山河ノスタルジア : 夢の国・亞洲文化宮

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山河ノスタルジア

20160614

山河ノスタルジア

2015年/中国・日本・フランス/2時間5分(劇場で鑑賞)
監 督  賈樟柯(ジャ・ジャンクー)
原 題  山河故人 Mountains May
出 演  
趙 涛(チャオ・タオ)  張 譯(チャン・イー)
梁景東(リャン・ジンドン) 劉 陸(リウ・ルー)
董子健(ドン・ズージェン)  張艾嘉(シルビア・チャン)

<あらすじ>
1999年、山西省の汾陽(フェンヤン)。タオ(趙涛)は幼なじみのジンシェン(張譯)、リャンズー(梁景東)の2人から想いを寄せられ、野心家のジンシェンと結婚。リャンズーは街を離れる。

2014年。タオはジンシェンと離婚し、汾陽で事業を営んでいた。息子のダオラーは父ジンシェン、継母と共に上海で暮らしている。一方、炭鉱での仕事が長いリャンズーは肺を患い、妻(劉陸)と幼い子と共に帰郷。タオから治療費を渡される。そんなある日、タオの父が急死し、葬儀のためダオラーを呼び寄せる。ダオラーはオーストラリアに移住することをタオに告げる。

2025年。オーストラリア。19歳のダオラーと、中国語しか話せない父との溝は深まるばかり。そんなある日、中国語教師ミア(張艾嘉)がかけた曲に懐かしさを感じる。ミアとの交流を通し、彼は母の面影を探すようになる。

<感想など>
最初に、聞き覚えのあるメロディと、懐かしい雰囲気のダンスシーンが飛び込んできた。この音楽、後で調べたら「ゴー・ウェスト」というタイトル。みんなの視線が西欧に向いているように感じられた。1999年のパートでは、主人公タオが、人生の岐路で、自分の気持ちよりも金銭の方を重視する。結婚話を告げられた父親が、口では「自由にしなさい」と言いながら陰でがっかりしている様子が印象的だった。親にしてみれば優しそうなリャンズーの方がずっと良かったのだろう。相手が違ったら?と思わず想像してしまった。

サリー・イップの「珍重」も懐かしい。テクノ風メロディに乗る広東語がゆったりと流れていく。人々が惹かれる気持ちはよくわかる。「英語と西洋」、「広東語と香港」が希望と結びついていた時だったのかもしれない。

時代はいきなり2014年へ。その間の出来事をすべて割愛するとは…と意外だったが、ドラマにありがちな修羅場など、この作品では無意味だろう。裕福な雰囲気を漂わせているタオと、病に苦しむリャンズーの再会が切ない。どちらが幸せか、などと比較したくなるが、それも無意味であると思い直した。

そして時代は近未来の2025年。発達したIT技術とか、熟年女性との恋愛関係とか、正直言って必要のない事柄に思えたが、変わらないモノだけは心に残った。

その一つがレコードプレイヤーから流れる「珍重」。ある年代にとっては懐メロである。レコードについては、1999年にはすでにカセット(さらにCD)が普及していたことを考えれば、さらに時代をさかのぼった「お宝」と言えそうだ。レコードは、近未来にはどんな風に扱われるのだろう。
また、タオが着ていたレインボー柄のセーターが、犬の服に作り替えられていた。誰もが気づく「変わらないモノ」として、生き生きと描かれている。
そしてタオが包んでいる餃子。2014年のパートでは、タオが息子と別れる前の晩に餃子を作っていた。2025年の風景も変わらない。息子の気配を感じたタオの静かな表情が胸を打つ。

観る人によって印象的なところも違ってくるだろう。当たり前のことだが、今回は特にそれを強く思った。すべてのカットに何かしらの意味を持たせているのでは?と画面に見入った。賈樟柯作品ではいつも「分かりにくいメッセージ性」がもどかしかったが、今回は以前より分かりやすく、後味もいい。

10年後の再鑑賞が楽しみだ。

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