最愛 : 夢の国・亞洲文化宮

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最愛

20121221

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2011年/香港/1時間40分(《冬の香港傑作映画まつり》で鑑賞)
監 督  顧長衛(グー・チャンウェイ)
原 題  最愛
英 題  LOVE FOR LIFE
原 作  閻連科『丁莊夢』(谷川徹訳『丁庄の夢』)
出 演  郭富城 (アーロン・クォック)  章子怡(チャン・ツィイー)
     濮存昕(プー・ツンシン) 陶澤如(タオ・ザール)
     蔣雯麗(ジアン・ウェンリー) 孫海英(スン・ハイイン)
     王寶强(ワン・バオチアン) 

<あらすじ>
僕は、道端に落ちていた毒入りトマトを食べて死んでしまった。まだ12歳だった。HIV感染が蔓延したこの村で、売血のリーダーだったお父さん(濮存昕)は、深い恨みを買っていたのだ。責任を感じたおじいちゃん(陶澤如)は勤め先の小学校を開放し、家で厄介者扱いされている感染者の面倒を見ることになった。お父さんの弟、つまり僕のおじさん(郭富城)もその中の一人だ。ある日、おじさんのいとこのお嫁さん(章子怡)が来て、二人は急接近。そんな中で泥棒騒ぎが起こる。

<感想など>
公機関を通じての売血が原因で、「エイズ村」と呼ばれることになった地域が舞台である。

原作を三分の二まで読んで鑑賞。亡くなった少年の語り、幻想的な雰囲気、弦の音色と歌声に、原作を「観ている」感覚になった。鑑賞後に続きを読むと、映画、原作の両方が頭の中で混ざり合って不思議な気分。映画の予備知識を仕入れた上で読んだからだろう。恋人となる二人の顔は、完全に郭富城、章子怡。でも濮存昕は想像外だった。

さてその濮存昕。善人のイメージしかないこの人が、見事なまでに酷い人物になりきっていた。濮存昕と知らなければ気付かなかっただろう。役作りのためか、今までより一回り大きくなっていた。横になでつけた長めの髪からは、脂ぎった臭いが漂ってくるようだ。近づかないで!と言いたくなる。さすが役者だ。

そのほかにも、役者魂のぶつかり合いには目が釘付けだ。33歳の章子怡は約10歳若い役柄を、そして、47歳の郭富城は何と20代後半の役柄を、ごく自然に演じているのだ。機関車の前を突っ走る彼は、完全に若者である。また、死の淵で喘ぐ男と、水で冷やした体で男の熱を下げようとする女の肉弾戦は、凄まじいとしか言いようがない。最初出会った当時は、互いに配偶者から相手にされない寂しさと溢れるばかりの肉欲で、結ばれたとしか思えなかった二人。しかし時間がたつにつれ、互いにかけがえのない存在となっていく。どちらが先に死ぬか、という問答は重かった。彼らよりも長い時を生きる観客にとっても、考えさせられるテーマだった。

関連サイトによると、監督は150分の長さを100分にしたのだという。濮存昕演じる長男の部分を大幅にカットしたというのが、非常に残念。売血、棺桶商売、さらに死者同士の結婚斡旋(この部分は原作)で儲けに儲けた悪徳業者の顛末はあまりにも酷く、スクリーンで晒すわけにはいかない、ということか。結果的に映し出されたのは、重い、重い、ラブストーリーである。

最後に。感染しなかった長男だが、結局社会の風潮に全身を汚されたのだなあと思うと、暗澹たる気分になった。これは原作の読後感でもある。

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最愛 :龍眼日記 Longan Diary

「香港映画まつり」でこの作品を上映することに疑問が沸いているのは私だけだろうか。 どう考えても「中国(大陸)映画」で「香港映画」とは思えない。 (それでも香港映画らしい

コメント

これ香港映画なんですか。ビックリ!

孔雀の森さん、こんばんは。
原作を読まれたのですね。とっても興味深いわー。
あのあまりにもひどい長男について原作では更に詳細なエピソードがあるのですね。
死者同士の結婚斡旋・・・あれも商売にするわけですか!
死んだ自分の息子までも商売に利用するあのエピソードには
かなり気分が悪くなりました。
あの長男の行く末、とても映像にできないというのは一体!?
でもそれだけのことをした因果応報ということなのでしょうか。
あの長男役の方、私はよく知らない俳優さんでしたが嫌な役どころをうまく演じていましたよね。

別の企画でお願いしたいです。

sabunoriさん、こんにちは♪
たしかに「香港映画」ではないですね。
こうせざるを得ない背景があるにしても、「香港映画まつり」に
組み込むことには違和感大アリ、です。
自ブログのカテゴリーも最近とてもやりにくく、かと言って今さら
大がかりな工事をするのも面倒で「○○映画」のままなんですが…。

さてこの作品、後味はあまりよくないですね。
小説では、独特の文体であること、また故人の語りで展開することで、
汚れやいやらしさが緩和された印象でした。
私の感想はその影響を受けていると思います。

>でもそれだけのことをした因果応報ということなのでしょうか。
そう言えると思います!sabunoriさんの想像通りかも知れません。
父は息子を心から思っているのに…。

濮存昕は『こころの湯』『スパイシー・ラブスープ』などで
観たことがあり、大好きな俳優さんです。
(ひそかに「プー様」と呼んでます:笑)
おっしゃるように、憎々しいキャラの演技、光っていましたね。
今度は素敵な役をお願いしたいです。
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大切に♪

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