子供たちの王様 : 夢の国・亞洲文化宮

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子供たちの王様

20070830

haiziwang.jpg1987年/中国/1時間46分(「中国映画の全貌2007」で上映)
監 督  陳凱歌(チェン・カイコー)
撮 影  顧長衛(グー・チャンウェイ)
原 題  孩子王
原 作  阿城『孩子王』
出 演  謝 園(シエ・ユエン)
      楊学文(ヤン・シュエウェン)
      陳紹華(チェン・シャオホワ)
      張彩梅(チャン・ツァイメイ)
      劉海臣(リウ・ハイチェン) 
      呉 霞(ウー・シア)

<あらすじ>
文化大革命の時代。生産部隊所属の青年(謝園)が、突然山奥の中学校に配属される。彼は学歴が高校1年なのに中学3年の国語を担当させられ、その上生徒が教科書を持っていないことで困惑する。今までの授業は、教師が黒板に書いた文章を丸写しするだけだったという。生徒の大半はその文字すら満足に読めない。彼はクラスで一番文字を知っているワン・フー(楊学文)の意見を取り入れて文字を指導し、さらに身近な出来事を書く授業を始める。生徒たちは嬉々として取り組むようになる。
ある日ワン・フーは「明日の出来事を今日中に書けたら字書をもらう」という「賭け」を提案する。彼はその日のうちに父(劉海臣)と共に、翌日クラスでやることになっていた竹の伐採を終らせ、それについての文章を書き上げる。
青年はワン・フーの勝利を認めない。級長(呉霞)は「ワン・フーに字書をあげて」と青年に頼み、彼もワン・フーの頑張りを認め字書をあげることにする。しかしワン・フーはこれを拒み、その日から字書を写し始めるのだった。

<感想など>
『黄色い大地』と共に好きな陳凱歌監督作品です。
荒涼とした黄土色が広がる『黄土地』に対し、こちらはさわやかな緑色。

さて、中学3年生の面々がとてもエネルギッシュ!!
教室は無法地帯化し、黒板には「やせっぽち」とあだ名をつけられた教師の顔がデカデカと書かれています。でも彼はそれを頭ごなしに怒ったりしません。
この教師「孩子王(ハイズワン)」の正直なところが、かえって生徒たちをひきつけたのでしょうか。
高校1年までしか学んでいない自分が中学3年を教えることへの不安を話す「孩子王」を、最初のうち生徒たちはバカにしていたのですが…。
勉強のよくできるワン・フーを授業で起用するところに「孩子王」の率直な気持ちが出ていて、教師と生徒はだんだん近づいていきます。まぎれてしまうとどちらだかわからないほどです。

牧歌的な、のんびりした空気が感じられますが、文革批判がさり気なく盛り込まれています。でも象徴的な描き方が多く、気がつかないうちにその場面が通り過ぎていってしまうことも。
小学校までしか出ていない校長が、主人公に中学3年生の担当を頼む場面。
高校1年まで終っているのならいいではないかと、励ますのですが…。
政府側の教育に対する無責任さ、いい加減さが見えてきます。
結局彼は教科書を放棄。日々の出来事を綴ることで、生徒たちは書く喜びを味わうようになります。スローガンを学ぶより大切なことがある、ということです。
ワン・フーが日夜字書を写していた机に書かれた「王福,今後什麼也不要抄了、字典不要抄」という言葉。これは青年が去るときの、ワン・フーへの伝言です。
これを観た時「字書は君のものだからもう写す必要はない」と解釈したのですが、よく読むと、そうではないようです。
ワン・フーは字書は勉強する上での必需品と考え、写して保管するつもりだったのだと思います。
でも完璧に見える字書でも間違いがないとは言い切れない。「眼に映るものをそのまま丸写しするな。よく考えろ」と「孩子王」は言いたかったのかも知れません。

教育方法を指摘され、学校を去らざるを得ない主人公。一人去って行く姿だけをとらえているところは、感傷的になりすぎず、かえってよいのかも。実は「行かないで」と先生に群がる生徒たちの姿を見たかった(笑)。

主人公が「孩子王」と言われる所以もわかるような気がします。
彼が生徒たちと共に模索した勉強、教育のあり方は、国や地域の別に関わりなく、今も問われ続けていることではないでしょうか。

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