盗馬賊 : 夢の国・亞洲文化宮

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盗馬賊

20070730

daomazei.jpg 1986年/中国(チベット)/1時間39分(劇場にて鑑賞)
 監 督  田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)
 原 題  盗馬賊/HORSE THIEF
 言 語  チベット語
 出 演  才項仁増 旦技姫

<あらすじ>
舞台は1920年代のチベット。ロールブ(才項仁増)には妻トルマ(旦技姫)と幼い息子がいる。彼は極貧生活を打開するため馬泥棒や強盗をはたらく。そしてこれが原因で一家は部落から追放されてしまう。
生活はますます逼迫し、可愛がっていた息子は病死。夫婦は寺院への参拝を繰り返す。やがてトルマには新たな命が宿る。しかし子供が生まれても生活は苦しくなるばかりである。
ある日ロールブは再び馬を盗み、追われる身となる。彼は妻子を逃がし、自分は単身銃声のする方へ向かうのだった。

<感想など>
これも「中国映画の全貌2007」で上映された作品。
「狩場の掟」の後に観て、こちらの方がはるかに強い印象で残っている。
同じようにドキュメンタリータッチの手法をとっていながら、こちらにはストーリーが存在するからだ。

まず「何をしてでも生き抜かなければならない」という気迫に圧倒される。
馬泥棒や山賊行為をせざるを得ない背景にあるのは、明日の食糧にも困るような極貧の生活だ。
主人公ロールブの悪事を働く姿と、息子を可愛がる姿とのギャップには、胸がしめつけられる。

追放された部落に疫病がはやり、死んだ家畜が流れていくのを呆然として見ているロールブ。つまりこの時点で水が使えないということなのだ。
疫病の家畜を生き埋めにする住民たち。
本当に生きた動物を使っているのだろうか?と思えるほどリアルな状況だ。

愛する息子が亡くなる。
雪原に亡骸を抱いて一人立つロールブの姿がやるせない。
母親の姿が見えないこと、泣き声を聞かせないことで、彼らの慟哭が一層強く響いてくる。
チベット寺院でひたすら祈る夫婦。円柱経典を回し続け、五体投地を繰り返す姿は、この夫婦の運命とも受け取れる。そして運命的に新たな命を授かるのである。

家族を守るためにロールブがとった行動はまさに命がけである。絶対に子供は死なせまいという気迫が、躊躇する妻を追い立てる。

チベットの儀式や風習がふんだんに盛り込まれ、特にたくさんの火が揺らめくシーンは圧巻だ。
この炎のオレンジ色。どんよりした空の灰色。あるいは晴れ渡った空の青い色。
華やかな色彩に彩られている場面もあるが、私の印象には灰色しか残らない。
物語が鳥葬に始まり鳥葬に終わるからだと思う。
鳥葬のときの空は二回とも灰色である。

コメント

いいな!

孔雀の森さん、こんにちは。
こういう映画を観られる機会ってそうそうないですよね。
う、うらやましい・・・。
上映スケジュールをチェックさせていただいたのですが、どうしても観たい、でもレンタルでは出回っていないしDVDを購入するにはちょっと値段が高い!という作品もラインナップされてて地団駄踏んでいます。
やっぱり関東を離れるべきじゃなかった!(涙)
私の分も楽しんでくださいませ~。

ほかでも開催されればいいのに

sabunoriさん、こんにちは。

おっしゃるとおり、私は本当に幸運です。
中国、香港、台湾映画の愛好者にとってはたまらないラインナップだと思います。
関東だけでなく、各地域に住む愛好者が同じように楽しむことができたらいいのに。
このような「映画祭」の同時開催、不可能ではないと思うのですが。
sabunoriさん、いつの日か関東に帰ってきてください(笑)。
(めちゃくちゃなことを!と怒らないでください。すぐにでもお会いできそうな気がしたものですから)

楽しんで!

孔雀の森さん、またまたお邪魔しまーす。
なんだか私のコメントで気を使わせてしまいましたね。
ごめんなさい!
私のグチグチなんて読み飛ばしていろいろ観てきてくださいね。
その孔雀の森さんのレビューを拝見して楽しませていただきますのでー。
私が東京まで行って観ようかしら!と思わず頭でいろいろスケジュールを考えてしまった作品は「五人少女天国行」「變臉 この櫂に手をそえて」「阿Q正伝」あたりです。
多分無理だと思うんですが。(笑)
関西でも運がよければ半年後くらいに開催してくれるかも。
でも74本→10本くらいになっちゃいそう。(笑)
関東へ帰る日が来るかしら??

變臉、観たいです

sabunoriさん、こんにちは♪
こちらの方がかえって気を使わせてしまいました。
関係者の方がこの一連のコメントを読んで、企画を考えてくれるかも、と期待しているのであります。
さてさて、私も「變臉 この櫂に手をそえて」はすごくすごく観たいです!
まさに「あの感動をもう一度!」です。
あと、70年、80年代の作品も観たいワ。
「阿Q正伝」もそのあたりですよね。
(ウフフ。年齢がわかちゃいますね)
sabunoriさん、是非スケジュール調整を!!(笑)
自分が引っ越す可能性はあるのか?と、ふと考えてしまいました(笑)。
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