オロ : 夢の国・亞洲文化宮

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オロ

20120818



2012年/日本/1時間48分(劇場で鑑賞)
監 督  岩佐寿弥
出 演  オロ  ワンチェン  ラモ・ツォ
     ダドゥン  ラモ・ドルマ  モゥモ・チェンガ
     ツエワン  岩佐寿弥

<あらすじ>
オロは6歳の時チベットから亡命し、今はインドのダラムサラで学ぶ。寄宿舎は、チベット亡命政府管理下の「チベットこども村」にある。保護者的立場にいるのは初対面だった叔父で、彼の生活や成績には厳しい。同級生のダドゥン、ラモ・ドルマ姉妹は彼のよき遊び仲間だ。彼女たちの父親は映画監督で、今は刑務所にいる。家計はパンを売る母親が支えている。
冬休みには監督、監督の友人ツエワンと共にネパールのポカラへ旅行した。10年前監督が撮った映画に出演したモゥモ・チェンガと、息子夫婦、3人の孫が彼らを温かく迎えてくれた。オロは辛い体験を話し始める。

<感想など>
出演者たちの制作側に対する信頼がうかがえる作品だった。本来NGとしてカットされるような、オロの読み間違うシーン、何度も階段を上り下りする様子など、生の制作現場も多く見せている。このように展開に変化を持たせているからか、最後まで集中が途切れなかった。

話の筋だけ追えば「一少年の過酷な体験記」と言えよう。しかしオロ少年の屈託のない笑顔には、こちらも自然に頬が緩む。オロの友達やその母親の生活も、苦しいに違いないが、彼女たちはポジティブで力強い。結果的には観る者が励まされ、彼らのことがどんどん好きになっていく。これは監督の気持ちでもあるのだろう。

その監督が、後半オロとともに旅に出る。白髪で温和なその人は、風景や人々にすっかりとけこんで、映画を撮っている人には見えないのである。バスの中で寄り添う二人はまるでおじいちゃんと孫のようだ。ネパールで出会う人々も、彼らと家族同然に接している。三姉妹がオロに辛い体験を語らせるところは、やや演出気味だったが、これも彼が今後生きていくための試練である思えば、肯定的にとらえることができる。互いの出会いが、未来に向けプラスに働いているように感じる展開だった。

いつもスタッフの動きを細かく観察しているのだろう。旅の途中、オロがカメラを覗き込んで監督になりきってはしゃぐ場面がある。また、棒を操ってカンフーの動作をまねる。照れながらの歌はなかなかうまい。彼の中に無限の将来が見えてくる。彼同様、どの子どもにも等しく未来は開けていなければならないのだと強く思う。

年長者である監督、モゥモ・チェンガに、オロは濃やかな気遣いを見せる。こんなふうに、彼は子どもらしい笑顔の奥に、時折大人の一面が顔をのぞかせる。彼がこれまで封印してきた幼かった日々を思い、胸が痛んだ。

ところで、オロ以上に印象に残るのが、映画監督を待ち続ける女性だった。夫の無実を主張する彼女の眼差しは、相手の胸を一突きするほどの鋭さだ。二人の娘が母を見る目は尊敬にあふれている。家族がそろい、彼女の眼差しが柔らかくなるのはいつになるのだろう。

子どもが真に子どもらしく生きられる社会。
子ども村の子どもたちが家族と共に暮らせること。
このような希望が一日も早く実現しますように。

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