東京に来たばかり : 夢の国・亞洲文化宮

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東京に来たばかり

20131119

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2013年/日本・中国/1時間40分(劇場で鑑賞)
原 題  初到東京
監 督  蔣欽民(ジャン・チンミン)
出 演  倍賞千恵子  秦 昊(チン・ハオ)
     中泉英雄   張鈞甯(チャン・チュンニン)
     田 原(ティエン・ユエン) 

<あらすじ>
来日したばかりの吉流(秦昊)は東京の生活になかなかなじめない。故郷中国では天才棋士と呼ばれていたが、碁を打つ機会もない。ある日彼は碁石を誤って道にばらまいてしまうが、一人の行商の婦人に助けられる。彼女は五十嵐君江(倍賞千恵子)といい、千葉から農作物を売りに来ていたのだった。彼女は吉流のアルバイトの世話をしてくれた上、家に招いてくれる。その縁で孫の翔一(中泉英雄)とも出会い、徐々に交友関係が広がっていく。そんなとき、関東アマチュア囲碁選手権大会に出場するチャンスがおとずれる。

<感想など>
スクリーンに広がる風景は、今自分がどっぷりつかっている日本とは少し違って見えた。描かれているのは当然今現在の日本に違いないが、どことなく、しっとりとした古さが漂っている。

今回は映画制作の意図をあらためて考えさせられた。
監督の目から見た風景の中には、囲炉裏、和服、祭りといった日本の伝統が息づき、心根の優しい日本人が多く登場する。日本滞在中に、倍賞千恵子さん演じる老婦人のような人に世話になったのではないかと思えるほど、彼女に対しては敬意があふれていた。

一方で主人公が抱える戸惑いも正直に語られる。
カプセルホテルでのアルバイトでは、日本人授業員の叱責を受けるなど苦労も多い。ほのかな好意を抱いた同僚の女性(田原)が男性と一緒の場面を見て苦しんだり、囲碁選手権では対局が始まった後に参加資格が問われたり。日本で暮らす留学生が共感する場面も多いのではないだろうか。

そんな監督の実体験が映し出されるストーリーの中で、いくつかきいてみたいことがある。
その一つは、アルバイト先の同僚で、日本姓を名乗っている受付嬢の背景だ。彼女の日本語は吉流よりは上手だが明らかに外国人の話す発音である。まるで彼の前で日本人の振りをしているように見えるのである。後で「私は中国人なの」と泣く場面を見て、なぜ彼に中国語で話しかけなかったのだろうと、ふと思った。本音で語ることのできない複雑な背景を持つ人物なら、これ以上の深追いはやめよう

もう一つは、君江の孫、翔一が、重傷を負いながら病院へ行かなかった理由だ。事件隠しのためだとしてもあまりにも無謀で、観ているこちらが痛くなる。私は勝手に「不治の病で後が短いと知った彼の刹那的な人生」と思い込んでいた。碁を捨てたのもそのせいではないかと。彼の結末にはどうしても納得がいかない。

腑に落ちない点は多少あっても、監督の日本に対する想いの方に強く惹かれ、細かいあれこれは記憶の彼方になった。日本の良さを伝えたいという気持ちが、観客としてはとても嬉しい。このような友好につながる製作もまた、目的の一つなのだと思った。

<追記>
倍賞千恵子出演作をスクリーンで観るのはたぶんこれが初めてだろう。凛とした君江さんが大好きになってしまった。後日TVの寅さんシリーズで、だいぶ若い時の倍賞さんに会えた。優しい物腰の中にキリリとした姿勢が見えて、とってもステキ。中国でファンクラブ発足というエピソード、わかる気がする。

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