鉄西区 第3部 鉄路 : 夢の国・亞洲文化宮

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鉄西区 第3部 鉄路

20130520

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2003年/中国/2時間10分(劇場で鑑賞)
監 督  王 兵(ワン・ビン)

<内容・感想など>
本作上映前にトークショーがあると聞いて出かけた。講演者は1931年生まれの澤田武彦氏と1935年生まれの天野博之氏。最初に天野氏から、中国東北部の歴史的背景について、丁寧に作られたレジュメに沿った話をお聞きした。話題は主に満鉄(南満州鉄道株式会社)設立から経営にいたる過程で、設立当初政府が乗り気ではなかったという事情は意外だった。

次に鉄西区で小学校時代を過ごしたという澤田氏から当時の街の様子をお聞きした。本作に映る街は当時と変わらないところが多いが、撮影から10年以上たった現在の状況をグーグル・アースで見ると、様変わりが激しいとのこと。それは中国全体の変化ということでもあるのだろう。この年代の方々の話が聞ける、貴重な機会だった。

本作では、主に2000年から2001年までの、瀋陽鉄西区を走る鉄道と周りの人々が映し出される。かつて工場の最盛期には多忙を極めていた鉄道だが、この時期にはほとんど役割もない。生活の基盤を失った鉄道員たちは、線路付近での鉄くず売買で一時の糧を得る。休憩所でたわいもない話をしたりゲームに興じたりする姿には、退廃ムードが漂っていた。彼らの多くは1960年代生まれ。教育を受ける年齢がまるごと文革と重なることから「文革っ子」と自分たちを称し、大学なんて行けるわけがねえ、と吐き捨てる姿が眼に焼きついて離れない。私は彼らと同年代だ…。

中盤からは、一組の父子の話が中心となる。鉄道休憩所に時々顔を出す年配の男性と17歳の息子は、許可のない狭い空間に住んでいる。あるとき父親が泥棒の罪で捕えられ、釈放までの約1週間、息子は不安を抱えて待ち続ける。家族写真を一枚一枚見るうちに、彼の目に涙があふれ、とめどなく頬を伝う。そしてついに父親と再会。食堂で酔いつぶれた少年は、父親に謝るかと思うと体当たりするなど、抑え込んでいた心が一気に爆発。小さな父が大きな息子を背負う姿にはこちらも涙…。

ああ、これはドキュメンタリーなのだ、とあらためて思った。

本作では「東方紅」マークの機関車がガタゴト走る風景が、自分的にはとても楽しめた。電車の一両目に乗って、果てしなく続く(と思っていた)線路を飽きもせず眺めていた幼少期に返った気分である。あのころと違い、この線路はすぐに終点に来てしまうのが残念ではあるが。汽車は踏切に差し掛かると減速、踏切係員が遮断機のそばで車や通行人を止めているが、そこを突っ切る車も何台かあって、ヒヤリとした。いつの間にか自分も乗っている感覚になっていた。連結場面の振動が伝わってきたときに、その場面をぜひ観たい、と思ったら実際最後の方で見せてくれたので、嬉しくなった。

130分という上映時間は、第1部の240分、第2部の175分に比べると短いけれど、やはり鑑賞後の疲労は大きかった。未見の第1部は、今回もお預けになりそうだ。

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