篠田節子「第4の神話」 : 夢の国・亞洲文化宮

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篠田節子「第4の神話」

20070106

1999年の作品。
フリーライターの女性が、5年前亡くなったベストセラー作家の評伝執筆に挑む物語。
小説家、夏木柚香(なつきゆか)の家族や友人の話を聞くうちに、ライター小山田万智子の「柚香像」が変化していきます。その過程はサスペンス調。
この物語自体万智子の作品のように思えてきます。

おもしろいのは、夏木柚香と小山田万智子の対比です。
享年42歳の柚香には家族があり、ブランド物に囲まれた生活をして、運よくベストセラー作家になり、その道をひた走り…
一方39歳の万智子は万年ゴーストライター。やっと買ったマンションのローン支払いに悪戦苦闘。男運も悪くて…
最初のうち柚香に対して反発に近い気持ちを抱いていた万智子でしたが、柚香の孤独、借金地獄、闘病など、世間にさらされない部分が明らかになるにつれ、共感を抱くようになり、仕事に対しても貪欲になっていくのです。

一気に読ませてくれる小説です。
故人となった人物の真実を探るのだという導入部分が、興味を引き立てます。
また、登場人物一人一人にリアリティがあるのも魅力です。
編集者、建築家、能楽師、ダンサー、カメラマン、染色家など、専門職の人々が独自の世界を披露してくれます。
華やかに見える職業でも(だからこそ)、その裏で、それぞれ厳しい現実と向かい合って生きているのです。
こうした状況が共感を呼ぶのでしょう。
夢を持ちながらあきらめている人、夢を追い求めている人、夢に向き合えない人などさまざまですが、最後に一丸になって成功を導きだすところは、読む側を明るくさせてくれます。

直木賞受賞作「女たちのジハード」と共に好きな作品の一つです。

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