大唐游俠傳 上・中・下 : 夢の国・亞洲文化宮

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大唐游俠傳 上・中・下

20140915

作 者:粱羽生
出 版:2010年8月
(原作連載は1963年~1964年)
言 語:繁体字中国語
出 版:天地圖書有限公司(香港)

<あらすじ>
玄宗皇帝治世の唐代。義兄弟の段珪璋と史逸如は同じ日に父親となり、生まれたばかりの男児と女児の婚儀を決める。ところが史逸如が安禄山の手下に殺され、妻と女児は行方不明に。重症の段珪璋は南霽雲や皇甫嵩の助力で回復、妻の竇線娘を追う。しかし竇線娘の兄弟は殺され、男児は空空児に連れ去られてしまう。竇線娘の兄に育てられた鐵摩勒は、王伯通への復讐を誓う。

7年後、鐵摩勒は壮健な青年に成長。官吏の秦襄を救った時に王伯通の息子王龍客と娘王燕羽に捉えられる。しかし鐵摩勒に好意を寄せる王燕羽により解放。以後摩勒は、敵なのに想いがつのる王燕羽と、周囲が決めた許嫁(いいなずけ)韓芷芬との間で苦しむ。そんな中、彼は皇帝の護衛を仰せつかる。

玄宗皇帝の死後、世の中はさらに混迷を極める。追われる身となった鐵摩勒は、安禄山の副将だが正義を貫く聶鋒の世話になる。そこで出会ったのが故史逸如の妻と娘。未亡人盧夢蝶は「薛紅線」と名を変えた娘(本名は史若梅)の乳母として生きていた。

<感想など>
図書館で借りた上、中、下の3冊をようやく読了。と言ってもいつものことながらわかるところだけの「飛ばし読み」である。しばらく前、中巻を返して下巻を検索すると、珍しく貸出し中だった。借主は中巻の存在を知らず上下巻を借りたらしい。下巻をリクエストするとすぐに連絡があった。会ったこともない「大唐游俠傳」の読者さんにちょっと親しみを感じた。

さてその中身。面白かった~。白髪魔女伝よりずっとワクワクドキドキ感がある。ふがいない玄宗皇帝のもとで跋扈する安禄山らと、民衆を守ろうとする游侠らの戦いを軸に、ラブロマンスも織り交ぜて一気に読ませてくれる。正義の側に立つ男たちの骨太な描写からは、その姿が目に浮かぶようだ。若い鐵摩勒もいいが、中年の段珪璋、南霽雲はもっといい!!

そんな正義の味方とは対極にいる、邪悪な爺様方も、実は好みである。(笑)なぜか応援したくなってしまうのだ。若者に負けるな!と。(笑)例えば羊牧勞。鐵摩勒にとっては父鐵崑崙を殺めた敵である。憎々しい爺だが、対決が先送りになることを、ひそかに願っていた。

王伯通の場合は、終盤改心してびっくり。武侠作品では、悪役が反省する例は少ないのでは? もちろん反省とか改心など、正しい道を求める心は大切。でも悪をとことん貫く愚かさもアリではないかと。もっとも、王燕羽の気持ちを考えれば、ホッとする展開ではあった。

他にも心ときめく人物といえば、皇甫嵩、轉輪法王、秒慧師太、展大娘、韓湛…と、年配者の名前が思い浮かぶ。こんな風に見ていくと、高齢者の占める割合が大きい物語であることに気付く。そして、体力も精神力も若者を上回る。恐るべし、武侠小説のご老人!武侠小説の特徴と言えるだろうか。

覇気のある女性陣もステキ。悪辣な展大娘でさえ、とんがった言動に惚れ惚れとしてしまう。けれども私の中での一番は何と言っても王燕羽。鐵摩勒への想いを果敢な行動で表し、最終的には自分を心から愛する展元修と結ばれる。邪悪な父と兄に翻弄されつつ善行を積んだからこそ、幸せがめぐってきたのだ。ほかにも、竇線娘、夏凌霜、韓芷芬ら、強い女性たちの戦いぶりは見事。金弓名人竇線娘の戦法は、ぜひ実写で観たい。

段珪璋と竇線娘の息子段克邪も10年後に姿を現し、短い間だが親孝行をする。夏凌霜は夫南霽雲の死後、双子とお腹の子を1人で育てていくことになる。何とも悲しい話である。武侠小説に登場する若者には、片親だけ、あるいは両親とも不在のケースが多い。その背景がわかる展開だった。

次はこの続きの「龍鳳寶釵緣」をじっくり読むことにしよう。

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