哀戀花火 : 夢の国・亞洲文化宮

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哀戀花火

20070821

paoda.jpg 1993年/中国・香港/1時間57分(「中国映画の全貌2007」で上映)
 監 督  何 平(ハー・ピン)
 原 題  炮打雙燈/Red Firecracker Green Firecracker
 出 演  寧 静(ニン・チン) 巫 剛(ウー・ガン)
       趙小鋭(チャオ・シャオルイ)


<あらすじ>
時代は清朝の末期。爆竹の老舗、蔡家の当主である春枝〈チュンジー〉(寧静)は、幼少時から男として育てられ、両親の死後は「大旦那」と呼ばれている。ある日屋敷に吉祥画を描く絵師、牛宝〈ニウバオ〉(巫剛)がやって来て、2人は恋に落ちる。やがて牛宝は春枝に求婚するが、旧家の掟に縛られる春枝は承諾できない。
一方、先代から蔡家に仕える満〈マン〉(趙小鋭)は、牛宝を目の敵にして度々痛めつける。
やがて蔡家の長老たちは、春枝の婿を決めるための爆竹合戦を考えつくのだった。
<感想など>
旧社会の弊害を突いた作品には暗いものが多い中、この作品には華があって後味もすっきりしている。すっきりしすぎて軽いくらいだ。
悲恋には違いないが、旧社会と果敢に闘う男と、徐々に目覚めて行く女、そして第三者的な男の姿がはっきりと色分けされ、ドロドロした印象が全くない。それに未来も見える。
また、古きものを守ろうと長老が悪霊払いに走るところも、祭りのような描き方だ。
そうした意味では斬新で、この時代を描いた作品としては珍しくエンターテイメント性が高いと言えるのではないだろうか。

さて個々の役者をみてみると。
牛宝を演ずる巫剛(ウー・ガン)。第一印象は「三浦友和と唐沢寿明を足して2で割った」ような雰囲気。
この先入観から正義感を貫くタイプだと思ってしまうのだが、実は全然違う。己の欲望に正直なだけだ。彼の中には、身分違いとか能力の有無といった壁が全くない。どんな障害があってもあきらめず自分を貫いていく。
絵師として繊細な図柄を描く姿と、奔放で豪快な姿は表裏一体。

春枝は大黒柱として判断力に優れ、教養も豊かで威厳が備わっている。
ところが自分でも気づかないうちに牛宝に惹かれていき、少しずつ女になっていく。
きりりとした眼から潤んだ眼への変化が彼女の心を映し出していて、吸い込まれそうになる。

2人は初対面で発火。彼らが顔を合わせるたびに、何だかこちらの方がときめいてしまう。
眼を合わせる瞬間、手を触れる瞬間、すべてに爆発の予感があって、目が離せない。
そして爆発。もう後戻りはできない。2人の恋はまるで鳴り止まない爆竹のよう。
障害があればあるほど恋も激しく燃え上がるのだが、春枝は常に「家」に縛り付けられ、心とは裏腹に相手と距離を持とうとする。

引く女とは逆に、掟を破り身の危険を承知で女をモノにしようとする男は、獣そのもの。
彼は爆竹作りの修行を始め、ゼロに近い可能性をひっくり返そうとするのだ。
いっそ、駆け落ちしてしまえば…。観ている方は実にもどかしい。

見所は河の両岸から放たれる花火の、色鮮やかなアーチ。
さらに、男たちが繰り広げる爆竹合戦。
これらの場面はもう一度観たい。

牛宝の姿をいつも追っている腕白少年。彼の屈託のない笑顔と活力は、観る者の心を明るくしてくれる。彼は牛宝の生き方を受け継ぐような気もする。中華民国の時代には働き盛りの大人になっているはずで、何かやってくれるんじゃないかと思ってしまう。(考えすぎ?)
この作品にスッキリした印象が持てるのは、最後にそんな彼の姿が映し出されるからかも知れない。

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