかったかななんて。
同監督の『初恋のきた道』も観たくなっちゃいました♪

ホロっときましたね♪

TKAT さん、こんにちは~
観てからだいぶたちますが、一つ一つの場面はよく覚えています。
ミンジが成長していく過程がよかったですね。
ホエクーの素朴な悪ガキぶりや、ぼろぼろ泣いてしまう所も。
出演者それぞれが、演技しているのか地をだしているのかわからない状態でした。
おっしゃるように周りの人たちの対応もドキュメンタリーっぽくて、いつもああいう応対しているのかな、とつい思ってしまいます。
(意地悪な役の人は損?)
『初恋のきた道』。好きな作品の一つです。
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