夢の国・亞洲文化宮

アジア作品を主に、映画、ドラマ、音楽、本の感想などを、気のおもむくままに綴っています。ネタバレありです。楽しんでいってくださいね!

ブンブン堂のグレちゃん


著 者:グレゴリ青山

刊 行:2007年9月
    (2003年古書情報誌『彷書月刊』連載分
     +書き下ろし)

出版社:イースト・プレス







<内容、感想など>
職場の方に借りて読んでいくうちに、どうしても手元に置きたくなって、
とうとう買ってしまいました。
大きな本屋さんで探すのに苦労した、貴重な一冊です。

副題は「大阪古本屋バイト日記」。
80年代半ば、著者18〜19歳当時にアルバイトをしていた古書店周辺のドラマを、
50ほどのマンガと12のコラム、さらに著者自身の絵や写真で、紹介しています。
場所は大阪の古書店街。入札に関する裏話も興味深いです。
読みながら無性に行きたくなりました。

著者は、作中では「グレ山グレ美」の名で登場、愛称は「グレちゃん」。
昼は古書店「ブンブン堂」で働き、夜はデザイン専門学校に通う、頑張り屋さんです。
表面的には「ゆるキャラ」ですが、古書店主から仕事のイロハを教わる様子、
他店が工夫しているところ(掃除用具、補修用具など)を観察する眼からは、
真摯な態度がうかがえます。

グレちゃんの眼から見た古書店街には、個性的な店舗と人々がひしめきあって、
とってもエキサイティング。
ブンブン堂のご主人、息子のブン蔵クン、隣のラタラタ書店さん、ポンポン書房の佐藤さん。
その他、大勢の方々がグレちゃんの前に現れます。
私の目から見たら、きっと皆さんごく普通の方なのだと思います。
でもグレちゃんの遊び心と鋭い観察眼が入り込むと、ご主人は主役(グレちゃん)を
食うほど濃い存在で、ブン蔵クンはプラモ狂で、ラタラタさんの髪の毛と心はいつも
飛んでいて、佐藤さんは突然女優になり…という具合に、それぞれの本質(?)が
露呈するのです。

さてグレちゃん自身はどんな顔をしているのでしょう。
漫画では横に広い鼻、点のような目、分厚い唇が強調されていますが…。
写真を拝見したくなりました。

10代のグレちゃん、30代後半のラタラタ書店さん、40代の佐藤さんの3人が
京都へ行くお話。
はたから見れば一緒にいるのが不思議なくらい「違う」3人だそうですが、
甘味屋さんではお喋りに熱中。話題は「シブい趣味」。
それぞれ古本屋さん勤務だけあって、レトロな人や物に夢中になるのだそうです。
その気持ち、私もよくわかるなあ。

グレちゃんは時々妄想の旅に出るようです。例えばフランス文学者の生田耕作氏。
いつも黒いマントを羽織って登場しますが、そのたびに「実際は着ていません」との
但し書きが。グレちゃんの中ではマントを着ているイメージなのだそうです。
その感覚もよくわかる! 私も自分の中だけで勝手に描いている人物像があります。
また、歩きながら小説の世界に入っていったり、一人で会話してニタニタしたり…
危ないぞ、グレちゃん。でも私もそういうことがよくあります。 私こそ危ない!

ちょうど私が中国へ行った1987年、グレちゃんは鑑真号で中国へ行ったのだとか。
もしかしたらどこかですれ違っていたかも!!
興味深いのは、大連の古本屋さんの写真。
中国での2年間、古書店の存在を知りませんでした。知っていれば行ったでしょう。
自分の興味ある場所をかぎつけて足を運ぶグレちゃん。そういう嗅覚と行動力、
私も持っていたいです。

何回読んでも笑える一冊です。

 

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Author:孔雀の森
引き締め作戦第2弾!
身体は重いが心は軽い、
食欲の秋♪

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