有川 浩『図書館戦争』 : 夢の国・亞洲文化宮

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有川 浩『図書館戦争』

20070528



  出版社: メディアワークス

  出 版: 2006年







「これ面白いんだよね―」という中学生の一言を耳にして、読むことにしました。
「メディア良化法」という、表現の自由を奪うような法律ができた近未来の物語。
「図書良化委員会」の指示の下、武装集団が図書館や書店を突然襲撃し、
マークされた本を狩っていくのです。
検閲基準は「青少年が読むのにふさわしい表現か」ということだそうですが…。
恐ろしい世の中です。
これに対し、図書館の本を守るため武装して戦う「図書隊」の面々。
一応図書館職員ですが、任務は「戦闘」。(なんだかメチャクチャ…)
訓練の様子や上下関係など、軍事関係についての記述は実に詳細です。
でもこの物語は自衛隊や軍隊について細かく論じようとしているわけではありません。
物語の根底にあるのは、正義を貫こうとする「精神」。
読んでいて、ふと「ウルトラマン」とか「ウルトラセブン」を思い出してしまいました。
あのヒーローではなく、懸命に闘う隊員たちの姿です。
悩み、傷つき、迷いながらも正義感を胸に日夜努力する人々の姿。
何だかすごくクサーイ話になってしまいましたが…。
物語からは、あのTV番組と同種の「正義とは?」という問いかけが聞こえてくるようです。

また、今時の若者に対する大人のあるべき姿も教示されているような気がします。
今自分たちと世代の違う者に、どう接していいかわからない年配者は多いのでは?
(自分もその一人…)
物語に登場する中学生たちに本音をぶつける教官の堂上篤や、主人公の笠原郁の姿からは、
教わることがけっこうあります。

そしてこれまたクサイほどの「純愛」。
主人公の笠原郁は、高校時代危機を救ってくれた図書隊員にあこがれて、図書隊への配属を望みます。
彼女にとってその人物はまさに「王子様」。
教官の堂上は、直情実行型の彼女をビシビシと鍛えます。
郁は、厳しさの中に優しさの見える堂上に惹かれていくのですが…。

郁は元陸上選手。そのイメージも手伝って、こちらの心に一直線に飛び込んできます。
読者にとって、郁は自分の言えないことを言ってくれ、できないことをしてくれる、ちょっとしたヒロイン。
見かけは単純そうだけど、実は細かい心配りも見せてくれます。
堂上はそういう彼女に惹かれたのでしょう。
読者としては、郁の「王子様」が目の前にいたと気づく時のことが楽しみ。

台詞回しも面白い。口調がリアルで、早口かゆっくりかというところまで想像できます。
生きた言葉が物語の屋台骨になっているように思えます。
続編の『図書館内乱』『図書館危機』も読んでみたい。

ところでこの『図書館戦争』。物語の「図書良化委員会」はどのように判断するでしょう。

trackback

「図書館戦争」 有川浩 :TK.blog

『図書館戦争』     著者:有川浩  イラスト:徒花スクモ 出版社:メディアワークス     <簡単なあらすじ>「メディア良化法」が昭和最終年度に成立・施行。昭和の政界七不思議の一つと

コメント

こんばんは♪

この本去年から気にはなってたんですよ。でも内容的にティーンズ向けかな~なんて思ってました。でもあらすじを見ると面白そう♪メディア良化法ができ、それに対抗するなんて、共産圏の国なら本当にありそうだわ・・。
だんだんと読みたくなってきたので図書館で予約したのですが、ななんと70人弱待ち!!市内で10数冊所蔵らしいのですが、忘れた頃(ブームがすっかり去った頃)に手元にきそうです(笑)。

TKATさん、こんにちは♪

人気があるんですね、この本!
私は図書館(というか小さな図書室)で運よく借りることができました。
だから「70人待ち」にはびっくりです。
続編は熾烈な争いが予想されますね(笑)。
この舞台は日本の近未来で、行ったことのある所も出てきました。
なのでこんな世の中になったらコワイなあと思いながら読んでいました。
ありえない設定なんだけどリアル(ちょっと意味不明?)なんですもん。
そのうち、是非感想を聞かせてくださいね♪

やっと読みました!

>悩み、傷つき、迷いながらも正義感を胸に日夜努力する人々の姿。

純愛といいほんとクサーイ話ですが(笑)、それでも面白く読めました。襲撃戦があったりと非現実的な内容の中にも図書館としての働きや問題点はちゃんと現実味を帯びており、大人でも楽しめる本かなと思います。

「日野の悪夢」として登場する日野図書館、ここで今現在働いてる職員や利用者の方はびっくりですよね(笑)。
自分が普段利用してる図書館が実名で出てきたら(ましてや大事件の舞台として!)、やっぱり読みたくなるしフィクションだとわかっていても感慨深くなっちゃうかも。

第2弾も現在予約中ですが、孔雀の森さんの感想を拝見するとかなり趣が変わるみたいですね。また忘れた頃に読みたいと思います(笑)。

TBはまた後日させていただきます♪

TKATさん、こんにちは♪

リクエスト本が来たのですね!
楽しんで読まれたようで、よかったです♪
著者はあの「日野図書館」をかなり参考にしたと思うのですが、どのくらいまで本当なんだろう、と興味津々です。
内部構造とか概観とか、けっこうリアルに描かれているから、もう一度よ~く読んでから行ってみたい気分。
また、当然この本の紹介もしているのでしょう。どのように扱っているのかしら。
職員や利用者はこのような描き方にはホント驚いてしまいますよね。
ウチの市の図書館もネタにしてくれないかな(笑)。
第2弾、お楽しみに!!
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