燦燦 -さんさん- : 夢の国・亞洲文化宮

スポンサーサイト

------

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

燦燦 -さんさん-

20140130

sansan.jpg

2013年/日本/1時間21分(劇場で鑑賞)
監 督  外山文治
出 演
吉行和子  宝田明  山本學
田川可奈美  宮田道代  田内一子
都村敏子  竹居正武  遠山陽一

<あらすじ>
鶴本たゑ(吉行和子)は今年77歳。ショーウインドーの中のウエディングドレスを見ているうちに婚活を思い立ち、相談所の門をたたく。長年介護した夫を見送ってから7年。何か物足りなさを感じる日々を過ごしてきた。彼女は、職員の橘(田川可奈美)の仲介で数人の男性とお見合いをする中、離婚経験があるという能勢雄一郎(山本學)と意気投合、デートをするまでになる。そんなたゑを、幼なじみの森口慎二(宝田明)は苦々しい思いで眺めていた。病院長を務める彼は、たゑの亡き夫の親友で、地域の交流会燦燦会の会長である。彼女が燦燦会をたびたび欠席し、イケメン男性と会っているのが面白くないのだ。

<感想など>(ラストに関するネタばれを含みます)
笑って、じんわりきて、また笑って、の繰り返しで、感情をゆさぶられた81分。登場人物の一言一言が胸にしみ入る。その一つが「人生は毎日がスタートライン」。主人公たゑの、かみしめるような言葉がいい。私も若い頃はしょっちゅう「今日から始めよう」と思ったものだが、最近はそれもずいぶん少なくなった。スタートするのが億劫になるのだ。おっといけない、私はまだまだ、たゑさんの子どもほどの年齢である。

結婚相談所の若い職員がたゑを好意的な目で見ているように、私も彼女の人間性に惹かれ、幸せになってほしいと心から願っていた。そして物語も当然ハッピーエンドになるものと思っていた。実際、観る人によってはこの「ハッピーエンド」に安心するかもしれない。

でも物語をよ~く思い出してみよう。彼女は自分の身の振り方について結論を出しただろうか。お相手は素晴らしい。彼と一緒なら充実した人生を送れそうだ。それに究極のあの言葉。あの状況なら「ハイ、お受けします」と言うしかない。彼女も当然そう言うはず、というのが大方の見方だろう。けれども返事の一歩手前で話は終わっている。

そもそも、生きがい、充実感、幸せといった前向きな気持ちはどんな状況から生まれるのだろう。たゑは婚活の間に、表情もしぐさもどんどん変わっていった。よりよく生きるための努力が、人をこうも変えるのだということを証明してくれている。彼女だけでなく、周りにもその空気が波及し、ある者は家庭内のことをしばし忘れ、またある者は思いがけない本心に気づかされる。さらにたゑの「応援団」がにわか仕立てで結成される。景色でも同じことが言える。たゑの眼を通して映し出される東京タワーは、まるで彼女の心をうたうかのように煌めいていた。こういう経緯がまるでお祭りみたいに、生き生きと描かれている。

けれどもお祭りは長くは続かない。華やいだ時間の後に落胆の時が待っていた。そしてその後に…。短い婚活期間が、まるで山あり谷ありの人生模様のように描かれている。

この山と谷、実は終わってほしくなかった。近い将来おとずれるであろう「ハッピーエンド」より、この起伏の過程こそ、作品の意図するところなのだろう。最初にウエディングドレスを見せておきながら彼女にそれを着せないとは…。観客の期待を先延ばしする、この匙加減が絶妙だ。

さあ、今日からでもすぐに、やりたいことを始めよう!!!と、前向きにさせてくれる物語だった。で、何を始めるかというと、「ごちそうさん」のぬか床ファンでもある私は、まず吉行和子さんの出演作を古い順に観よう、と考えていたのだった。(これは覚悟して始めることではないのだけれど:笑)


コメント

非公開コメント
プロフィール

孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最近のコメント
カテゴリー
最近のトラックバック
最新の記事
リンク
ブログ内検索

Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。