2013-03 : 夢の国・亞洲文化宮

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人間(じんかん)万事塞翁が犬

20130330

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2012年/台湾・日本/1時間49分(劇場で鑑賞)
監 督  李天爵(リー・ティエンジュエ)
原 題  命運狗不理
英 題  Legend of The T-dog
出 演  王柏傑(ワン・ボージエ) 林若亞(リン・ルォヤー)
     黑 莓(ブラックベリー) 豬頭皮(チュウトウピー)
     小 柯(シャオクー) 袁艾菲(ユェン・アィフェイ)
     丫 頭(ヤートゥ) 邱彥翔(チウ・イェンシャン)
     蘇 達(スーダー)

<あらすじ>
病院勤務のアドウ(ワン・ボージエ)は好青年ながら不運に見舞われ損ばかりしている。憧れのライ医師(林若亞)にはずっと片想いのままだ。そんな彼の元に一匹の黒い犬(黑莓)がやってきた。黒皮(ハッピー)と名付けられたその犬は、今まで劇団員、富豪、タレントなどと暮らしてきたが、49日目に必ずその飼い主たちに不幸をもたらしてきた。さて、アドウは可愛い黒皮とずっと暮らしていけるのだろうか。

<感想など>
王柏傑クンといえば私の中ではとんがったイメージだったので、本作の頼りなさそうな青年と、すぐには結び付かなかった。でも彼が演じるアドウという主人公、話が進むにつれ、しぶとさも垣間見えてくる。そして最後はやっぱり王柏傑クンだった。(笑)

実は途中ウトウトしてしまい、占い師みたいな、詐欺師みたいな、胡散臭い男の詳細が一部頭から抜けてしまっている。49日目の不幸はその男の仕業?と疑いたくなるような不気味な行動が気になった。一方で、キューピット的人物も現れる。やっぱり人生わからない、と理解しておこう。

一つはっきりしているのは、黒皮(ハッピー)の演技がほんとうに素晴らしいこと。
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人にすり寄っていく仕草が可愛くて、思わずなでなでしたくなった。飼い主を慕って救急車を追う場面、タレントと一緒に写真に納まる場面、などなど、人を惹きつける名演に心の中で拍手していた。そして予測される自分の不運より犬を選んだアドウにも!

終わってみると、「人間の幸不幸は予測しがたい」意味の邦題に、なるほど!と思った。<ハッピー>の由来が三国志演義で劉備が乗った的蘆(てきろ)である(馬と犬の違いはあるけれどね)とか、黄石公と張良のエピソードだとか、コミカルな展開の中で歴史のお勉強もできてよかった。(笑)あまり印象に残る作品ではないけれど、こんな気持ちいいハッピーエンドならDVDの再鑑賞もアリかな。

レディースデイの初回、たぶん5人くらいしかいなかったと思う。49枚用意されていたというお守りもしっかりゲット。1週間限定の公開で、観客動員はどうだったのか、気になるところ。

ところで劇場のポスターで『GF*BF(女朋友。男朋友)』の上映を知った。5月24日(金)〜26日(日)/31日(金)〜6月2日(日)にシネマート六本木で開催される(アジアンクィア映画祭)の中でとのこと。やった!

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歩歩驚心

20130323

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2011年/中国/全35話
監 督  李国立(リー・クォックリー)
原 作  桐 華(トン・ホワ)
邦 題  宮廷女官 若曦(ジャクギ)
出 演
劉詩詩(リウ・シーシー) 吳奇隆(ニッキー・ウー) 鄭嘉穎(ケビン・チェン)
袁弘(ユアン・ホン) 林更新(ケニー・リン) 劉心悠(アニー・リウ)
劉松仁(ダミアン・ラウ) 戴春榮(ダイ・チュンロン) 張雷(チャン・レイ)
石小群(シー・シャオチュン) 韓棟(ハン・ドン) 葉祖新(イエ・ズーシン)
劉雨欣(エンジェル・リウ) 郭珍霓(グオ・チェンニー) 葉青(イエ・チン)
郭曉婷(グオ・シャオティン) 曹馨月(ツァオ・シンユエ)

<あらすじ>
21世紀の現代。張暁(劉詩詩)は道路に飛び出して車に衝突。目を覚ますとそこは18世紀清朝の時代だった。馬爾泰若曦(劉詩詩二役)という自分と瓜二つの女性になりかわり、第八皇子(鄭嘉穎)の屋敷に、彼の側室である姉若蘭(劉心悠)と暮らしていた。彼女は持ち前の明るさから第十皇子(葉祖新)、第十三皇子(袁弘)、第十四皇子(林更新)らと意気投合する。

やがて若曦は宮女として康熙帝(劉松仁)に仕える身となる。第八皇子とは相思相愛の間柄に。しかし歴史を知る若曦は、自分より皇位を優先する彼に絶望し、別れを告げる。宮廷内は第八皇子側と、第四皇子(吳奇隆)側が緊張関係にあった。皇帝は兄弟の確執に心を痛める。

若曦はいつしか第四皇子と愛し合うようになる。しかし第八皇子が敷いた布陣により第四皇子側は窮地に立たされ、味方の第十三皇子は10年の幽閉生活を余儀なくされる。皇太子(張雷)廃位後の康熙帝は第十四皇子に目をかけ、若曦との婚儀を言い渡す。だが若曦は拒否、洗濯場送りとなる。

康熙帝は生前、第四皇子と徳妃(戴春榮)に「後継は第十四皇子に」と告げていた。ところが崩御寸前、側近が「第四皇子が後継者という遺言を聞いた」と証言、雍正帝の即位が決定する。

<感想など>(ラストに関するネタバレを含みます)
はじめのうちはBSジャパンで観ていたが、途中でネット視聴に切り替え、怒涛の勢いで突っ走った。(笑)

「宮廷宮女~」の邦題からまず連想したのは、レンタルショップの一角を埋め尽くす韓流ドラマのパッケージ。本作も目に留まるようにこの邦題にしたのだろうか。ただ「ジャクギ」のぎくしゃくした語感よりも、北京語発音の「ルオシー」の方が可愛くていいのに、と思う。また、「日に日にビクビクした気持ちが強くなる」意味合いをもつ原題の方が、ドラマの内容にぴったりに感じた。でも原題を適当な邦題に置き換えるのもなかなか難しいかもしれない。

「タイムスリップ」からは奇想天外な展開が予想されるが、本作は初回と最終回を除けば純然たる時代物だった。現代人の張暁が、瞬く間に清代に適応してしまったからだ。それに、時代格差はあってもそこに暮らす人々の内面、本心は変わらない、という内容である。ここで考えたいテーマの一つは、人の中に潜む「二心」。最終的には第四皇子と若曦の愛の絆が確認されたが、若曦の「揺れ」は見逃せない。最初、彼女がタイムスリップに到った原因も、元をただせば、恋人の「二心」を疑い、激高して道路に飛び出したことにある。その彼女が、清代のある期間、二人の男の間で揺れ動く。彼女の真摯な人間性の中に、歴史を知るからこその打算も見え隠れする。第八皇子から贈られた腕輪をつけながら第四皇子と仲良くしている若曦には違和感があったが、人の心とは元々、すっぱり割り切れるものではない、と思えば納得がいく。

そんな若曦に対して、皇子たちの気持ちは一途ですがすがしい。彼女を想うのは、時期は異なるが、第四、八、十、十四皇子、それに皇太子の面々。友人の十三皇子は、市井の女性緑蕪(郭珍霓)一筋。八、十皇子は、最終的には奥さんとの愛を確かめ、十四皇子は、自分に気のない若曦に無償の愛を注ぐ。みんな、愛に心を揺さぶられては、涙、涙…。一話に一度は、必ず誰かしら泣いているのでは?さあ、あなたは、誰が好き?と、画面に見入る私たちに問いかけてくる。はい、私は十四皇子ですよ!!(笑)
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この十四皇子を演じるのが林更新クン。『狄仁杰前传』にも出演するというからぜひ観なくては!またまた出演作をチェックしたい俳優が増えたワ。(笑)

最初、顔を知っているキャストは劉松仁、吳奇隆、鄭嘉穎、戴春榮だけだったが、最後はみんな顔なじみ。新しい人材が次から次へと出てくる状況を見るたびに、中国は俳優の宝庫だなあと思う。

ところで続編として、現代に舞台を移した『歩歩驚情』が撮影中らしい。キャストも一部清朝の面々が引き継いでいる模様。張暁に当時の記憶があるとして、オフィスで彼らの顔を見つけてビックリ仰天…なんてことになったらおもしろいなあ。(ならない気もするが)

王になった男

20130318

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2012年/韓国/2時間11分(劇場で鑑賞)
監 督  チェ・チャンミン
出 演  イ・ビョンホン リュ・スンリョン
     ハン・ヒョジュ キム・イングォン
     チャン・グアン シム・ウンギョン
     キム・ミョンゴン

<あらすじ>
1616年、李氏朝鮮の時代。15代目の王、光海君(グァン・ヘグン:イ・ビョンホン)は謀反による暗殺を恐れ、秘かに自分の影武者を探すよう命ずる。そんな中、側近のホ・ギュン(リュ・スンリョン)が探し当てたのは、ハソン(イ・ビョンホン:二役)という王に瓜二つの道化師だった。ハソンはホ・ギュンの指導のもと政務を司るが、やがて民衆が支配者に搾取されている現実を知ると、臣下を前に自分の考えを述べるようになる。宮廷では、暴君だった王の急激な変貌が取りざたされ、王妃(ハン・ヒョジュ)も光海の行動に疑惑を感じる。

<感想など>(ラストに関するネタバレを含みます)
ユーモア、スリル、情感が調和よく盛り込まれ、作り手のサービス精神が感じられる作品。音楽もアジアの時代ものからは遠いと思っていたズンチャッチャ、ズンチャッチャ…ではあるが、意外や意外、その3拍子が王の一挙一動に呼応していた。イ・ビョンホンは顔も名も知っているが、出演作は初鑑賞。当分、情の厚い王様が焼きついて離れなくなりそうだ。

最初の本物があまりにも暴力的だったので、最後の急展開に違和感があった。後で読んだパンフレットによれば、暴君も初めのうちは的確な判断力を持っていたというから、そのあたりの背景がわかっていれば、急変(改心)にも納得がいくと思う。さて、武装した大勢を前にした王は本物か、偽物か。どちらだかわからないスリルが刺激的。

数々の人間関係の中でも、偽の王とホ・ギュンとの関係が一番深く残った。都承旨(トスンジ:承政院の長官)の立場上、王の意向を無視できないホ・ギュンだが、偽王ハソンの正義に、だんだん心が傾いていく。そしてついに正義のために命を懸ける決心をする。演じるリュ・スンリョンと、イ・ビョンホンとのやりとりは、時にはコミカルに、時には重厚に、スクリーンいっぱいに繰り広げられる。最後に深々と頭を下げるホ・ギュンには、目頭が熱くなった。

ほかにも、ハソンの世話係である宦官や、護衛官、反体制派など、渋いキャラクターの登場人物が魅せてくれる。一つ一つの所作、腹の底から湧き上がる声、間合いを重視したやり取り。鍛え上げられているなあと思う。華やかな女性よりも地味な色合いの男性の方が印象的だった。

庶民がいきなり王に祭り上げられたら…。
最初のうちはぎこちない演技でしのいでいたハソンも、君臨した快感に酔いしれ、やがて政治に目覚め、国を動かそうとするまでになる。そうなると所作も台詞も本物の王そっくりになる。このまま暴君が目覚めず永遠に彼が統治したらいいのに、とひたすら願っていた。

今の政治家には、善政を思い命を懸ける者の姿を、よ~く見ていただきたいものである。

ところで上の写真の王はどちらだろう?

津軽百年食堂

20130309

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2011年/日本/1時間46分(TV鑑賞)
監 督  大森一樹
原 作  森沢明夫『津軽百年食堂』
出 演  藤森慎吾 中田敦彦(オリエンタルラジオ)
     福田沙紀 伊武雅刀 前田倫良 秋本博子
     藤吉久美子 永岡佑 ちすん
    
<あらすじ>
日露戦争後の弘前。大森賢治(中田敦彦)が始めた屋台の蕎麦屋は大盛況。だしに使う鰯の焼干しは戦争未亡人のトヨ(早織)から仕入れている。幼い娘のフキは賢治になついていた。

現代の東京。大森陽一(藤森慎吾)は大学卒業後、アルバイトで生計を立てている。ある日カメラマン助手、七海(福田沙紀)の機材を壊したことがきっかけでルームシェアすることになる。そんな中、陽一は父(伊武雅刀)の負傷を知らされ、すぐ弘前に帰郷、実家の蕎麦屋を手伝う。また七海は妻子ある師匠(大杉漣)との関係を清算する決心をして、帰郷する。

<感想など>
ご当地ものは気軽に楽しめるところは好きだが、反面、物足りないときもある。大団円やほのぼのとしたエンドにもっていくための無理な展開や、役者のぎこちない演技が、時として気になったりする。本作も例外ではない。でも手作り感が楽しめ、いつもなら突っ込む場面でもおとなしく観ていた。(笑)

100年前と現在を交互に映し出し、それぞれが少しずつ進展していく。題材は伝統的な蕎麦づくりにあるのだろうが、物語のメインはそれぞれの人間関係にあると思う。例えば、

・照れ屋の先代が意中の女性と一緒になるきっかけ。
・カメラマン真木(野村宏伸)が七海の母(手塚理美)に求婚した背景。
・陽一の友人、門田政宗(永岡佑)と藤川美月(ちすん)との距離が縮まっていく過程。

三組の男女の関係に大きく関係するのが子供だった。結果的には後押ししてくれたありがたい存在である。笑みの可愛い幼いフキと、父の口真似が上手な門田(もんでん)の息子には、明るい未来を感じるし、ようやく母の真意に気付いた七海からは、独立の意思がうかがえる。血筋とはまた別に、互いを大事にする気持ちがつながっていくところに、温かさを感じた。代々受け継がれてきた味というのは、人間のつながりでもあるのだな、とふと思った。

ところで、今になってやはり突っ込みたくなった。いきなりルームシェアを提案した彼と、即同意した彼女に対してだ。特に彼女。不倫して、失恋して、シェア相手が恋しくなったり、その彼に結婚の意思をほのめかしたりするとは、いったい何考えてんだよ!と。親の身になってみればたまらない。普段は観ながら身内を思うことなんかないのだが、すでに一人暮らしの娘と、近々都心に引っ越す予定の息子がいるものだから、ついリアルな目で見てしまった。

もう間もなく桜の季節。桜にはラブレターの意味があると言われると、桜を見る目も変わってきそうだ。

駆ける少年

20130301

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1985年/イラン/1時間31分(劇場で鑑賞)
監 督  アミール・ナデリ
撮 影  フィールーズ・マレクザデエ
原 題  DAVANDEH
英 題  THE RUNNER
出 演  マジッド・ニルマンド ムサ・トルキザデエ
     アッバス・ナゼリ

<あらすじ>
舞台は70年代イランの小さな港町。廃船に一人で暮らす少年アミルは、空きビンの回収、冷たい水の販売、靴磨きと、さまざまな仕事を経験している。同じような境遇の少年たちとの熾烈な争いに負けたり、大人に騙されたりして、苦労が絶えない。そんな彼の楽しみは、外国船や飛行機に向かって大きく手を振り、思い切り走ること。ある日アミルは、ペルシャ語の読み書きができないことを指摘され、勉強への強い欲求が湧き起こる。

<感想など>(ラストに関するネタバレを含みます)
私たちは日々、食べたい、遊びたい、読みたい、観たい、行きたい、そして働きたい、といった、本能や義務に属する、様々な欲求を抱えている。それらはいずれも大切で、常に満足感を求めている。けれども本作を観た直後、そんな日常の欲求の一つ一つが、ほんのちっぽけなものと化してしまった。

本作は、少年の強烈な欲望を、あらゆる角度からあぶり出して見せる連続写真だ。ストーリー展開から登場人物の気持ちを読む、といった今までの鑑賞方法とは全く違い、声、音、躍動美、色彩のコントラストを、五感にたたきつけられる。考える余裕などなく、ただただ圧倒され、惹きつけられた。

最初は、物語性がなく、映像が流れるばかりで退屈…と思っていたのが、中盤から俄然画面にくぎづけとなった。第一に、アミル少年の走る姿が美しい。身体全体がしなって、ぐいぐい押し出されていく。光線の加減で黒く浮き出した姿に、思わず息をのむ。第二に、屈託のない笑顔、泣きそうな顔、歯を食いしばる顔…と、豊かな表情に魅了された。そして、物語が流れていることに気づく。

日々を生きるため人を蹴落とすことを余儀なくされた少年たち。天然ガスの火の前に置かれた氷を目指して走る彼らには、自分しか見えていない。しかし一旦勝利の味を噛みしめた彼は、初めて、人に分け与える喜びを知る。その気持ちはみんなにも連鎖する。これは、勉強を始めた彼の、第一歩なのかもしれない。

鑑賞後に見たチラシから、監督自身の体験が反映されていると知った。アミル少年の勝利への執念、飛行機に対する強烈な愛着、文字を暗唱するときの叫び…。与えられた中から選択するのではく、すべてが渇望から始まったと考えると、圧倒された感覚の根源が少し理解できた気がした。

すべてにおいて、敵わないのである。

プロフィール

孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

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