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宮 パレス~時をかける宮女

20150430

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2011年/中国/全35話
監 督  李慧珠
中文題  宮鎖心玉
出 演
楊 冪(ヤン・ミー) 馮紹峰(ウイリアム・フォン) 何晟銘(ミッキー・ホー)
佟麗婭(トン・リーア) 湯鎮業(ケン・トン) 邵美琪(マギー・シュウ)
劉雪華(ラウ・シュッワー) 郭羨妮(ソニア・クォック) 宗峰岩(ゾン・フォンイェン)
徐麒雯(シュー・チーウェン) 馬文龍(マー・ウェンロン) 劉 濱(リウ・ビン)
田振崴(ティエン・ジェンウェイ) 習雪(シー・シュエ) 茅子俊(マオ・ズージュン)
王翔弘(ワン・シャンホン) 郭明翔(グオ・ミンシャン) 任學海(レン・シュエハイ) 

<あらすじ>
洛晴川(楊冪)は骨董店を営む母と二人暮らし。気乗りのしない結婚を強く勧められて憂鬱な気分だ。いよいよ婚約成立という時に、1枚の人物画に誘われるように、晴川は突然タイムスリップしてしまう。時代は300年前の清朝康熙帝(湯鎮業)の治世。皇帝の側室である僖嬪(郭羨妮)の陰謀から、彼女は、宮中での生活を余儀なくされる。

皇子の間では皇太子の地位をめぐって確執が激化。四皇子(何晟銘)は密偵の素言(佟麗婭)に状況を探らせる一方、忠臣の娘と政略結婚する。八皇子(馮紹峰)は九皇子(馬文龍)、十皇子(劉濱)と興じる日々だったが、やがて争いの渦に巻き込まれていく。

晴川は働きぶりが評判となり、皇帝に仕えるまでとなる。また、四皇子、八皇子から想いを寄せられる。はじめのうち彼女は四皇子が好きだったが、彼の本質に疑念を持ち、誤解も重なって、情を断ち切る決心をする。後に晴川は、八皇子を強く愛するようになる。

妃たちの争いも凄まじい。四皇子、十四皇子(茅子俊)の母である皇后(劉雪華)の地位は不動のものだが、皇帝の寵愛が「妊娠」した僖嬪に移り、心穏やかではない。また、20年間冷宮にいた良妃(邵美琪)が再び寵愛を受けると、皇后は様々な画策を目論む。良妃は息子である八皇子と晴川の仲を苦々しく思っていたが、徐々に認めるようになる。

康熙帝が崩御し、雍正帝の治世に。晴川は、余生の短い八皇子に精一杯尽くすことを心に誓う。

<感想など>(ラストのネタばれあり)
ドラマ『宮廷女官 若曦(ジャクギ)』、映画『ピース!時空を超える想い』の記憶が新しい中、またまたタイムスリップものである。でも今回は少し印象が違った。「歴史は変えられない」とはっきり言っているのに変わってしまったからだ。矛盾は多々あるけれども、そんなところを全部許せてしまうほど、自分が願っていた結末だった。(笑)

時代設定から登場人物まで『宮廷女官 若曦(ジャクギ)』そのままだが、なぜか頭の中ではかぶらない。むしろ同じ俳優で父子をキャスティングした『王者清風』と混同してしまった。『王者清風』の雍正帝、乾隆帝が、今回は1世代上にスリップして康熙帝、雍正帝に。湯鎮業と何晟銘。父子のイメージが自分の中で定着するほどだ。

作品の印象も若曦の話とは正反対。宮中のイジメもヒロインの性格もカラッとしていて、涙を流す場面はたくさんあるものの、湿っぽくないのだ。物語としては「破たん」を感じる場面が多いけれど、安心して見ていられる。一言でいえば「お祭りムード」かな。

すぐに忘れてしまいそうなので「あれれ!」と思ったことを備忘録として書いておこう。

① 良妃は時代劇の格好が似合わない。
と思ったら、現代の人だったのね!回想シーンでは銃を構えた姿がステキ。キレのある武功に納得した。あの撃たれた犯人はどうなったのか。彼女は今どうしているのか。警察の偉い地位についているのか…と妄想が尽きない。続編に出てくるのかしら。

② 過去への適応力がすごい。
タイムスリップ後の晴川は驚愕するけれど、すぐ適応してしまうところがドラマだ。晴川は骨董店の娘で雍正帝のファン。「レキジョ(歴女)」とはいえ、皇族への挨拶の仕方を始め、宮廷生活の一切をあれほど早く習得するとは…。それとも年月を経ている設定だからか。いつまでも適応できなかったらドラマにならないものね。

③ 八皇子の得意技は「壁ドン」
前半、晴川に猛アタックをかける八皇子がストーカーに見えて怖かった。事あるごとに「俺の女だ」と公言する。こういう男はDV夫になりかねない!と思っていたが、紆余曲折を経て結婚してからは穏やかになっていた。馮紹峰の役柄ではこの八皇子が一番好み。

④ 小春(王翔弘)の変化が一番。
衣装店の息子から名将軍の年羹堯へ。母親の仇を取るため身をすり替え、武功を習得して宮中に入り込む。その上陰謀により僖嬪の妊娠に大きく貢献。見た目はどんどんかっこよくなるのだが、終始自分の意志というものがない。存在感があるようでない、不思議な役柄だった。

⑤ 素言は後悔している?
終盤で「実力でのし上がったが結局縛られる身になった」と、皇后になったことを後悔するようなことを言う。スパイとして宮中のことはお見通しのはずだったのでは?テーマの一端を語る言葉だ。

⑥ 雍正帝は本当の愛がほしかった。
「心をくれ」と晴川に迫る皇帝がおかしい。これもテーマの一つ。権力者である皇帝でも、人の心を簡単に手に入れられるわけがない。いつまでも晴川に未練タラタラの皇帝が惨めに見えた。

⑦ 徳妃の秘密
実の子なのに四皇子には冷たく十四皇子には優しい皇后の徳妃。実は四皇子は自分の子ではないとか、父親が康熙帝ではないとか、色々な理由を考えたが、まさかそういうことだったとは。厳罰に処せられる行為であることは当然としたうえで、宮中のすべてに影響を及ぼしたと思われる大罪だった。

⑧ なぜ八皇子はタイムスリップできたのか。
これが最大の謎。宇宙の法則を根本から覆すようなものではないか。(笑)でも前にも述べたが、こんな破たんでもOKだ。ありえない設定を見せてくれたことに拍手!!

というわけで続編もぜひ観よう。
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後宮の涙

20141005

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2013年/中国/全45話(TV視聴)
監 督  李慧珠 鄭偉恩 梁国冠
原 題  陆贞传奇
出 演
趙麗頴(チャオ・リーイン)陳暁(チェン・シャオ)喬任梁(キミー・チャオ)
楊蓉(ヤン・ロン)劉雪華(ラウ・シュッワー)張可頤(マギー・チョン)
唐芸昕(タン・イーシン)呉映潔(ウー・インジエ)金巧巧(ジン・チャオチャオ)
李彦希(リー・ジーチュン)李依暁(リー・イーシャオ)姜鴻(チアン・ホン)

<あらすじ>
6世紀半ばの北斉。商家の娘陸貞(趙麗頴)は、父(岳躍利)を殺した継母(王琳)への復讐を胸に宮中に入る。かつて命を助けた長広王高湛(陳暁)とは相思相愛の仲だが、ライバル沈碧(唐芸昕)や許嫁(いいなずけ)沈嘉敏(習雪)、さらに彼の元恋人で貴妃蕭喚雲(楊蓉)らの陰謀により度々危機に陥る。

宮中では、陸貞は先輩女官の楊晩秋(劉一禎)や師匠と仰ぐ杜蘅(金巧巧)らの協力もあって次々と苦難を乗り越える。財政難の克服にも貢献し、皇帝(喬任梁)の信任は厚い。その結果、破格の出世をして、復讐も果たすが、自分が父の実子ではないことを知り苦しむ。

たびたび高湛の命を狙ってきた皇太后(劉雪華)は、婁氏一族を結集させてクーデターを画策。しかし誤って息子である皇帝を死なせてしまう。喚雲は生まれた男児を陸貞に託して死去。高湛は苦難の上帰還し、婁氏を破り即位する。陸貞はすでに高湛の妻であるが、皇后になれない事情があった。

<感想など>
宮廷ものを観る機会が多い今日この頃。本作品でも女性たちの激しい権力闘争に辟易したが、その一方で“悪役”にかえって敬意を抱いてしまった。「なんだ、この女は~」と怒り狂いながらも、演じる女優さんには心の中で拍手。イメージダウンをはばからない心意気は、さすがです。(笑)

その“いや~な女”の筆頭が、沈碧。思慮の浅い沈嘉敏を操るところなど、実に憎々しい。でも長広王への気持ちは純粋で、恋する女と意地悪女とのギャップは、まさに見所の一つ。最期まで諦めない根性には脱帽。

悪役で目につくのは中高年女性。自分がその年代だからなおさらだ。母親の愚かさを見るたびに溜息が出る。例えば皇帝の母親の婁昭君。息子を皇帝にするために夫を殺し、目的を果たした後は、義理の息子の暗殺を何度も企てる。自分が政権を握るため、他国に自軍の奇襲を持ちかけるような汚いやり方も辞さない。この人が出てくるたびに身震いしてしまった。(笑)

主人公の継母役である王琳は、出番は少ないが印象に残る一人。「傾城の皇妃」での怪演が頭に残っているせいか。相手を貶めようとする気迫が半端ではない。

コセコセしたオバサンだなあと思ったのは婁青薔。いつも婁昭君のご機嫌をうかがっている姿が醜い。けれども顔はとても綺麗。気の毒度ナンバーワンは彼女だった。

意地悪な女から一転、慈愛に満ちたキャラになった人もいる。貴妃の蕭喚雲だ。終始ツンとして、笑顔はほとんど見せない。演じる楊蓉は「新笑傲江湖」のキャピキャピしたイメージが強くて、最初は同じ女優さんとは思えなかった。終盤の堂々とした采配ぶりや、誇り高い様相、皇帝を徐々に愛するようになる過程が、興味深かった。

本作はオリジナル的要素が強い作品とのこと。
歴史物と聞くと史実と比べたくなるが、フィクションとして観た方が面白い作品もあると思う。本作品がまさにその例だ。古装姿や人間関係の中に、時折現代が重なって見えるのである。

主人公がわずか1年で異例の昇級をした経緯は、新入社員が瞬く間に管理職になるようなものだ。それも、ゴリ押しアポなし面接を経て、である。また、司宝司、司衣司を仕切る様子からは、経験の浅い上司がベテランを指揮する際の心構えを連想する。ビジネス選書を読んでいる感覚だった。

女性の社会進出を考えさせられる場面もある。
陸貞は、高湛から宮中の業務を一切やめるように迫られて憤慨する。この時の2人は、結婚後仕事を続けるか否かで争うカップルに見えた。高湛は、陶器づくりを指揮する陸貞を見て、彼女の生きがいを理解するが、こうした、女性に理解を示す男性の描き方もまた、女性視聴者の心をつかむ要因に思えた。

なお、最近観る歴史物では「自己犠牲」の精神が気になるところだ。本作では、主人公は近隣国との和平のために身を引く決心をする。そのかわりと言っては語弊があるかもしれないが、宰相という栄誉あるポストを手にするのである。ドラマではこの経緯を美徳ととらえているように思えた。

「アチャン」、「アチェン」と呼び合う2人。最近観たドラマの中では私的にベストカップルだった。またどこかで共演してほしい!

白髪魔女伝

20140802

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2012年/中国/全42話
監 督  黄偉杰(リッキー・ウォン)
原 作  粱羽生「白髮魔女傳」
原 題  新白髮魔女傳
出 演
吳奇隆(ニッキー・ウー) 馬 蘇(マー・スー) 郭珍麑(グオ・チェンニー)
樊少皇(ルイス・ファン) 葉祖新(イエ・ズーシン) 李 解(リー・ジエ)
劉思彤(リウ・スートン) 田 麗(リリー・テン) 呉毅将(ン・ガイチョン)
岳躍利(ユエ・ユエリー) 張天其(チャン・ティエンチー) 王 怡(ワン・イー)
王琇強(ワン・シウチアン) 蘇 茂(スー・モー) 張頁石(チャン・イエシー)

<感想など>(ネタばれしています)
週末2話ずつの全42回は長かった。終盤のエピソードばかりが頭に残り、前の方は記憶の彼方だ。主役2人がアツアツだった頃よりも、錬霓裳(馬蘇)が白髪となった後の方が波瀾万丈で、最終話への想像をかきたてられた。期待はずれと言えなくもないのだが…。

恋愛騒動もたくさん盛り込まれているがハラハラドキドキ感はない。感情のぶつかり合いが激しくて現実味が全く感じられなかった。でもかえって安心して見ていられた。そんな中びっくりしたのは、初めに惚れ込んだ相手から、コロッと別の人に乗り換えた例だ。

その一人が岳鳴珂(樊少皇)。前半では、叶わぬ恋と知りながら命がけで錬霓裳を守り抜く。一途な行動と錬霓裳のそっけなさが滑稽でもあった。ところが錦衣衛をやめてから、いつの間にか鐵珊瑚(劉思彤)と仲良くなっている。あれ、いつからだろ…。はじめのうちは漫才のようなやりとりだったが、鐵珊瑚の悲しい身の上に彼が同情してから、変わっていったようにも思える。原作では鐵珊瑚が亡くなり悲嘆にくれた岳鳴珂が「晦明」として仏門に入る、という展開。いつそうなるかヒヤヒヤしたけれど、本作では視力を失った彼を珊瑚が支える物語になっていた。コミカルな中に情があふれた、いいカップルだ。(笑)

もう一人は、卓一航(吳奇隆)一筋だった何萼華(郭珍麑)。師兄の耿紹南(李解)からどんなに熱くアプローチされても絶対にぶれない。耿紹南もしつこいが、この娘も相当しつこい。私は勝手に「卓一航と耿紹南との闘いで卓一航をかばって死んでしまうのでは?」と思っていた。ところが最後の最後で、耿紹南に向かって愛を告白する。彼が悪さをする前にそう言ってあげればよかったのに。タイミングが悪すぎると思うと同時に、一瞬でも想いがかなった耿紹南は幸せの絶頂で逝ったのだ、と解釈して自分を納得させた。ほとんど脇役的存在だった耿紹南が、最後の方では卓一航を押しのけて主役の風格。卓一航に対する劣等感と限りない憎しみ。権力の座に対する執着と、それを捨て愛する妻を守ろうとする想い。数多い登場人物の中でも、この耿紹南が一番複雑に見えた。演じる李解がとてもよかった。

悪役で魅せてくれたのが慕容沖。私利私欲に走り、身勝手で、冷酷無比。悪を貫き通す人物だ。でもふっくらした顔のつくりで目じりが下がっているので、壮絶な最期でも笑っているように見えた。だからこそ印象に残る人物になったのかもしれない。

さて肝心の卓一航。超絶を究めた終盤は月光仮面の雰囲気で、隠れている設定でも白いマントが目立っていた。(笑)ラストは、前から何となく予想がついたが、ここから続くはずの「七剣下天山」も「塞外奇侠伝」も存在しえない結果となって、残念でもある。原作から主要登場人物を引っ張り出して、好きなように物語を作っていく手法は、こればかりではないのだろう。

傾城の皇妃

20140717

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2011年/中国/ 全42回(TV視聴)
監 督  梁辛全(リャン・シンチュアン)
     林 峰(リン・フォン)
原 題  傾世皇妃
原 作  慕容湮儿「傾世皇妃」
出 演
林心如(ルビー・リン) 厳寛(イェン・クアン)霍建華(ウォレス・フォ)
洪小玲(ホン・シャオリン) 苗皓鈞(ミャオ・ハォジュン) 王琳(ワン・リン)
楊佑寧(トニー・ヤン) 惠英紅(クララ・ワイ) 戴春栄(ダイ・チュンロン)
王雨(ワン・ユイ) 楊凱淳(ヤン・カイチュン) 劉涛(リウ・タオ)
蒋愷(ジァン・カイ) 鄭凱(ジェン・カイ) 茅子俊(マオ・ズージュン)

<あらすじ>
10世紀、五代十国の時代。楚国の皇女マー・フーヤー(林心如)は、父である皇帝馬殷が実弟に暗殺された現場を目撃し、復讐を心に誓う。蜀国皇帝の長男モン・チーヨウ(厳寛)は廃太子(皇太子から外された息子)からの逆転を胸に秘め、フーヤーの利用を画策、パン・ユーと改名させた彼女を伴い蜀に帰国する。やがて2人は相思相愛の仲に。しかし彼女と皇太子チーシン(邱爽)との婚儀が決定。そんな中皇帝(蒋愷)が亡き皇妃と瓜二つの彼女と強引に婚礼を挙げる。ところが皇帝は毒殺される。

北漢との戦いを前に、ドゥ皇太后(惠英紅)はチーヨウを即位させ、戦地へ向かわせる。ところが彼は、味方の裏切りから北漢の捕虜に。チーヨウを救出するため、フーヤーは蜀の皇女ディレンと身を偽り、北漢の皇帝レンチョン(霍建華)に嫁ぐ。レンチョンは仮面をつけた彼女をすぐに意中の人フーヤーと見抜き、喜びを露わにする。楚国から嫁いだ皇后シャンユン(洪小玲)はフーヤーの生存に驚くとともに憎悪をつのらせる。

フーヤーは、皇女レンス(劉梓嬌)のチーヨウに対する愛情を利用して彼を救出、3人で蜀へと向かう。シャンユンはフーヤーの暗殺を目論んで待ち伏せをする。ところがそこへレンチョンが到来、彼女の放った矢が刺さり絶命。悲嘆にくれたシャンユンは自死する。

チーヨウ不在の間に蜀の皇帝となったチーシンは、帰国した3人を幽閉する。

<感想など>(ネタバレしています)
小国が分立している時代のドラマは初めて(三国志を除く)で、あちらにもこちらにも皇帝がいる状況に戸惑った。家臣たちの所属を把握するのもたいへんだ。予備知識や人物関係図は必須である。

さて今回もドロドロな人間模様が半端ではない。
主人公マー・フーヤーが楚国を離れてから7年。その間に主要登場人物のほとんどが亡くなる。醜い争いが繰り広げられる作品の中でも、本作は特にキツい。しかし各人の死は辻褄の合うように作り込まれており、妙に納得がいく。毎回辟易としながらも「最後まで行くしかない!」と、頑張って観た。(笑)

悲劇が重なっていく原因は、まさに「善人」として描かれるマー・フーヤーにある。

彼女は美しく聡明で医術に長けたスーパーウーマン。彼女に惹かれる人の多いこと!相思相愛のチーヨウの他、彼の弟のチーユン(王雨)、チーシン、北漢の皇帝レンチョン、そして蜀の皇帝が彼女にベタ惚れだ。さらに、付き人も含め、自らを犠牲にしても彼女を生かそうとする者が多く登場する。

このような味方と反対側にいるのが、彼女の命を狙う者たちだ。フーヤーが持っているような正義や美貌に対する憎悪、嫉妬は、時代を問わず誰の心にも潜んでいる気がしてくる。そうした激しい人間模様が繰り広げられる背景には、登場人物たちの「固執」、「確固たる精神」があると思う。それをちょっと書きだしてみよう。

マー・フーヤー(楚国皇女)…チーヨウとの愛、父の敵討ち
モン・チーヨウ(蜀国廃太子)…フーヤーとの愛
リウ・レンチョン(北漢皇帝)…フーヤーへの愛
ハン次妃(蜀国)…皇帝への復讐、後宮の攪乱
ホァ爺(フーヤー付き宦官:苗皓鈞)…フーヤーへの忠誠
ユンジュ(フーヤーの付き人:楊凱淳)…フーヤーへの忠誠
シャンユン(北漢皇后)…レンチョンへの愛、フーヤーを憎悪
レンス(北漢皇女)…チーヨウへの愛
ドゥーユン(楚国皇太子)…レンスへの愛、チーヨウを憎悪
             生きることに固執

俳優さんたちはいずれも好演。特に最期を迎える人物の場合、持ち味を最大限に生かした演出で、深い印象が刻まれる。その中でも脇役的存在のドゥーユンが忘れられない人物となった。悪事を尽くしながらシレっとした顔で姉フーヤーに寄り添う姿は不気味だ。レンチョンの弟レンシー(楊佑寧)に奴隷扱いされて毒の実験台になり、人間の心を失った状態には背筋が凍る。

他のドラマのように一途な愛情にときめくドラマではなかった。フーヤーには長い生涯を生き抜かなければならない使命がある。ドラマを振り返っただけで気分が重くなる。

最後に弟分の趙匡胤(乔任梁)と会う場面で、やや安心した。

織姫の祈り

20140708

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2010年/中国/全36話(TV視聴)
監 督  李国立(リー・クォックリー)
原 題  天涯織女
出 演
張鈞甯(チャン・チュンニン)袁弘(ユアン・ホン)陳秀雯(エイミー・チャン)
蕭正楠(エドウィン・シウ)劉詩詩(リウ・シーシー)劉松仁(ダミアン・ラウ)
戴春榮(ダイ・チュンロン)除麒雯(シュー・チーウェン)陳佩佩(チェン・ペイペイ)
李倩(リー・チエン)陳国霖(チェン・グオリン)

<あらすじ>
時代は南宋の末期。幼い頃に父母を亡くしたチャオアル(張鈞甯)は、織物工房の綿繍坊を営むロン(陳秀雯)の元で厳しい指導を受け、仲間と共に仕事に励んでいた。やがて、宮廷専属の工房を決める選考会で、グアン(戴春榮)率いる工房とともに見事選出され、宮中の仕事を請け負うことになる。

婚礼衣装の仕事をきっかけに、チャオアルとシャオメイ(除麒雯)はジアイー姫(劉詩詩)と親しくなる。一方、国を思うリン将軍(袁弘)に対し、チャオアルもジアイー姫も特別な感情を抱く。チャオアルは身を引こうとするが、リン将軍が一途に想うのはチャオアルだ。

工房ではグアンのロンに対する嫉妬がエスカレート。皇妃同士の確執も深くなる。シャオメイは皇帝に取り入ろうとして罠にかかり、大やけどを負う。チャオアルは、濡れ衣で投獄されたロンの救出を目的に役人に近づき、襲われそうになるが、幼なじみのニン(蕭正楠)に間一髪で助けられる。しかし役人に暴行された彼は歩くことのできない身に。チャオアルはニンとの結婚を決意する。

宋滅亡の混乱の中、ダイシー(陳佩佩)《ニンの母》はファン染物工房に火をつけ自らの命を絶つ。チャオアルはニンと共に、かつて訪れた山寺に身を寄せることに。そこで、師匠であるロンと再会。さらに木工に優れた技術をもつフォン(劉松仁)という男に出会い、教えを請う。

<感想など>
毎回起伏に富んだ展開に一喜一憂!あらすじを書こうとすると、印象的な場面が次から次へと頭に浮かんで収拾がつかなくなった。だから宋滅亡以後の波乱万丈は諦めた。

主人公は実在の人物で、“中国織物の母”と呼ばれた黄道婆。華やかな織物の世界を、楽しませてもらった。工房で働く女性たちを「織姫」と呼ぶと何となく優雅なイメージがわくが、実際の環境は厳しかったのだろう。主人公は人徳のあるロン先生の元で修行できて幸運(色々な経緯はあったが)だったと思う。腹黒いグアンとの対比が面白かった。

物語には、ロン先生がいつも織姫たちに説く「生きるために技術を身につける」信念が貫かれ、それはチャオアルへと受け継がれる。核心がぶれないので安心して観ていられた。織物だけでなく、隣のファン染物工房を営むダイシーも、代々続く工房を率いる者としてのポリシーを見せてくれるし、途中出場のフォンも木工技術への情熱を披露してくれる。職人に対する尊敬の念が第一に描かれる作品も珍しい。

また、一女性が困難に遭遇するたびに持ち前の機転を発揮し、乗り越えていく様子が丁寧に描かれていて好感が持てた。そんな中、チャオアルが相思相愛のリンではなく、ニンとの人生を選ぶ展開には、この人物の生き方が色濃く表れていると思った。自分の気持ちよりも縁を大事にすることで、自分自身も救われる、という考え方。私には優等生に見えて仕方がなかったが。

一方、ニンが最愛の妻に暴力を振るってしまう心理が痛いほど伝わってきて、観ていて非常に辛かった。彼の“晩年”に見せた穏やかな表情や、優しい笑顔は、思い出しただけで涙が出そうだ。

わがまま娘だったジアシー姫の変化にはびっくり。拍手で応援した。(笑)リンもその心に早く応えてあげればよかったのにと、不器用な彼の背中を押したくなることもしばしば。

後半、大自然の風景と人物との取り合わせに違和感があったが、ドラマ自体はポジティブな展開で後味はいい。七夕に合わせた視聴だったと今になって気づいた。

大いなる愛 ~相思樹の奇跡~

20140529

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2008年/中国/全29回(レンタルDVD)
監 督  孫 周(スン・チョウ)
原 題  相思樹
出 演
呉秀波(ウー・ショウポー) 浦 薄(ポー・ポー)
陳 数(チェン・シュー) 孫 淳(スン・チュン)
宋 寧(ソン・ニン) 田樸珺(ティエン・プージュン)
廖 凡(リアオ・ファン) 楊 青(ヤン・チン)
張芝華(チャン・ジーホア) 王志華(ワン・ジーホア)
高 明(ガオ・ミン) 呉 竟(ウー・ジン)
郭 林(グオ・リン)

<あらすじ>
雲南出身のシャオムー(浦薄)は、大学生の弟シャオプー(宋寧)の住む上海で、恩人のカイ(呉秀波)と再会。彼の恋人ジエ(陳数)の助手となる。実は、長年カイがシャオムーあてに送ったお金は、母(張芝華)の意向ですべて弟の学費に使われていた。

カイとジエの結婚式が直前に中止となる。ジエが芸術家リンシャオ(廖凡)と駆け落ちしたのだ。カイは何とか立ち直り両親とレストラン経営を始め、シャオムーも従業員として働く。そんなときジエの母(呉竟)が娘の異状をカイに話す。北京に飛んだカイがジエを連れ戻し、二人は復縁。男児トウトウも生まれ幸せに包まれた矢先に、ジエが突然自殺する。その理由を知ったカイはリンシャオに重傷を負わせ服役することに。

シャオムーはカイを想いながら受験を突破、勉学に励み、大学を首席で卒業する。以前世話になったツォン社長(孫淳)の傘下にある会社に、記者として就職する。出所したカイは工事現場で働くが、シャオムーを避けていた。彼女の心はツォン社長の方に傾いていく。

<感想など>
あらすじだけ読むと、波乱万丈、かつ、とりとめのない話に思えるが、なかなか見ごたえがあった。最近観たドラマの中では、映像が一際きれいだった。監督は「心香」の孫周。光の当たり具合や、表情の移り変わりなど、情緒豊かな構図に惹かれた。特に、赤い凧がビルの谷間をフワフワと上がっていくシーンは、昇天を想像させる。死の間際にジエが見せた優しい表情がその凧と重なって忘れられない。撮影の事情はよくわからないが、繊細なカメラワークだと感じた。

登場人物も色とりどり。相手の幸せを第一に考える人と、ひたすら己の欲求の従って突き進む人とを対比しながら観るのが楽しかった。前者を代表するのが下記の3人だ。

まずは、サクセスストーリーを歩むシャオムー。恩人のカイを「兄さん」と慕い、DJのジエに心服し、周囲の人を立てながら信頼を得ていく。どんなに理不尽な扱いを受けても、主張するところは主張し、時には低姿勢となり、複雑な人間関係の中を泳ぎ切る。小学生から30代までを演じる浦薄は本当に上手。整った顔立ちではないが、ふと見せる憂い顔が美しい。しかし私はこの主人公を好きになれない。思慮深く頭脳明晰なのに、自分を卑下して「バカなの」と言う所が気になった。カイの妹ホイ(田樸珺)の気持ちと同じかも知れない。私は、一見エゴむき出しのホイの方が、ずっと好きだ。

シャオムーが一途に想うカイは、100パーセント人のために生きている。でもその性分が自分の道なのだと思う。演じる呉秀波はイケメンだがかっこよく見せない所が上手い。善意も度が過ぎると愚かに映る。「大いなる愛」はこの人の生きざまを表わす言葉だろうと、最後の最後まで思っていたのだが…

私の心は、途中出場のツォン社長に完全に持っていかれた。シャオムーを好きになれない理由の一つは、この人を翻弄したことだ。(笑)演じる孫淳は孫周監督の実弟。いい役柄だ。シャオムー、カイ、ツォンはいずれも相手の幸せのために身を引く覚悟がある。でも結果的にはツォンが一番偉大だった。社長として、愛するシャオムーの弟でさえ容赦せず切る覚悟。そして自分の幸せを諦める覚悟。「大いなる愛」とはこの人の覚悟を指す言葉だと、後になって思った。

次に己の欲求の従って突き進む人たち、シャオムーの弟シャオプーと、カイの妹ホイを挙げよう。後に夫婦となるこの2人もまた、人間のエゴむき出しで飽きさせない。貧困を経験しているシャオプーは、母と姉を尊敬しながらも、拝金主義への道をまっしぐら。ホイは出国したいがために海外在住の相手を選ぼうとして失敗、心のおもむくままにシャオプーを求める。最初のうちは、ホイの身勝手さとテンションの高さに辟易したが、最後の方では飾らない野性味と根本に持っている正義感に好感を覚えた。また、悪事に手を染めたシャオプーを最後まで容赦しないストーリーの作り方には共感した。

物語の親子関係については言いたいことが山ほどある。中国の作品では、よく緊密な親子関係に驚く。この作品も例外ではない。カイの母親(楊青)もジエの母親も、子ども(といってもいい大人)の生活にあれこれ口を出し過ぎて、見ていてウザい。ただ、カイの母には喜劇的要素があるので多少楽しめる。彼女は、最初は息子とシャオムーを遠ざけ、終盤になると2人の仲を取り持とうとする。なだめ役の夫(王志華)とはいいコンビ。わかりやすいエゴが、かえって面白かった。一方、カイに娘との復縁を迫ったジエの母親は、陰湿な性格が前面に出ているせいか、なじめなかった。

ところで、浦薄、陳数以外の俳優は初対面…と思っていたら、前衛芸術家を演じたのが廖凡とわかり、びっくり!「変な人」を貫き通すのかと思っていたので、最後は意外だった。この人も赤い凧つながりで…。

この作品のように、感想が後から後からあふれ出てくるような物語に出会いたいものだ。

宮廷の泪・山河の恋 最終回まで

20140520

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2012年/中国/ 全36回(TV視聴)
番組サイトはこちら
監 督  梁勝權  雷瑞麟  林玉芬
原 題  山河戀•美人無淚(全38回)
出 演  袁珊珊(ユエン・シャンシャン) 韓 棟(ハン・ドン)
     周牧茵(チョウ・ムーイン) 吳俊余(ウー・ジュンユー)
     董 慧(ドン・ホイ) 張雪迎(チャン・シュエイン)
     王鶴宇(ワン・ヘーユー) 王婵婵(ワン・チャンチャン)
     喬 喬(チャオ・チャオ) 劉恩佑(リウ・エンヨウ)

<内容・感想など>
34話でドルゴン(韓棟)が逝ったら物語は終わったも同然。私の中でいかにドルゴンが大きな存在だったかがわかった。(笑)演じる韓棟については、これまで、ひねくれた役や三枚目の役を観てきたが、やはり今回のドルゴンが一番。今後の出演作を見る楽しみができた。

終盤は玉児(袁珊珊)の次世代に引き継がれていく過程が描かれているが、若者たちがみんな小粒に見える。これ以前の、妃たちの狂気と翻弄されるホンタイジ(劉愷威)の話が強烈だったせいか。それとも玉児の威圧感が、若者を押しのけているからだろうか。フリン(吳俊余)はお子ちゃまだし、最初生き生きしていた宛寧(張雪迎)も淑やかになってしまうし、何より静児(董慧)の自己主張のなさが歯がゆい。宛寧を目の敵にする祥如(王婵婵)も中途半端。ただ、フリンは結局母に逆らって仏門に入ったくらいだから気骨のある人物と見てもいいのだろう。

最後、玉児の回想シーンで、本当の愛を捨て国に尽くしたことについて、すべて自分の選択と受け止めていたところには共感した。康熙帝即位のシーンも含め、きれいな終わり方だと思った。

しか~し。ドルゴンが莊妃(玉児)を娶った説もあるというから、そういう筋書きもアリなのでは?と、最終回を観たのにタラタラ思ってしまう私。物語が破たんしてしまうと知りつつ、二人が幸せになるバージョンを思い描いている。まだまだ余韻を引きずりそうだ。

宮廷の泪・山河の恋 第28集まで

20140508

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2012年/中国/ 全36回(TV視聴)
番組サイトはこちら
監 督  梁勝權  雷瑞麟  林玉芬
原 題  山河戀•美人無淚(全38回)
出 演  袁珊珊(ユエン・シャンシャン) 劉愷威(ハウィック・ラウ)
     韓 棟(ハン・ドン) 鄧 莎(ドン・シャ)
     蔡少芬(エイダ・チョイ)張 檬(チャン・モン)
     王 琳(ワン・リン) 周牧茵(チョウ・ムーイン)
     張天陽(チャン・ティエンヤン) 黄文豪(ウォン・マンフウ)

<内容・感想など>
10話から観始めたが振り返る場面が多いので違和感なく入って行けた。直前まで観ていたドラマ「新 笑傲江湖」のキャストが再登場しているのも親しめた理由の一つかもしれない。はじめは袁珊珊、韓棟、鄧莎、張天陽らの変貌ぶりに「おおっ!」と思ったが、そんな驚きもすぐに消えた。ゴールデン・ウィーク中は録画予約したのにリアルタイムで観ていた。番組開始の朝7時までに家事を終わらせていた私。(前代未聞!)いつもこの調子ならいいのにね。

時代は明末清初。ホンタイジ(劉愷威)を取り巻く奥様方の波乱万丈が話の中心だ。だからか、政治や戦闘のシーンはかなり少ない。毎回各奥方が、泣き、憎み、嘲笑い、画策し、気を失い…の繰り返しで、時間は少しずつ流れていくものの、人々がやっていることはほとんど同じ。人間の負の感情がドロドロと流れているドラマである。

それなのに、こんなにのめり込んでしまうのはなぜだろう。人々が感情を露わにする場面を観たい、というのは本能だったりして。そんな中、主人公玉児(袁珊珊)の表向きの(?)正義感が輝かしい。善人はごく少数。ドド(張天陽)と蘇瑪(喬喬)くらいか。おっと、ドルゴン(韓棟)を忘れてはならない。

今日の場面は、玉児の異母姉、海蘭珠(張檬)が記憶を失って取り戻すまで。陰謀を巡らす皇后哲哲(蔡少芬)と、それを冷ややかに見る娜木鐘(周牧茵)の恐ろしさが、ひたひたと迫ってきた。最近は誰が何を企んでいるのかを、何となく予想できてしまう。そんな自分も恐ろしい。

かなりカットしているような印象。機会があればノーカット版を観よう。

歌声天高く~父と過ごした日々~

20140419

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2007年/中国/全22話
監 督  高希希(ガオ・シーシー)
中文題  搭錯車(2005年放映)
出 演
李雪健(リー・シュエジエン) 李 琳(リー・リン)
殷 桃(イン・タオ) 于和偉(ユィ・ホーウェイ)
曹曦文(ツァオ・シーウェン) 馬書良(マー・シューリャン)
陳 昊(チェン・ハオ) 唐 静(タン・ジン)

<あらすじ>
1980年代前半の北京。喉の障害で言葉が不自由な孫力(李雪健)は、親友胡文奎(馬書良)の紹介で劉之蘭(李琳)という若い女性と結婚する。ところが間もなく彼女の妊娠が発覚。相手は下放先で恋人となった蘇民生(于和偉)だ。やがて生まれた女児は「阿美(アーメイ)」と呼ばれるようになる。孫力は劉之蘭と離婚するが、彼女の渡米が決まった後、阿美を自分で育てる決心をする。

1990年代。高校生の阿美(殷桃)は苦労の多い父孫力を助けたい一心で、バー「ジャスミン」で歌手のアルバイトをしていた。しかし大学進学を勧める孫力は猛反対。帰国した母劉之蘭、「ジャスミン」のオーナーで実父の蘇民生らと、阿美をめぐって確執を深める。やがて阿美は歌手デビューを目指し実父母と共にマンションで暮らし始め、レッスンに明け暮れる。孫力は気心の知れた李玉琴(唐静)と結婚するが、彼女はすでに不治の病に侵されていた。

<感想など>(ラストに関するネタバレを含みます)
ステージ中央で歌う阿美よりも彼女の周囲で動揺する親たちの印象が強かった。自分がその世代に近いからか。それぞれの個性が際立っていて、中でも孫力、蘇民生の両極端な描き方が興味深い。貧困の中、実の娘ではない阿美に愛情を注いで育てる孫力。かたや、財力を武器に実の娘を金儲けの手段にする蘇民生。双方ありえない人物設定だと思いながらも、激しい人間関係の渦にいつしか自分も飲み込まれていた。

阿美の母、劉之蘭の行動も最初は懐疑的に映る。蘇民生に去られた後、愛はなくても孫力の誠実な心根に賭けるような気持ちで結婚する。妊娠を知ったのが結婚後とはいえ、周囲の猛反発を受けるのは必至。離婚後も孫力の好意を利用して何かと援助を受け、渡米のチャンスが訪れるや娘を手放す。ひどい行動だが徹底的に責めることはできない。自分と同年代の彼女が、教育を受ける年月をすべて文革に持っていかれたと思うと同情心をかきたてられる。人生を賭けようとする強い気持ちは、現在の若者には理解し難いかも知れない。アメリカでの生活に終止符を打った彼女は、これまでの半生を後悔して母親になろうと努力する。彼女がさかんに「疲れた」「老いた」とつぶやくのを耳にして、まだアラフォーなのに…と暗い気持ちになった。

孫力の家には、80年代には毛沢東像が、90年代には鄧小平像が飾ってあった。彼の国家への忠誠心を感じるとともに、時代が変わっても彼自身は変わらない(貧困から抜け出せない)皮肉とも受け取れた。時代の波に乗じて儲け話に人生を賭ける蘇民生との対比が、最後まで飽きさせない。

テーマは「本当の幸せとは何か」だと思う。
財力があること?
誠実な心を持っていること?
時代は変わっても普遍のテーマと言える。

親たちは一生後悔し続けるのだろう。

蘇民生は、阿美が歌う石軍生作曲の「おとうさん」を聴いて、自分が蚊帳の外であることを思い知らされて会場を去る。

孫力は愛妻に対し後悔し続けるのかもしれない。
玉琴は息を引き取る間際まで、夫が阿妹に愛情を注ぐ姿に嫉妬していた。妻と娘とでは愛情の形が違うと頭では分かっていても、感情はついていかない。掃きそうじをしている孫力が、「おまえが一番」と言えなかったのを後悔しているようにも見えた。

新 笑傲江湖 第20集まで

20131213

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2013年/中国/ 全42回(TV視聴)
監 督  胡意涓(フー・イージュエン)
     黄俊文(ホァン・ジュンウェン)
原 題  笑傲江湖
原 作  金 庸
出 演  霍建華(ウォレス・フォ) 陳喬恩(ジョー・チェン)
     袁珊珊(ユエン・シャンシャン) 陳 暁(チェン・シャオ)
     楊 蓉(ヤン・ロン) 黄文豪(ウォン・マンフウ)
     楊明娜(ヤン・ミンナー) 鄧 莎(ダン・シャー)
     韓 棟(ハン・ドン) 黒 子(ヘイ・ズー)
     梁家仁(レオン・カーヤン) 胡 東(フー・ドン)
     張衛健(ディッキー・チョン) 何佳怡(ハー・ジアイー)

<内容・感想など>
かつて李亞鵬版『笑傲江湖』を観るつもりだったが、いつしか最寄りのショップから消えていた。原作も未読だったので、今回何の予備知識もないままに、本編スタート!鮮やかな色調と舞台背景のような山や木々、そして違和感大アリのCGが、画面いっぱいに広がっている。どうしようかと迷ったが、イケメン主演に惹かれてついダラダラと半分まできている。

スタートと同時に小説『秘曲 笑傲江湖』を読み始めると、これがまたおもしろい。今は最終の7巻目で、予備知識がありすぎて困っている。(笑)当然のことながら原作とドラマは違うが、頭の中の令狐冲は完全に霍建華。他の登場人物もみんなドラマの出演者。ドラマにないストーリーまで観た気分になっている。だからドラマの正確なあらすじは書けそうもない。

でもちょっと、ここまでの経緯を、大雑把にたどってみよう。
華山派の一番弟子令狐冲(霍建華)は、幼い頃孤児となったところを師父、岳不群(黄文豪)と師娘、寧中則(楊明娜)に助けられ、実子同様に育てられてきた。師父師娘の実娘岳霊珊(楊蓉)とは幼なじみだ。

あるとき令狐冲は青城派との諍いの罰として、師父から1年間の面壁を命ぜられる。洞窟の中で彼は偶然、剣術の秘訣が描かれた壁画を発見。風清揚(梁家仁)という達人からも手ほどきを受け、独狐九剣を習得する。

優れた剣術を持つ令狐冲だが、度重なる負傷で内力は激減、余命わずかと彼は悟る。そんな彼に、日月神教の教主、東方不敗(陳喬恩)、恒山派の儀琳(鄧莎)が想いを寄せる。彼が一途に愛するのは岳霊珊だが、彼女の心は、華山派の新弟子、林平之(陳暁)にあった。

師父は令狐冲に対し、徐々に冷淡になっていく。そんな中、彼が持っていた楽譜「笑傲江湖」が緑竹翁(張衛健)によって演奏され、その縁で琴の名手である彼のおば(袁珊珊)と出会う。令狐冲は彼女から琴を習い始める。

こうして前半を振り返ると、主演の霍建華は令狐冲にぴったり!と感じる。原作の彼は美男子で、豪放で大酒飲み。今まで陰のある役柄しか見たことのない霍建華だが、明るい感じはとてもいい。

なお、東方不敗を可愛い女優が演じるのはどんなものだろうか…と疑問が残る。原作の彼は修行にのめり込みすぎて男を捨て、奇怪な生物と化したのである。どちらかと言えば芸達者な男性が演じた方が、インパクトがあるだろうに。原作に忠実な東方不敗を見たいものだ。

林平之の配役は合っていると思う。さて今後あの可愛らしい少年がどんなふうに化けるのか、期待してみよう。

原作が終盤にさしかかり、ワクワクドキドキ!一方、ドラマの方は安心して観ていられる。これから原作と違うところも多々出てくるだろうが、楽しみにしていよう!
プロフィール

孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

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