罪の手ざわり : 夢の国・亞洲文化宮

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罪の手ざわり

20140731

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2013年/中国・日本/2時間9分(劇場で鑑賞)
監 督  賈樟柯(ジャ・ジャンクー)
中文題  天注定
英 題  A Touch Of Sin
出 演
姜 武(チャン・ウー) 王宝強(ワン・バオチャン)
趙 涛(チャオ・タオ) 羅藍山(ルオ・ランシャン)
張嘉譯(チャン・ジャイー)

<あらすじ>
山西省に住むダーハイ(姜武)は、村の炭鉱の利益が実業家に独占されたことに抗議するが、襲われて怪我を負う。侮辱された彼は猟銃を持って飛び出した。

重慶出身のチョウ(王宝強)は、家族には出稼ぎと言いながら、強盗を繰り返す日々だ。

シャオホイ(羅藍山)は広州の縫製工場をやめてナイトクラブで働き始める。そこでリェンロン(李夢)というホステスに淡い恋心を抱くが、彼女には子供がいるという。

湖北省でホテルの受付として働くシャオユー(趙涛)は、広州で縫製工場を経営するヨーリャン(張嘉譯)と長年不倫関係にあった。ある晩、ヨーリャンの妻とその身内に突然襲われ命からがら逃げる。職場で汚れた服を洗う彼女に、酒に酔った男が目をつける。

<感想など>
劇場でもらったチラシや新聞の映画評論には絶賛の言葉が並んでいる。おそらく観る人を選ぶ作品なのだろう。自分の感覚と宣伝文句との距離を感じた。けれども、今まで観た賈樟柯作品に比べるとテーマ性がはっきりしていて、ある意味わかりやすかった。

もちろん、人を殺めることは罪である。しかし本作品では彼らの「情状酌量」の部分に光を当てている。例えば、ダーハイは不正に黙っていられない性分で、腐敗した者たちと真っ向から対峙する。ところが己の正義が折れた瞬間、獰猛な獣のように相手を破壊し始め、歯止めがきかなくなる。劇中で水滸伝が演じられていたが、彼の姿があの林冲(りんちゅう)と重なった。梁山泊の面々が英雄扱いされたように、ダーハイもまた、同情心を掻き立てるキャラクターである。

不倫の恋に苦しむシャオユーについても、殺人に到る心の動きが丹念に描かれている。酔っ払いから受ける屈辱的な言葉や行動に対し、我慢が限界を超えた瞬間、「手」が勝手に動く。上記のダーハイもシャオユーも、犯罪とは無縁の人間である。そんな彼らが一線を越える瞬間が、鮮明に映し出されていて恐ろしい。

若いシャオホイの結末には、驚くと同時に疑問が残った。自らの命を絶つ行為も衝動的に見えた。消えてしまえば恐怖から逃れられる、という感覚だろうか。罪を背負い込んだ面々が梁山泊に集う物語だと思っていたのに、予想が裏切られた気分。戦おうとしない者に対する不満とも受け取れる展開だった。

強盗のチョウは終始表情が変わらず薄気味悪い。王宝強は今までのイメージとは正反対。子供の恐怖心が手に取るようにわかって、彼ら家族の今後を考えると暗い気持ちになった。

誰にも明るい未来は来ない。この後味の悪さは制作側の意図なのかもしれない。

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