幾米『藍石頭』 : 夢の国・亞洲文化宮

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幾米『藍石頭』

20070613

lanshitou2.jpg  著 者:幾米(ジミー)〔台湾〕
  出 版:2006年
  言 語:簡体字中国語
  英 題:The Blue Stone
  出版社:現代出版社(中国)

<内容>
太古の昔、森の奥深くに横たわっていた巨石〈blue stone〉。ある時、森林火災であたり一面焼け野原となる。その中に〈blue stone〉は真っ黒な姿を現す。以後長雨に洗われた彼は鮮やかなブルーの様相を取り戻し、自然の中で平和な日々を過ごしていたのだが…。何と、人間の手で真っ二つに割られてしまうのだ。遠くに運ばれた片方の〈blue stone〉は、故郷への想いが強くなると自らに亀裂を入れ、割れてしまう。人間は割れた身体の一部を自分好みに作り変える。また割れる。作り変えられる…。数奇な運命に翻弄される〈blue stone〉。果たして故郷へ帰れる日は来るのだろうか。

<関連事項・感想など>
今まで読んだジミーの絵本の中では一番の長編。描かれた年月も最長。新しい作品なので、これまでの作品の登場人物あるいはモチーフも数多く散りばめてあるだろうと、予想を立てて読んでみると…
なるほど、出てきます。今手元にあるジミーの絵本はこれを含めて4冊。これらを机の上に広げて読み始めましたが…。一つずつ確認していては進めないことがわかり、この「発見」は再読する時の楽しみとすることに。
でも一つだけ、今言いたい「発見」があります。それは〈blue stone〉の原型が『向左走・向右走』に登場していること。読み返してようやく気づくくらいの、薄い存在感。何の変哲もない巨石に息を吹き込もうという発想がすごいなあ。

さて、この〈blue stone〉。石が意思を持ち始めたことで起こる不思議の数々。
〈blue stone〉のたどる軌跡が、まるで誰かの人生のように見えてきます。
また〈blue stone〉を取り巻く人々は、世の中の人間を代表するかのようで、実にさまざま。どちらかというと心に闇を持った人間が多いかな。彼らの心に潜むエゴがさりげなく描写され、「あっ、この気持ちは自分と同じ」とヒヤリとする場面も。
私には、一番最初に出てくる、緑色の帽子をかぶった男が引っかかります。

一方、「きっとどこかで見守ってくれる存在があるはず」と確信できる瞬間もあり、孤独が癒されていくようです。
でも人間は「石の意志」には最後まで気づかないのです。(当り前と言えば当たり前なのだが)

作品には創作する人が数多く登場し、つい先日見たジミーさんの写真を思い浮かべてしまいます。
最後まで読むと、冒頭の「両親に捧げます」の一文が、心に響いてくるのでした。

なお邦題『ブルー・ストーン』は岸田登美子訳で小学館から刊行。


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「ブルー・ストーン」 幾米 :TK.blog

『ブルー・ストーン』  藍石頭  THE BLUE STONE  作・絵:ジミー(幾米)  訳者:岸田登美子  出版社:小学館 <簡単なあらす...

コメント

こんばんは♪

『ブルー・ストーン』だ!ジミー作品では最新のですよね。ファンタジーだと思ってたのですが、孔雀の森さんの感想を読むと石の運命とそれを取り巻く人々って感じでしょうか?

>「発見」があります。それは〈blue stone〉の原型が『向左走・向右走』に登場していること。

なんですって!?また発見してしまいましたか!急いで『向左走・向右走』を読み直したのですがわからない~(笑)。
2人を隔てた家の壁の石かなと思ったり(私の中でこれが一番正解に近いかなと)、地下鉄構造の一部かなと思ったり。
結局いろいろと想像予想するだけで楽しかったり(笑)。

P.S 今まで翻訳本を買ってましたが、中国語勉強のために原書を買おうかなとちょっと思ってます(小説は無理だけど絵本なら初心者にはまだなんとか調べながらいけるかな。えっ?そんなに甘くない?)。やっぱり今の私のレベルでは無理かも(笑)。

TKATさん、こんにちは♪

私もファンタジーかと思ったのですが、読んでみたら暗かったです。

>石の運命とそれを取り巻く人々って感じでしょうか?

そうですね。石は人々に翻弄されるわけで、それが彼の運命とも解釈できますね。

『向左走・向右走』の中盤より少し前あたりに、主人公の男女が大きな石をはさんで座っている場面があります。緑色のカメレオンが彼らを見ています。見落としそうなページですね。くすんだ色の石だけど、私にはこれが〈blue stone〉に見えました。

是非原書を!と言いたい所ですが、日本で売っている中国語の本は日本語訳の約2倍のお値段です。でも私は原書を買ってしまいました。わからない単語を調べて音読すると気持ちいいです。「構造的には単純だけど深い意味」のフレーズが何度も使われ、ぐっときました。お給料日に是非原書を買いましょう!なんて、無責任な私のたわ言と思ってくださいね。
でも中国語圏に旅行したときには是非!!


こんばんは。
そうか、原書で買ってみればいいのですね。自分なりに訳してみて、あとで翻訳版も読んでみればじっくり作品と取り組めそうですね。さっそく通販ショップへ行ってみます!

藍*aiさん、こんにちは♪

私がよく利用する通版ショップをのぞいたら、ジミーさんの本がたくさんみつかり、すべてほしくなってしまいました!
私は中国語専門書店で衝動買いしましたが、通販の方がやや安い気がしました。
原書、自分の訳、翻訳版がそろったら中国語の世界がグンと広がりそう♪
その勉強法、いただきます(謝謝)。

読んだつもりでいましたが・・・

まだ読んでなかったので早速図書館で借りてきました^^

>『向左走・向右走』の中盤より少し前あたりに、主人公の男女が大きな石をはさんで座っている場面があります。緑色のカメレオンが彼らを見ています。

読み終えたあと『向左走・向右走』を読み直したのですが、
男女が大きな石をはさんで座っているページを見つけられず(TT)。
緑のカメレオンがいるページはあったのですが彼女1人しかいず石もないんです。
数回見ましたが見落としているのかしらん。。。
私が持っているのは日本語版、もしかして原書のみにしかないページなのかな?
いやいや、やはり見落としてるかも^^;もう一度確認してみまーす。

P.S 緑の帽子の男性、気になりますよね~。

いろいろ考えさせられるお話でした

TKATさん、こんばんは♪

>男女が大きな石をはさんで座っているページを見つけられず(TT)。
私の『向左走・向右走』では、12月24日と1月5日の間に
該当ページがあります。
ただ、私、上記コメントで間違えました。ごめんなさい。
男性は座っていますが、女性は立っています。
男性はパジャマ、女性はガウンを着ています。
どうでしょう、あるでしょうか?

緑色の帽子の男性、誰でしょうね。
単純に作者!と言ってしまっていいものか…。
ま、誰でもいいんですよね♪
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