シュトヘル 1~6巻 : 夢の国・亞洲文化宮

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シュトヘル 1~6巻

20120712

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著 者: 伊藤 悠
出版社:小学館
刊 行:2009年~2012年

<6巻までのあらすじ>
13世紀初旬の中国大陸。蒙古軍ばかりを狙う女兵士「シュトヘル」は、その残虐な手段から人々に恐れられていた。彼女のターゲットは仲間を惨殺したツォグ族のハラバルで、まず弟ユルール(ツォグ族の中で育ったが実はモンゴルの子)に接近。しかし彼から西夏文字を習ううちに、その文字に対する愛着がわき、ユルールがかけがえのない存在になる。後に彼女はハラバルに処刑される。

現代の日本。高校生の須藤は毎夜戦場の夢にうなされて起きられず、学校も休みがちになる。ある日転校生のスズキを自宅に泊めたのを機に、彼女の導きで過去に飛び、シュトヘルの肉体に転生する。

スズキと瓜二つのユルールは「シュトヘルが甦った」と大喜びするも、別人とわかりガックリ、彼(彼女?)を「スドー」と呼ぶ。スドーは、西夏文字が刻まれた玉音同を宋まで運ぶ旅に同行するうちに、体内に宿るシュトヘルの存在が日に日に強くなっていくのを感じていた。

金国将軍ジルグスは、玉音同が蒙古軍との取引材料になると考え、ユルール一行を拘束。その間ユルールは兄以外のツォグ族が殲滅したと聞かされる。やがてジルグス、ハルバルの一騎打ちが始まる。(未完)

<感想など>
現代と13世紀の大陸とのギャップが大きすぎるのと、台詞がすぐに呑み込めないのと、場面展開が早すぎのとで、1度読んだだけでは理解不能。そこで通して2回読むことに。

自分が日常使っている文字が滅びるなんて、考えたことがあっただろうか。他国の文字を抹殺しようとする背景を、理解することなどできるだろうか。答えはどちらも「否」。時代ものに触れる機会が多い中、文字をテーマとした作品はこれが初めてだ。

物語はシュトヘル(スドー)、ユルール、ボルドゥ(元西夏番学院の官僚)を主軸に、ハラバル、旅の途中で出会うアラビア商人、ユルールの実父とされる大ハンらが脇を固めながら進んでいく。西夏文字を守ろうとするのが、その国と敵対するモンゴルの少年で、彼に影響を与えたのが西夏人の異母というのが、特筆すべき背景と言えそうだ。わずか10歳の少年の、文字を守り抜こうとする意志には圧倒される。

「シュトヘル」が文字の存在を知り、覚えていく過程にも興味をそそられる。私からみれば、物心ついたときから習得すべきものだった文字。あるのが当たり前で、そのありがたさなど考えたこともなかった文字。だから、亡き友の名を文字で書ける彼女の喜びや、伝達手段として尊ぶ姿勢には、あらためて教えられた気持ちだ。

一方で、西夏の文字を滅ぼそうとする大ハンの背景もまた過酷で、想像に絶する思いだった。背中に一生消えない文字を焼き付けられ、その屈辱から残虐な殺戮を開始した状況からは、文字の持つ力を考えさせられる。まるで「文VS武」の物語に見えてくる。

さて、ユルール一行は無事に成都までたどり着けるか、というのが目下の関心事。だが障壁は無数にありそうだし、たどり着いてそれで完結というわけでもないだろう。スズキは今どうしているのか。スドーの中のシュトヘルはいつどのように出現するのか、大ハンとユルールの対面はいつ?新たな登場人物は?などなど興味は尽きない。ともかく次回の展開を期待して待つとしよう。

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