浅田次郎『ラブ・レター』 : 夢の国・亞洲文化宮

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浅田次郎『ラブ・レター』

20070424

poppo.jpg  出版社 : 集英社(文庫)

  発 行 : 2000年4月





<はじめに>
『鉄道員(ぽっぽや)』に収められた短編小説8編のうちの1編。
『ラブ・レター ~パイランより~』のDVDを観て、是非原作も読んでみたいと思っていたとき、偶然自宅の本棚で見つけました。
でも買った記憶がないのです。当然読んだ記憶もない。家族の誰かが買ったとも思えない。う~ん、謎だ~…なんて思っていても仕方ないので、早速読むことに。

<あらすじ>
高野吾郎は、自身が店長をしていた歌舞伎町の裏ビデオ店が摘発を受け、10日間拘留される。
彼は、釈放されたその日に偽装結婚した妻の死をきかされ、彼女が住んでいたという千葉の千倉に向かう。
戸籍上の妻は、中国から来た「康白蘭(カン・パイラン)」。
彼女が吾郎に宛てて書いた手紙には、彼への感謝の言葉が並んでいた。
吾郎は、警察での死亡手続きが余りにも簡素であることに憤りを感じ、つい感情的になる。
そして病院で遺体に対面した時、こらえきれずに慟哭したのだった。
その夜、彼は、故郷で彼女と結婚生活を営んでいる夢を見る。
<感想など>
吾郎宛の手紙を読んでいるうちに、ボロボロきてしまいました。
会ったこともないない男性に「大好きな吾郎さんへ」と書くパイラン。
文字を追うことで、書き手と読み手の気持ちが同時に伝わってきます。
字幕を読んだり耳できいたりする行為とは、根本的に違う感覚。
言葉が一つ一つ、視覚を通して響いてきます。
パイランは不法就労を続けるために偽装結婚し、その借金を返すために男性を相手に商売をする。やがて病気になり命を落とす。
彼女は過酷な状況にありながら、顔も知らない夫に会える日を夢見て、前向きに生きています。この一途な気持ちが美しい。
感謝と愛情の言葉で埋めつくされた水色の紙面。
達筆な文字と拙い日本語。便箋が目に浮かぶようです。そのうち文字が滲んできてしまい…。
吾郎は自分の半生を振り返ったり、パイランを救えなかったことを後悔したりしたに違いありません。
そして自分の無力さや社会の現状への憤りが胸の中で爆発して、亡き人を追い求めたのでしょう。
この手紙を読んだ後は、前後の説明的な部分はすべて吹っ飛び、吾郎が夢で見たパイランと、手紙を書いているパイランだけが残りました。

韓国映画『ラブ・レター ~パイランより~』も泣かせ所は同じ。原作の持ち味を生かしつつ、オリジナル部分も光る、秀作だと思います。

コメント

孔雀さん、こんにちは。
買った記憶がない、っていうのが可笑しかったです。あはは。
これ、「鉄道員」に収められていたんですね、知りませんでした。
映像で見るのと活字で読むのはまた違った面白さがあるでしょうね。

donamiさん、こんばんは♪

最近忘れっぽくなって困ってしまうのですよ(泣笑)。同じ本が2冊あったりすることも…。アブナイぞ~。
最初、各短編小説のタイトルが「鉄道員」の中の章かと思いました。映画を観なかったら気づかないでしょう。
バイランが書いたラブレターの部分では、まるで自分宛の手紙を読んでいるような気分になりました。
たまたま映像が先でしたが、本を読みながら映画のシーンがかぶることはありませんでした。これも著者の筆力ゆえでしょう。活字からいろいろと想像を膨らませるのも楽しいですね。

はじめまして。

孔雀の森様はじめまして。
私、音楽座ミュージカルで俳優をしております渡辺修也と申しますアメブロもやっております。

じつはこちらの記事を読ませていただきまして、ラブ・レターのことがかいてありましたので、不躾とは思いましたがメッセージを送らせていただきました。


このたび、直木賞受賞作「鉄道屋」より「ラブ・レター」をミュージカル化します。
当カンパニーは「メトロに乗って」も2000年に舞台化しており、浅田先生にも「200%満足!」との感想をいただきました。

今回は新宿区と提携を組み、9/12に制作発表を京王プラザホテルで行いました。新宿区長も同席する中、浅田先生も上機嫌で10年ぶりにお酒をのんで酔っぱらってしまったほど、原作者も期待のミュージカルです。

浅田先生の作品、舞台化されるものは多いですがミュージカルはございません!!
是非ごらんください!。

・音楽座ミュージカル「ラブ・レター」
http://www.ongakuza-musical.com/sakuhin/loveletter.php
・制作発表(youtube)
http://www.youtube.com/watch?v=OfzQh_rEFCg


・掲載記事
日テレnews24
http://www.news24.jp/entertainment/news/1630051.html
サンケイスポーツ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130914-00000006-sanspo-ent


それでは失礼致します。
長文申し訳ございません。

こんばんは

渡辺修也様、はじめまして。
ミュージカルのお知らせ、興味深く拝見しました。
かなり前に読んだ作品で、自分のレビューを読み返してもなかなか
思い出せないのですが、心にしみる作品だったのは覚えています。
公演のご成功を心からお祈りしています。
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大切に♪

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