台湾アイデンティティー : 夢の国・亞洲文化宮

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台湾アイデンティティー

20130812

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2013年/日本/1時間42分(劇場で鑑賞)
監 督  酒井充子
出 演  高菊花さん
     黄茂己さん
     鄭茂李さん
     呉正男さん
     張幹男さん
     宮原永治さん

<内容・感想など>
2009年の同監督『台湾人生』の続編ともいえる作品。あらためて日本が台湾を統治していた時代を年表で確認してみると、1895年(明治28年)から1945年(昭和20年)までの、ほぼ半世紀だったことがわかる。今回登場しているのは、1922年から1932年の間に生まれた、80代から90代の方々。日本人として生活し、日本兵として戦ったが、ある日を境に日本人ではなくなった人々だ。さらに国民党の抑圧、白色テロと、苦難の人生が続く。

登場する方々は、それぞれ台湾、日本、インドネシアと、住む地域を異にし、境遇も異なる。しかしアイデンティティーを語る胸の内が苦渋に満ちていることは共通していると思う。かつて『台湾人生』で「棄てられた」ことへの憤りを思い切りぶつける方々がいたように、今回の皆さんも、そういう気持ちを持っているに違いない。しかしそれぞれが、カメラを前に、そういう激しさを心の奥に秘めつつ、自分自身を肯定しながら生きてきたようにも見える。

妹さんとともに出演した高菊花さんは、白色テロでお父さんを亡くし、さらにうその自白証書に署名させられるなど、その人生は苦労の連続である。しかし力強い口調で語られるのは、「苦難があったからこその充実した人生」という限りなく前向きな姿勢だった。

横浜在住の呉正男さんは、北朝鮮で敗戦、中央アジアで抑留生活を経て、恩人の住む日本に行く。当時の台湾は白色テロの時代で帰国できなかったとのこと。日本の大学を出て日本で就職し日本の伝統行事に参加している呉さんだが、帰化申請は受理されない。そんな理不尽を、呉さんは笑い飛ばしているかのようだ。実際には複雑な思いがあるに違いないが、それらを受け流すようなしなやかさを見ると、雲の彼方の偉大な人物に思えてくる。

ガイドの会社を立ち上げた張幹男さんは、反乱罪で火焼島の収容所で8年を過ごしたという。国民党の圧政に対して怒りをあらわにする張さんは、台湾自体の独立を強く主張、その訴えかける口調には圧倒される。台湾内外を問わず、政治に関心のない人々への警鐘に聞こえた。

登場する皆さんの流暢な日本語の合間に、監督の問いやうなずきが流れていく。話を引き出す、というよりは、身内の立場だったり、あるいは異国の何も知らない世代だったりと、距離感を微妙に調整しながらの姿勢に感じられた。一貫しているのは苦労を重ねた年長者に対する、限りない敬服の気持ちだと思う。

観終わった今も、各方々の力強い言葉と、決意を秘めた表情、そしてあふれ出る涙などが次々と頭に浮かんでくる。まだまだ勉強が足りない、知るべきことは山ほどあるのだと、謙虚な気持ちにさせてくれる作品だった。

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