三峡好人 : 夢の国・亞洲文化宮

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三峡好人

20070302

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2006年/中国/1時間48分(第63回ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞)
監 督  賈樟柯(ジャ・ジャンクー)
邦 題  長江哀歌(ちょうこうエレジー)」
出 演  趙 濤(チャオ・タオ) 韓三明(ハン・サンミン)
     王宏伟(ワン・ホンウェイ) 李竹斌 項海漁  他

<あらすじ>
炭鉱労働者の韓三明(韓三明)は、16年前行方不明になった妻を捜しに、四川省の奉節にやって来る。そして将来ダムに沈むこの街で建物の解体作業をしながら、やっと妻を探し当てる。彼は彼女を取り戻すために、より賃金の高い仕事につくことを決め、この地を去る。
看護師の瀋紅は、二年間帰らない夫を探しに奉節にやって来る。彼の浮気を知った彼女は、自分にも男がいると言って、離婚を切り出す。河辺でダンスを踊りながら、二人は別れるのだった。
<感想など>
将来水没する場所が舞台ということで、登場人物や風景に明るさがありません。明るい人物といえば、三明の案内役の若者くらいです。彼は「江湖を渡り歩いてるんだ」と言いながら、三明と携帯電話の番号を交換します。狡猾な面と義理がたい面を持ちあわせたこの人物が、一番印象的でした。彼が登場するとその部分だけ光がさすようです。

その若者と対照的なのが、三明が宿泊した宿の主人です。三明は彼の話す四川方言がわかるのに、彼は三明の話す標準語が所々聞き取れない様子で、「わからない」を連発。
遠い地方へ移住することになったら、このおじいさんは周りの人々と意思の疎通をはかることができるだろうか。将来への不安を暗にうったえるシーンとして印象に残ります。

物語は二組の夫婦の選択が軸になっています。最初のうち彼に冷たかった妻の身内や周りの人々も、共に仕事をするうちに打ち解け、「江湖を渡り歩いている」という若者も彼の妻探しに協力的になってきます。無口な三明の裏側に、妻をどうしても見つけようとする執念がみえます。三明と彼を取り巻く人々との関係が、泥臭くて温かい。

一方、瀋紅の決断は<離婚>でした。彼女は「相手がいる」と言ったけれど、本当はいなかったのではないでしょうか。彼の不倫を知って自分から別れるための口実を思いつきで言ったのでは? この夫婦は共に経済的に自立しており、身なりもこざっぱりとして、三明たちとは対照的です。瀋紅のプライドが感じられる場面でした。
彼らの選択は奉節の運命とは直接関係ありませんが、沈みゆく街で下した決断というのがドラマティック。でも映像は淡々と流れるだけで、感傷的にはなりません。ドラマティックというのは、鑑賞者の先入観によるのかも知れません。

このリアリティあふれるドラマをぶち壊しているのが、UFOと建物ロケットの出現。
せっかくのドキュメンタリータッチなのに…
監督の考えもあるでしょうが、はっきり言っていらないです。

ナツメロがドラマの雰囲気を盛り上げています。青年が歌う『酒干惝売唔』(蘇芮:スー・ルイ)が懐かしかった♪ 『英雄本色(男たちの挽歌)』の主題歌もあったとか。
日本での公開も予定されているようですが、入りが心配です。

trackback

長江哀歌 :龍眼日記 Longan Diary

1993年に着工した中国・長江の三峡ダム建設。これによって二千年の歴史とともに水の底へと消えていく運命の古都・奉節(フォンジェ)。16年前に別れた妻と娘に会いにこの町へやって来る1人の炭鉱夫の男と、2年もの間音信不通の夫に会いに来る女。2人の物語を軸にダム建設に

コメント

悪くはないんだけど・・・。

孔雀の森さん、こんばんはー。
TBありがとうございました。
この作品・・・悪くはないのですが、どうにも感想を述べるのが難しい作品でした。
全体的な出来を述べるよりもついつい1つ1つのエピソードについての感想を言いたくなってしまいます。
孔雀の森さんのレビューを拝見して思い出しました。そうそう!『男たちの挽歌』が出てきましたよねー。
男の子、妙に歌がうまかったわぁ。
おっしゃる通りロケットのシーンは「?」でした。

ほかの作品も観たいです

sabunoriさん、こんばんは♪
『男たちの挽歌』は要チェックですね!
sabunorさんが取り上げていらした、4つの品物を提示して物語が進んでいくところは、私も面白いと思いました。
あのアメはすごく甘そうで、味が何となく予想できてしまいます。
この作品はストーリーの把握が難しく、観ながら常に「これはどういう意図?」と考えておりました。
でも今後も賈樟柯監督作品は観ると思います。(矛盾かなあ?)
画面に映る風景にはとても興味があって…ということはやはり「好き」っていうことかしら。
若い監督さんなのですね。楽しみです。

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