鉄西区 第2部:街 : 夢の国・亞洲文化宮

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鉄西区 第2部:街

20121202

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2003年/中国/2時間55分(『中国映画の全貌2012』で鑑賞)
監 督  王 兵(ワン・ビン)
原 題  鉄西区
製 作  珠 珠(ズゥ・ズゥ)

<内容・感想など>
第1部、第3部未見での鑑賞。舞台は中国東北部の鉄西区と呼ばれる工業地帯で、10年も前のドキュメンタリーである。冒頭の宝くじ販売のシーンは、新たな時代の到来を感じさせながら、不安もよぎる。家電をゲットした一人の男性は、威勢のいい販売員のインタビューに対し、10年以上無職だと平然と言うのだ。喜びを表すそぶりも控えめだ。ほどなく、にぎわっていた広場は、荒涼とした空地になってしまう。その次からが主題となる内容なのだが、なぜかこの冒頭シーンが一番印象に残っている。

『艶粉街<イェンフェンジェ>』の名に聞き覚えがあり、随分前に艾敬<アイジン>のCDアルバム『艶粉街の物語(艶粉街的故事)』を買ったのを思い出した。この中では、彼女が育った艶粉街が、透き通った歌声で語られている。「大人たちは生きていくので精いっぱい」というくだりは、時代は違っても今回の映像とだぶるところがある。「ここにもビルがつぎつぎに建つのでしょうか」という歌詞は、まさにこの作品で問われている内容そのものだ。

もう一つ思い出すのが、数年前に鑑賞した『北京の自転車』である。オリンピックを前に北京の古い街並みが解体される中、大人の期待をよそに遊び暮らす高校生の姿が印象的だった。あのときの高校生が、今回の「その日暮らし」的な若者と重なって見える。国の描く明るい未来が、国民にとっては必ずしも明るくならない、という矛盾を描いた点で共通していると思った。

さてそうした若者たちである。10代後半の子どもたちが、毎日つるんで遊びほうけている。部屋でゴロゴロしたり、ナンパに夢中になったり、あるいは喧嘩したり…。時間の無駄遣いをしているようにしか見えない子がたくさんいる。父親世代に無職の人が多い現状で、彼らに仕事を探せというのは無理難題なのかもしれない。そんな中、再開発計画のもと、移住の強制、建物の取り壊しが行われる。移転費用に納得のいかない住民は立ち退きを拒否、電気も止められた中で苦しい生活を強いられる。

3時間近い上映時間のほとんどは、曇り空の下に広がる埃っぽい街並みや住居、人々の苦しそうな表情、動き、訴えなどで占められている。ドラマティックな展開があるわけでもないのに見入ってしまうのはなぜだろう。事実の重みに引き寄せられるからだろうか。人々の絶え間ないせきが、鑑賞からだいぶたった今も耳について離れない。

機会があれば今回見逃した第1部、3部を観たい。今回10年も前の映像が古いとは思えなかったのだが、果たして今後、どんな印象を持つだろうか。その前に実際に「鉄西区」という場所、<艶粉街>をこの目で見てみたい。

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