2014-11 : 夢の国・亞洲文化宮

スポンサーサイト

------

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

北北東

20141108

dongbeipianbei.jpg

2014年/中国/1時間53分(東京国際映画祭で鑑賞)
監 督  張秉堅(チャン・ビンジエン)
原 題  東北偏北
英 題  North by Northeast
出 演  
班 賛(バン・ザン) 李 濱(リー・ビン)

<あらすじ>
1970年代末。中国東北部の農村で連続レイプ事件が発生。警察の李隊長(班賛)は犯人逮捕に向け、靴型を取ったり部下を配備したりと奮闘するが解決に至らない。一方、村一番の種付け名手、蔡(李濱)は中国医学の知識を生かして推理を試みる。そんなとき、婚約中被害に遭った女性が離縁され自殺未遂するという事態が起こる。李は村内外から応援要員を募り、深夜に待ち伏せする計画を立てる。

<感想など>
1970年代末といえば遠い昔で、映し出される風景も前近代的である。でも物語自体には新鮮味を感じた。中でも「滑稽で失敗続きの警官」というキャラクター設定は珍しく、老婦人とのかけあいも楽しめた。追う側をあざ笑うかのような犯人の行動と周囲の反応が、事件の凶悪さを和らげている。

李隊長の捜査に何かと文句をつける蔡コーチ。文革中この地に下放された、いわば「よそ者」なのだが、牛の種付けで成果を上げた今は長老の風格だ。「コーチ」の呼称が人柄を表していると思った。すでに名誉回復も果たして都会で教授の身分も保証されながら、凶悪犯が捕まらないことには村を離れられない。李隊長とは丁々発止のやり取りを繰り広げるが、その裏には若者に対する深い愛情がうかがわれた。

犯人は俊足である。暗闇の中でうねる背中の筋肉が飢えた野獣を思わせ、お腹が突き出た李隊長とは正反対。観ている自分の方が、半ばあきらめてしまっていた。身の丈もある草むらを疾走する姿に、一体どんな奴なんだ?と好奇心がうずく。さてその犯人が明かされた時は、狂気をはらんだ彼の言動に身が凍りついた。蔡と李がドラマの中心だが、この人物も要必見。最後まで謎が解き明かされない展開はスリリングだった。

ラストシーンからは、科学的根拠を追及してきた彼女が、李隊長の愚直な捜査も認めている様子がうかがわれた。

蔡コーチ役の李濱は85歳で現役。中国の役者では最高齢とのこと。牛を追い回したり夜道を走ったりと、身体を張った演技に魅了された。背筋をぴんと張って闊歩する姿は本当にかっこいい。新たな作品に出演するなら彼女目当てで鑑賞しよう!!

スポンサーサイト

メルボルン

20141103

メルボルン

2014年/イラン /1時間31分(東京国際映画祭で鑑賞)
監 督  ニマ・ジャウィディ
英 題  Melbourne
出 演
ネガル・ジャワヘリアン マニ・ハギギ
ロウシャナク・ゲラミ シリーン・ヤズダンバクシュ

<あらすじ>(ラストに関するネタバレを含みます)
オーストラリアへの移住を控えたアミル(マニ・ハギギ)、サラ(ネガル・ジャワヘリアン)夫妻。今日は故国イランを発つ日である。そんな中、サラは他家のベビーシッターから少しの間乳児を預かってほしいと頼まれる。しかしいつまでたっても迎えは来ない。やがて、ベッドに寝かせていた乳児が息をしていないのを、夫のアミルが発見。そこへ乳児の父親がやってくる。

<感想など>
最初はどんな物語なのか全く見当がつかなかったが、ストーリーが動き出すと目が離せなくなった。久しぶりに集中した。場面のほとんどは室内で、台詞も夫婦の対話が中心、時間的には1日弱と、設定の範囲は限られている。でも内容は極上のサスペンスだ。

預かった乳児の突然死。さあ、あなたならどうする?彼らはどんな決断を下すのか?作品は、観る者に終始問い続ける。

夫のアミルはひたすら隠す。父親が来ても真実を話さず、時間稼ぎをする。一方、妻は良心に従って真実を話すべきだと主張。夫婦の溝はますます深くなっていく。夫は乳児を預かった妻を、妻は隠ぺいしようとする夫を非難する。

こんな事態になっても、移住の準備は着々と進められていく。さて、彼らは出発するのか、それとも…。

夫婦の会話と、鳴り響く電話の呼び出し音。固定電話の線を外してからは携帯電話がひっきりなしに音を立てる。とにかく目まぐるしい。落ち着かない。

ドキリとした展開が2つあった。1つは妻が流しを洗っている場面だ。まさか水道管に…と、あることを想像した。もう1つは、夫妻が車に乗り込んだ後、周囲の車が警察車両に見えたことだ。こういう観客の反応は、想定内かもしれない。では、冒頭の国勢調査の回収員をどう解釈したらいいのだろう。私は、彼女が鍵を握っているのではないかと、最後まで思っていたのだ。空振りしたような気分だが、監督の意図は何だったのだろう。

Q&Aのコーナーでは、監督が仲間の子供を預かった時に、今回の設定を考えついたと話していた。聞いただけではとても映画になりそうもない題材だが、夫婦関係の変化だけでなく、子の父親の家族背景、夫の母の吐露なども、重層な作品に仕上がる要素になったと思う。

結末を描くことなく、映画は終わる。
観客に任せたこのラスト、みんなはどう予想するだろう。
ちなみに私は、彼らは飛行機に乗れなかったと思うのだが…。
プロフィール

孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

カレンダー
10 | 2014/11 | 12
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
最近のコメント
カテゴリー
最近のトラックバック
最新の記事
リンク
ブログ内検索

Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。