春の惑い : 夢の国・亞洲文化宮

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春の惑い

20070325

xiaocheng.jpg  2002年/中国/1時間51分(レンタルDVD)
  (ベネチア国際映画祭コントロコレンテ部門グランプリ)
  監 督  田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)
  原 題  小城之春 / Spring in a Small Town
  出 演  胡靖楓  呉 軍  辛柏青
        葉小鏗  戸思思  他

<あらすじ>
舞台は日中戦争後の中国蘇州。載玉紋(胡靖楓)は、夫の礼言(呉軍)、義妹の秀(戸思思)と共に静かに暮らしている。しかし礼言の病気が原因で、夫婦生活は破綻に近い状態にあった。ある日、礼言の旧友、章志忱(辛柏青)が載家を訪れる。何と彼は、10年前、玉紋が16歳の時付き合っていた恋人だった。
長患いの礼言は、医者である志忱から勧められた運動や日光浴を実践していくうちに、少しずつ快方に向かう。また、秀は都会的な志忱に惹かれていくのだった。
一方、玉紋と志忱は互いに意識し、礼言のいないところでたびたび会う。
秀の16歳の誕生祝の時、玉紋と志忱はゲームをしているうちに酔いつぶれる。礼言と秀は、二人が惹かれあっていることを悟るのだった。
そんな状況の中で、礼言はある行動に出る。
<感想など>
水と木々が美しい蘇州の街。汽笛の響き。古典的な雰囲気の中に、波紋が広がっていく様子は、静かな抑揚のある音色をきくようです。
昔の恋人の出現によって、若い妻は戸惑いを感じます。でも現状を変えることはできないのは百も承知。ならば…。

物質的には何の不自由もない生活を送っているけれど、精神的には不幸であり、心を閉ざして生きていかざるを得ない玉紋。
旧家の長男としての責務を果たすことができず、家の者に当り散らし、治療をほとんどあきらめている礼言。

玉紋の振る舞いは、ベールの中に刃をちらつかせているようで、「復讐」を思わせます。不幸の元凶である二人の男を「惑わせる」のです。
志忱に対しては、意識的に近づいて自分の不幸を見せつけます。能面のような表情をつくって志忱の心をかき乱すのです。
また礼言に対しては、さりげなく志忱との距離を想像させます。現在の不幸に関して誰も責められない鬱屈した気持ちを解消するかのように…。
屈折した見方かもしれませんが、私には玉紋の振る舞いすべてが不気味に思えてならないのです。
彼女はささやかな抵抗を試みただけかも知れません。
しかし唯一の誤算は、礼言が彼女を愛し始めたこと。
そして彼女はゲームに興じるうちに演技が困難になり、思い切り本音をさらけ出してしまう。しかし夫は友人を愛している妻に優しいのです。
この物語の主題は、礼言の劇的な変化ではないでしょうか。
礼言の自殺未遂によって、玉紋は初めて自分の罪深さを悟り、彼女もまた変わっていきます。

暗い内容でありながら、はじけるように明るい義妹の秀と、近づき始めた夫婦の姿からは、未来への可能性を感じます。
突如現れた元恋人が、夫婦の関係修復に一役買うという、一風変わった三角関係が、なぜか新鮮に思えたのでした。


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