有川 浩『図書館危機』 : 夢の国・亞洲文化宮

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有川 浩『図書館危機』

20070907

kiki.jpg

  出版社: メディアワークス
  
  出 版: 2007年




前作『図書館内乱』のラストは衝撃的だった。しばらくたつと内容を忘れてしまう私でも、その一連の場面だけは、登場人物の一語一句、表情、背景をすべて覚えているほどだ。
しかし一抹の不安が。そんな決定的なことをラストにもってきて、次の作品は間が持つのか…。
けれど見事に「心配御無用」だったのである。
本書の構成は次のとおり。
一、 王子様、卒業。
二、 昇任試験、来たる
三、 ねじれたコトバ
四、 里帰り、勃発―茨城県展警備―
五、 図書館は誰がために―稲嶺、勇退―

王子様に告白したわけではない。(そんなことしたら終っちゃうではないか!!)小牧の「現在の堂上を見て」の言葉を胸に、「王子様は卒業します」と言ったのだ。
これって、いろんな意味に取れるよな~!!
物語の進行と共に郁はどんどん成長し、堂上は落ち着いていく(と思うのだが)。これと比例するように、2人の間もだんだん縮まっていく。『内乱』までのスキンシップは頭を撫でる、手を引っ張る、という程度だったが今回は手を握るところまでに。(こんなの進歩と言えるか?)
相変わらずベタな展開である。20代後半の男女とは思えない純情ぶりには、こちらの顔が赤くなる。

「昇任試験、来たる」では、手塚が変わる。
『戦争』で頑なだった彼が『内乱』では隊員に自分のことを話すまでに。そして今回は自分の心に素直に動いていく。この章で、彼は一番不得手な「子供への読み聞かせ」で自分をさらけ出すとともに、自分の弱さも知る。進歩だ!!

「ねじれたコトバ」では言論統制のある社会にメスが入る。
タレント本を出版するのに「床屋」という言葉が禁止用語のため使えない。「床屋」の使用を主張するタレント側と、良化委員会の摘発を避けるため「理髪業」の使用を主張する出版社側。やがて、ある作戦を立て、両者は裁判で争う。
平穏な暮らしの中で、知らないうちに言論統制が行われている状態は、物語とはいえ恐ろしい。じわりじわりと首を絞められていく世の中だ。現実にも起こりうるのでは?いや、進行中かも…と思うとぞっとする。

後半は『戦争』のラストを思わせる緊迫した場面が繰り広げられる。
舞台となる「茨城県立図書館」は実在する。何だか行ってみたい気分。
人間の醜さ、正義の尊さを浮き彫りにした銃撃戦。
さらに郁は自分でも気づかず決定的な一言を堂上に放つ。(これはホームラン級だ)

さて、あと1話あるのだという。
そりゃそうだろう。先送り事項が山積みだ。
郁と堂上。(一緒に喫茶店に行く約束をしている)
手塚と柴崎。(素直に喧嘩するようになったが・・・)
玄田と折口。(重傷の玄田に折口が付き添っている)
手塚兄弟。(確執は続いたまま)
彼らの人間関係から目が離せない。
なお、稲嶺の後釜、彦江が不気味な光を放っている。
気になる~

良化委員会も図書特殊部隊も存在しない、平和な世の中は来ないのだろうか。
第4話では、希望ある未来を確約してほしい。

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「図書館危機」 有川浩 :TK.blog

『図書館危機』     著者:有川浩  イラスト:徒花スクモ 出版社:メディアワークス     ※シリーズ順に感想を書いてるため、前回までのネタバレが含まれます。<簡単なあらすじ>王

コメント

こんばんは。

やっと予約してたこの『図書館危機』が手元に♪郁と堂上教官はありかわらず純情ですよね。今時の20代後半の男女とはとても思えない(笑)。

>舞台となる「茨城県立図書館」は実在する。

そうなんすか?!というか県立だから当たり前か^^;銃撃戦の舞台にされたたけでなく、とんでもない館長が登場するたけに、茨城県立図書館の現実の館長は気が気じゃないはず?!

あと1冊で完結みたいですが、孔雀の森のおっしゃる4組のペアの行く末が私も気になる!郁&堂上と玄田&折口は相思相愛なのでいいとして、手塚&柴崎がどうなるのやら・・。

TBはまた後日させていただきま~す^^;

TKATさん、こんにちは♪

リクエストが来たのですね♪
20代後半の男女がいつまでこの純情を保てるのか…。
堂上&郁が好きな私は、こんなことが最大の関心事であります(笑)。
進展してほしい、と思いつつ、これを最後まで続けてほしいという気持ちもありまして…。
こんな甘いストーリーの裏に(表?:笑)、図書館の現状が立ちはだかり、今後の展開には目が離せませんね。
次はいつ出るのでしょう。あまり間があくとまた例のごとく前のストーリーを忘れてしまうので、早くしてほしいワ。
そして4冊目のタイトルも楽しみ!!
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