ティエダンのラブソング : 夢の国・亞洲文化宮

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ティエダンのラブソング

20131014

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2012年/中国/1時間31分(しんゆり映画祭で鑑賞)
監 督  郝 杰(ハオ・ジェ)
原 題  美姐
英 題  The Love Songs Of Tiedan
出 演  馮 四(フォン・スー) 葉 蘭(イエ・ラン)
     葛 夏(グー・シア) 馮 雲(フォン・ユン)
     杜煥栄(ドゥ・ホアンロン)
<あらすじ>
1960年代半ばの中国。8歳のティエダンは隣家のメイおばさん(葉蘭)に恋心を抱いていた。しかし文化大革命で民俗歌謡劇の「二人台」が禁止され、歌い手のメイは家族と共に村を去ってしまう。

時がたちメイ(杜煥栄)一家が帰郷。ティエダン(馮四)とメイの長女(葉蘭)はたちまち恋仲になる。ところが彼女は内蒙古への嫁入りが決まり、ティエダンは半狂乱に。彼はメイの二女(葛夏)と強制的に結婚させられるが、ある夜「二人台」に飛び入りしたのをきっかけに一座に加わり、彼女をおいて村を出る。

実力を買われたティエダンは副団長に昇進。そこへメイの三女(葉蘭)が親の反対を押し切ってオーディションを受けにくる。

<感想など>(ラストに関するネタバレを含みます。)
劇場でもらったチラシに「さながら中国版『モテキ』」とあった。では主人公ティエダンはモテ男か?と、先入観を抱いて鑑賞開始。最初の、隣のお姉さん(?)メイとのやりとりには、あやす、あやされる、の関係性を越えた、濃密な妖しさが漂っていた。

その後彼は、メイの長女、次女、三女と、それぞれ違う形で関わることになる。女形フーフーとの関係も見逃せない。(笑)言葉の不自由な次女との結婚は、当初は先行き不安だったけれども、やがて娘が生まれ、幸せな生活を想像させるところで物語は終わる。メイの血は確実に後世に受け継がれていくのだ。ティエダンの原点がメイにあることを意識させる演出、構成は興味深い。

そんな彼の女性遍歴(笑)と並行して描かれているのが「二人台」の歴史だ。
「二人台」とは中国西北部に伝わる民俗歌謡劇。男女の掛け合いで物語が展開する。前半で、メイとティエダンの父が舞台で歌う場面からは、身近な人々の娯楽、という雰囲気を感じた。また、幼少時から父が歌う姿を見て育った彼は、歌が生活の一部になっている。切り立った崖に感情の塊が突き刺さり、跳ね返るシーンは圧巻。青年期にはすでにプロ並みの実力を持っていたようだ。

やがてティエダンは旅回りの一座に加わる。人々が、去っていく旅役者たちを追うシーンから、各地で絶大な支持を集めているのがわかる。こうして興行収入を上げていった一座は劇場を構え、オーディションで役者を集めるまでになる。現代の劇団の形といえるのだろう。

メイへの憧れと別れ、長女との密な関係と別れ、二女との結婚生活、三女の猛烈なアタックと義兄としての対処。劇団の発展にともない、彼自身も成長していく。見た目は決してイケメンではないが、彼は子供のころから女性の心を惹きつける何かを持っていたのだろう。それは父から受け継いだものかもしれない。ねじ伏せられても、理不尽なことがあっても、彼は自分の歌を貫いて生きてきた。そうした人々の紆余曲折を経てきた「二人台」。生の舞台を観たい思いにかられる。

上映後は東京フィルメックスプログラムディレクターの市山尚三氏を迎えてのトークイベントが行われた。まず、葉蘭が、若き日のメイ、長女、三女の三役を演じたと聞いてびっくり。さすが女優さん、それぞれ全く違うキャラクターだった。予備知識がなくてよかった。また、ティエダンを演じた馮四は年齢設定に無理はあるが、「二人台」のプロであることを優先してキャスティングしたとのこと。これは成功と言えるだろう。20代にはさすがに「アレ?」と思ったが、最後の方は年相応に近づいて味が出ていた。

本作は昨年の東京フィルメックス映画祭で上映され、今回は2回目。中国での上映は今月18日からとのこと。諸事情で本国での上映が遅れたらしい。昨年の同監督による『独身男』も面白く、今後の郝杰監督には期待大!!中国の伝統的な芸術や習慣、人間模様を扱った作品を是非観たい。

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