フライング・ギロチン : 夢の国・亞洲文化宮

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フライング・ギロチン

20140105

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2012年/香港・中国/1時間53分
(《冬の香港中国エンターテイメント映画まつり》で鑑賞)
監 督  劉偉強(アンドリュー・ラウ)
原 題  血滴子
英 題  The Guillotines
出 演
黃曉明(ホァン・シャオミン) 阮經天(イーサン・ルァン)
李宇春(クリス・リー) 余文樂(ショーン・ユー)
井柏然(ジン・ボーラン) 文 章(ウェン・ジャン)
金士傑(ジン・シージエ) 

<あらすじ>
雍正帝統治下の清朝。暗殺部隊<血滴子>は、「反清復明」(清朝を倒し明朝を復活させる)を唱える反逆集団の首謀者天狼(黃曉明)の抹殺を命じられる。冷(阮經天)は仲間を率いて出発。ところが途中でその中の一人穆森(李宇春)が捕らえられ、仲間も次々と殺され、自らも天狼の手中に落ちる。朝廷は親衛隊の海都(余文樂)に対し、時代の汚点である<血滴子>の殲滅を命じる。冷は、天狼のカリスマ的存在感と、最後の拠点での共同生活を通して、彼の覚悟を知る。

<感想など>(ラストに関するネタバレを含みます)
残酷この上ない内容であることは百も承知。覚悟を決めて(笑)観に行った。
彼らが扱う暗器は、タイトルのごとくターゲットの首に向かって宙を飛び、瞬時に命をとるギザギザ円盤。テロップによれば、残された史書にその記述はなく、伝説上の武器とのこと。時の為政者にとって都合の悪いことが書かれない(あるいは削除される)のは当然だろう。

実は、この暗器そのものにはあまり残酷さを感じなかった。瞬時に息の根を止めるスピード感が恐怖を遠ざけてくれ、残った遺体の映像がいかにも作り物に見えたからだ。剣や刀に比べるとリアリティははるかに低い。それより、<血滴子>のメンバーが命を落としていく場面の方が耐え難かった。紅一点の穆森が殴る蹴るの暴行を受けるシーンはひどすぎて怒りさえおぼえた。極めつけは衆目の前で繰り広げられるあの光景。ここまで暴力を積み重ねる理由が、果たしてあるのだろうか…。

終盤にさしかかると、神がかり的だった天狼の別の一面が表れる。次の為政者乾隆帝(文章)の掲げた政策基盤に、前皇帝の恐怖政治への戒めがあった、という解説からは、酷いシーンを多く挿入した意図が見えてくる。作品自体の目的を考えさせられた。

物語の真髄は、阮經天演じる冷の心理的葛藤にあるのだろう。アイデンティティの人一倍強い彼が、精神的暴力でねじ伏せられたまま成長し、あるとき突然本当の自分と向き合うことになる。そのきっかけとなったのが、敵である天狼との出会いだったのではないか。そう考えると、主人公は冷に思えてくる。

しかしながら、くるくる変わる表情と強い説得力で人々の心をつかむ天狼は、他の誰よりも存在感があって、観ている自分まで彼の虜になってしまった。まあ、黃曉明だからそういう心境になるのも無理はないが。(笑)一方、氷のような海都は、解説では悪役的扱いだったが、そうとも言いきれない。冷とは逆に「自分」を持とうとしない、時代が作り上げた人物像と言えそうだ。

眼を覆いたくなる残虐シーンの数々が、強い平和希求の手立てとして用いられているようにも感じられたが、作り手はどう考えているのだろう。


trackback

フライング・ギロチン(血滴子) :龍眼日記 Longan Diary

鑑賞寸前までなぜか張震(チャン・チェン)が出ていると勘違いしていた。 我ながら一体何を根拠に?? 鑑賞前に考えていた作品とは大きく違っていた。 それは本作が決して痛快アクション活劇ではないということ。 断っておくが決して悪い意味で裏切られたとは思っていない。 ただ武器としてのフライング・ギロチンの活躍を期待し過ぎてしまうと 期待はずれになってしまうかもしれない。 第5代皇帝...

コメント

新年快樂!

孔雀の森さん、こんばんは。
お邪魔するのがすっかり遅くなりましたが今年もヨロシクお願いいたします♪
2014年最初にお邪魔するのはやっぱり中華圏映画で、と決めていました。

この作品もっと娯楽大作なのかなと勝手に勘違いしていました。
シリアスな物語でしたね。
「ウオー・ロード」や「孫文の義士団」を思い出しました。
余文樂演じる海都は皇帝に忠実でおっしゃるとおり
時代が作り上げた人物像という感じでした。
冷には血滴子の兄弟がいる一方、海都には冷しかいなく、
それを冷にうまく伝えられずどこかもどかしげにも見えました。
私はフライング・ギロチン、怖かったです~。
あの手元でギュルンギュルン唸っている状態が特に。(笑)

新年快樂♪

sabunoriさん、こんばんは♪
今年最初のコメント、こちらに来てくださって嬉しいです!
恐ろしげなタイトルですが、かなりお気に入り作品なので。
こちらこそ、よろしくお願いいたします♪

>「ウオー・ロード」や「孫文の義士団」を思い出しました。
私もです。
本作品も含め、ピーター・チャンが制作に関わっているのを知り、
作品を通し制作側が主張する姿勢を感じた次第です。
映画製作の内側に疎いので突っ込んだことは言えないのですが。

私は海都のことをあまり深く考えていませんでした。
だからsabunoriさんの海都に対する分析にハッとして、もう一度
観て確認したくなりました。残酷な所は目をつぶって。(笑)
思い返せば、最後の方で彼の冷を見る目が潤んでいたような…。
もっと注意して観ればよかった…と、ちょっと後悔しています。

再鑑賞する際は、好きな俳優、気になった個所だけを重点的に、と
思っています。(我儘な私です:笑)
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